魔法少女になり隊「新しい扉を開けた」デビュー3年目に掴んだ新たな感覚
INTERVIEW

魔法少女になり隊「新しい扉を開けた」デビュー3年目に掴んだ新たな感覚


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年09月26日

読了時間:約11分

 ポップでラウドでファンタジーなRPG系バンド・魔法少女になり隊が25日、3rdミニアルバム『POPCONE』をリリースした。2ndミニアルバム『∀』(アンチエー)を引っさげた全国ツアーも成功させ、“ましょ隊” が次にぶつけてきたテーマは「テーマパーク」。ワルツのリズムを起用した新しいましょ隊を感じさせる「メリーゴー エンドオブザワールド」などバラエティ豊かな5曲が収録された。インタビューでは、今作が遊園地というテーマになった経緯から制作背景、デビュー3周年を迎える今の気持ちを4人に聞いた。【取材=村上順一】

ポップでビジュアル化しやすい遊園地

『POPCONE』ジャケ写

――もうすぐデビューされて3周年を迎えますが、デビュー当時から意識の変化など感じていますか。

ウイ・ビトン 根底にあるものは変わっていないです。聴いてくれるリスナーさんや、ライブに足を運んでくれるお客さんを楽しませたいというのはあります。月日が経つごとにその想いは強くなっていて、それがライブや楽曲制作にも反映されています。

火寺バジル 私は3周年というのは、けっこう意識しています。3年目という重みはずっと感じていて、2016年のデビュー当時はアイドルさんとかが出るイベントに一緒に出たり、ラウド系のフェスにも出たり、色んな事に挑戦した、他のバンドには出来ない経験が出来た、めちゃくちゃ濃い3年間だったなと感じています。他のバンドにできない事をするということを更新し続けることが出来た3年でした。

――プレッシャーもある?

火寺バジル あります。あと、コンスタントにリリースさせていただいているので、ライブでもやっていない曲がけっこうあるんです。セトリを考える時も「あれもやりたい、これもやりたい」と決めきれないことも多くなってきたので、活動の月日を実感するんです。

gari 僕は逆にもう3年も経つのかとびっくりしています。というのも、全然数字を気にしていなかったんです。意識していたのは2014年に結成したというところぐらいで、デビューからというのはそんなに意識していなかったんです。それがなぜなのか考えてみたら、僕はライブでも観に来るお客さんが初見だと思ってやっているのが関係しているのかなと、ふと今思いました。なので、プレッシャーはあまり感じていなくて、色んなことを楽しくやれた3年でした。

明治 私もあまり数字は気にしていなかったです。というのも「3年経ったからこうじゃなきゃいけない」というのもないなと感じていて。私はプレッシャーをすごく感じやすいタイプなんです。なので、無意識のうちにそういったことを考えないようにしているかもしれないです。

――それぞれの3年間がありますね。さて、『POPCONE』がリリースされますが、テーマパークというコンセプトはどなたからの案だったのでしょうか。

gari これは僕からです。前作『∀』がけっこうクールな感じの作品に仕上がったと感じていて、次回はポップにいきたいなあと思いました。その中でポップでビジュアル化しやすいというところで、遊園地が良いんじゃないかなと思いました。ちょうど僕の中で遊園地が流行っていて。遊園地に行ったりしていたわけでもないんですけど(笑)。それをみんなが広げてくれました。

ウイ・ビトン 流行っていたというのは初めて聞いた(笑)。

火寺バジル 楽しいものというキーワードがあって、明るいハッピーな物というのをわかりやすく出したかったんです。遊園地というのが楽しいという感覚に直結しやすかったんです。

――タイトルの『POPCONE』も良いですね。

gari みんなで出し合ったんですけど、ウイさんの出したタイトルは面白かったです。Bを逆さにして“アンチB”とか。これ結構好きだったんですけど。

ウイ・ビトン ストレートに「3枚目」というのもあったんですけど、最終的には明治の考えたものに決まりました。

明治 ありがたいことに採用していただきました。遊園地に関するもので良いものがないかなと考えたときに、想像しやすくて遊園地を連想しやすいものというところで“ポップコーン”が良いなと思ったんです。ポップコーンは映画とかエンターテインメントに関係するもののおともにあるなと。みんなも知っていてキャッチーな言葉だなと思いました。そこから、コーンってスピーカーのコーンだったり、尖っているという色んな意味を込めて“CONE”という綴りにしました。

――ダブルミーニングになっているんですね。さて、オープニングを飾る「コースター」は明治さんの作詞です。ちなみにこの仮タイトルはなんだったんですか。

火寺バジル 確かこの曲は「セグロイワシ」でした(笑)。「メリーゴー エンドオブザワールド」が「コパン」、「Zombies bop」が「ジャガイモ小僧」で、「シャボン」が「ニワトリ爆弾」、「まぶたの裏のLEDライト」が「色眼鏡」だったと思います。

――相変わらず個性的な仮タイトルで(笑)。明治さんはこの曲を聴いてどのように仕上げたいと思いましたか。

明治 遊園地というテーマにデモを聞いて、ジェットコースターっぽいと感じました。最初はタイトルもそのまま「コースター」だったんですけど、それを抽象化したらどうなるかなと考えながら歌詞にしました。歌詞を書くときというのは、その時の自分にホットなこと、自分が思いを込めて書けるような出来事を軸に書きました。

――ウイさんは曲を作っている段階からこれが1曲目ということを意識して作ったり?

ウイ・ビトン そういうのを意識して作る時もあるんですけど、「コースター」はそうではなかったです。出来た後にこの曲が一曲目だなと感じて。全曲揃った時に一番幕開け感があるなと思いました。

――今回「コースター」、「メリーゴー エンドオブザワールド」と前半の2曲はgariさんのラップが入っていないというのも珍しいですよね?

gari そうなんです。今作は全体を通して僕の登場シーンは少ないんです…。やっぱり寂しいですか?

――ライブを拝見したことが何回かあるので、歌っていなくてもライブでパフォーマンスしているgariさんが僕は見えるので、そういった感覚はなかったです。

gari そう言っていただけて嬉しいです。「メリーゴー エンドオブザワールド」はすでにライブでも披露しているのですが、音源に僕の声は入っていないですけど、魅せることは出来るなと実感しています。今までだったら、特にMVを撮影する曲だったら僕のパートを入れた方が良い、ラップを入れないと僕がいる意味がないと思っていたんです。でも、今は大人になって入っていなくても大丈夫だなと思えるようになったのは、もしかしたらこのデビューして3年の大きな変化かもしれないです。

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