別所哲也と小池都知事(撮影=桂 伸也)

 米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア』(略称=SSFF&ASIA)代表を務める俳優の別所哲也が25日、東京都庁を表敬訪問。小池百合子都知事は、東京都の情報発信と連携する同イベントへの思いとともに、日本の音楽、映像が世界に進んでいくことを期待した。

 SSFF&ASIAは東京都との共催のもと、2016年から都の観光施策である「東京ブランド」を発信するべくコンペティションに「Cinematic Tokyo部門」を設置。多彩な「東京」の魅力を発信するプロジェクトとして、撮影地が「東京」である作品、「東京」をイメージした場所・物を取り扱った作品、100年後の東京を想像して描いた作品など多くのショートフィルムが、毎年世界各国から応募されている。

別所哲也と小池都知事(撮影=桂 伸也)

 また今回は、初開催から応援を受けているという、映画『スター・ウォーズ』の生みの親、ジョージ・ルーカス監督から、グランプリに対して「ジョージ・ルーカス アワード」という命名の許可を受けたことが大きなトピックスとなっている。今回の表敬訪問は、そのSSFF&ASIAの団体創立20周年開催に先駆けておこなわれた。

 小池都知事は、別所と対面すると一言、「20周年、おめでとうございます」とお祝いの言葉を贈り、東京都も協賛という立場でこのイベントを応援することで、東京を発信する一つの役割を果たしていることに感謝の意を表した。

 また、20日に閉幕した『カンヌ映画祭』で、最高賞パルムドールを受賞した映画『万引き家族』(6月8日公開)を手がけた是枝裕和監督が、東京生まれの東京育ちであることと合わせて「自身で発信していただいている」という点を挙げ「これから東京2020大会に向けてスポーツの発信もしますが、やはり成功したオリンピック、パラリンピック大会は、(同時に)文化の発信もちゃんとしています。その意味では東京の発信ということで、このSSFFの皆さんとともにまた歩んで生きたいと思います」と、今後のイベントに向けての思いを語り「今年も成功されることを心からお祈りしております」とSSFF&ASIAに向けてエールを送った。

小池都知事(撮影=桂 伸也)

 当日はオーストラリアの新進気鋭女性監督・ジェネヴィエーヴ・クレイースミスがメガホンを取り、ダウン症の主人公がシェイクスピアの知識と即興で描くイラストで東京の魅力をユーモアいっぱいに伝える『シェイクスピア・イン・トーキョー』(東京都制作)の予告編をメディアに向けて初公開した。

 さらには、海外監督の感性によりつくられる東京のコラージュ映像「Tokyo Cinema Ensemble」として、特別に書き下ろした3種類の楽曲の一部もあわせて初公開された。この楽曲は、近年海外でも人気の詩吟、和楽器とロックバンドを融合させた和楽器バンドの書き下ろしによるもの。

 小池都知事は『シェイクスピア・イン・トーキョー』に対して「東京を外国の方が見られて、日本人の日常では分からない、東京の新しい魅力をどんどん掘り出してくださっている」と関心を寄せつつ、東京都の動画サイト『東京動画』での活用の意思をコメントした。

 また披露された「Tokyo Cinema Ensemble」の楽曲については、東京の老舗和太鼓会社が、カリフォルニアに進出していることを挙げ、和の音楽が海外でも注目されているという認識を語りながら「音楽も必ず映像のつきものだと思いますので、是非日本の音楽も、素晴らしい映像とともに世界に進んでいくよう、応援しております」と自身の思いを明かした。【取材・撮影=桂 伸也】

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