諦めなければ叶う、cyanが語る夢 娯楽なき場所で歌はどう響く
INTERVIEW

諦めなければ叶う、cyanが語る夢 娯楽なき場所で歌はどう響く


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年06月06日

読了時間:約10分

 シンガーソングライターのcyan(シアン)が6月6日、「青空/誰より、ずっと」でメジャーデビューする。1987年生まれの彼女は3歳でピアノを、13歳でストリートライブを始め、「人の心に寄り添う」をテーマに独特のキャリアを積んできた。これまで経験したステージは、ライブハウスはもちろん、老人ホーム、障がい者施設、刑務所など。さらに現在はサロンモデルとして、多数の美容室のモデルを務め「サロモシンガー」として活動するなど多岐に渡っている。「諦めなければ叶う」。夢を捨てなかった彼女が語る手にしたメジャーデビュー。紆余曲折の歩みをもって夢を手中に収めた彼女だからこそ言葉に重みがある。そのcyanにこれまでの歩みや、音楽の事、メジャーデビューにかける想いを聞いた。【取材=小池直也/撮影=】

メジャーデビューへの思い

――メジャーデビューの心境はいかがですか?

 ようやく探していたスタートラインに立てたという感じです。

――今回は新曲ではなく、過去の曲とセルフカバーを収録していますね。

 「青空」という曲はユニットを組んでいた7、8年前の曲なんです。私が作詞をして、ユニットの相方が作曲しました。cyanは「青」という意味なんですけど、そのユニットもAZurといって、フランス語で「青空」という意味です。特に狙った訳ではなかったですけど、昔の曲を聴き返して今の自分の気持ちと歌詞が重なるものはこれだなと。あとは色々な方にも相談させて頂いて、この曲を1作目にと決めました。

――この為に渾身の新作をぶつけようとは思いませんでしたか?

 もちろん曲は常に作り続けてはいます。一日一日、気持ちや心情は変わっていくじゃないですか。それでも気持ちに当てはまったのが「青空」だったんです。何よりも積み重ねてきた過去の作品たちをもっともっと大事に歌っていきたい。だから昔のアレンジではなく、今の私と同じように曲のアレンジも成長して、新しい一歩という形にしたかった。

 歌詞についても、その当時思っていた内容と違う感覚で捉えています。変更した箇所もありますが、今だからこそ気持ちを乗せられるところもあって「こういう気持ちを今も思っているんだな」と再確認できました。新しいアレンジによって曲がもっと好きになりましたし。

――リュ・シウォンさんに提供した「誰より、ずっと」のセルフカバーについては。

 この曲は完全に男性が歌うイメージだったんです。作った時はシウォンさんの事を思って想いを重ねて、というのが一番でした。でも自分自身で歌うと幅が広がるというか、新しいスタートとしても良い事なんじゃないかなと。

 この曲は作詞作曲も私なので、余計に想い入れがあるというのもありますね。シウォンさんは彼なりの想いを乗せていますが、私はこれからの始まりに向かって想いを乗せているので、違う印象になっていると思います。

 アレンジについても今回はバラード寄りにしました。「私が歌うならこの世界観で」というイメージがずっとあったので、それを重視したんです。ストリングスも大好きで、アレンジに取り入れたんですよ。

――ツイッターで「明るさと暗さの両面を持つのが、真の心」という様なつぶやきもありましたが、今回のシングルも爽やかな曲と切ない曲と二面性を感じさせますね。

 毎日楽しく元気にいれる事なんてないじゃないですか。だから元気な時はとことん元気になって、落ち込む時はとことん落ち込むんです。楽しい事を受け入れるキャパを作ろうというのが自分自身にもあるので、ああいうツイートになったと思います(笑)。多分落ち込んでいた時じゃないですかね。

 「常に笑顔でいよう、元気でいよう」と自分に言い聞かせていたとしても、どこかしらで負担になっていたり苦しくなっていたりすると思います。「もう辛い時は辛いでいいや」と考えた時にああいう言葉が出てきたんですよ。でも作品にはそれを狙ったとかはないです(笑)。

――これまでご自身で活動をされてきて、自分でマネジメントしていく事もやろうと思えばできたのでは?

 自分自身でやってきた活動は短くはなかったと思います。ただ1人でできる事は限られていて、違う世界を見たいという憧れも正直ありました。メジャーにいくとなると「誰とやるか」というのがすごく大事になってきますが、今は本当に恵まれた環境にいさせてもらっていると感じます。やっと「ここだ!」と思える場所だと思えたというか。

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