濃かった3年間、ときめき宣伝部 実りを迎えた「ときおとめ」
INTERVIEW

濃かった3年間、ときめき宣伝部 実りを迎えた「ときおとめ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年04月17日

読了時間:約19分

まさに粒ぞろい、音と歌詞では違う世界観

――さて、今回のアルバムはまさにバラエティ豊かです。

吉川ひより 良い意味で統一感がないアルバムだなと思っていて「粒ぞろい」です。一番の「ザ・とき宣」と言えるものが「キタコレ!モーニング」だと思うんですけど、「とき宣」にとっては新鮮な曲でもある「トウメイ恋心(ハート)」という大人っぽい曲調が入ったり、より幅広い曲も増えました。「トウメイ恋心(ハート)」や「TRAP」といった曲はこれまで以上に頭の中で曲の物語をイメージして歌うようにしています。

小泉遥香

――パフォーマンスするにあたってメンバー間で話し合ったりは?

小泉遥香 すでに披露している曲は、表現の仕方とかは考えてからお客さんに見せるので話し合います。例えば収録曲だと「PaPiPoPiポップガール」は表現の仕方や表情の作り方とかは話し合ってはいます。

――収録曲を聴くと80年代から今のJ-ROCKの要素が詰まった曲だなと思います。懐かしいメロディやダンスロックなどもあって。まさに「粒ぞろい」。どの曲も印象深いとは思いますが「なかでも」というのを挙げてください。

辻野かなみ 私は「TRAP」。これを聴いた時に凄い大人っぽいと感じて。銃の「バーン!」という音も入っていて。格好良くてセクシーな女の方がイメージに浮かびました。歌う前は「この曲を『とき宣』が歌うんだ~」という楽しみな気持ちがあって、いざレコーディングに臨んで出来上がったのを聴いた時に、皆が凄く格好良く感じて。学生じゃなくて大人だなと。この曲好きだなと感じました。それと、サラの落ちサビ前のフレーズ。中学生なのにあんなにも色っぽい大人っぽい声が出せるんだと思って。私は凄く好きです。

小高サラ ありがとう。

辻野かなみ 初めてヒップホップの振りを付けて下さって、ライブではそこも見どころかなと思います。

藤本ばんび 私は「遠くであがる花火 二人ならんで見てた」が凄いお薦めです。この曲は男の子と女の子の恋を、花火の情景に例えていて、メロディだけでなくて歌詞だけ読んでも良い曲です。可愛くて…可愛い…。セリフのパートもあって、女の子目線だと思うんですけど、男の子、女の子どっちも当てはまるなと思っていて、どっちから聴いていても違うキュンとする感じがします。

――ロックサウンドが効いているので騒ぐという印象もありましたが、歌詞だけ読んでみるとそういう優しい情景も浮かんできますね。坂井さんは?

坂井仁香 私は「プリンセスプリンセスプリンセス」という曲をお勧めします。この曲は、「女の子はいつだってどこにいたってプリンセスなんだよ、お姫様なんだよ」ということを歌っている曲で、女の子はいつだってみんなのいちばんでありたいと思いが込められています。AメロとかBメロの部分は歌詞も可愛かったりするんですけど、サビになると強い気持ちが表れていて。私達の芯の通った気持ちも伝えられる曲でもあって、一つの曲で可愛い私達と、私達の強い気持ちが伝えられる、いろんな側面が見られる曲です。

――ダンスロックで踊れるようなイメージもありますね。

坂井仁香 そうなんです。なので、ファンの人用に私達がコールをレクチャーするノリ方講座の動画を撮りました。そういうのも見てみんなで一緒に楽しめるようにと。ライブではかなり盛り上がる曲になると思います。

――藤本さんあの動画ではかなりはじけてますよね。あの企画は面白いと思いました。小泉さんは?

小泉遥香 私は「SWEET SWEET DAYS」という曲がこのアルバムのなかで自分的に一番好きです。私達はわりといつもは、高校生、中学生のメンバーで中身は幼稚園生のように、楽屋ではうるさかったり、でもモノを食べているときは大体静かなんですけど(笑)そういう時間が多くて、ライブの時は宣伝部員さんと一緒にはっちゃけて笑って泣いて。いろんな感情になってそれも宣伝部員さんと一緒にという気持ちが強くて。その時間が中心にあるから凄く楽しい生活、時間を過ごせているんですね。でも決して、幸せな時間がずっと続くとは限らないということを歌にしていて。私達もそういうことは3年もこのグループに居続けているから十二分に分かっているんです。いろんなことがあって、いろんな感情になって。逆に泣いたり、悔しい気持ちになったり。そういう毎日が永遠じゃないということが分かっているから、この瞬間を大切にしていきたいというのが歌になっていて、凄く深い物語の歌だなと。それを全身全霊、心を込めて歌っています。大きなライブとか集大成を見せるライブではこれから大事になってくる曲だと思っています。

小高サラ

――全身全霊という言葉はなかなか出てこないと思いますが、それだけ懸けているということですね。小高さんは?

小高サラ どの曲も大好きなんですけど「とき宣」史上最大の大人っぽいメロディというのが「トウメイ恋心(ハート)」で、この曲は自分が好きな人の心は見えないからどうしても自分からは好きと言い出せないという気持ちを歌っている曲です。曲の途中まで(曲の主人公が)いろいろと考えていて、最後には<Ah 恋のいろはにほへと♪>でちょっと前向きになっている。最初は「なんで」サビも「どうして」ってなっているのに、後半はポジティブになった明るい自分が見えているような、そうした変化がみられる曲です。

――ロックはロックでも、ピアノが印象的に入っているので、より心に響くような感じのように感じました。吉川さんは?

吉川ひより 「すきっ!」という曲があるんですけど、この曲は少女漫画をそのまま歌詞にしたような曲です。恋する女の子だったら誰でも共感ができるんじゃないかなと思うぐらい可愛い。とにかく、曲名の通り「すき」というフレーズがめちゃくちゃ出てくるんですよ。その回数が114回。わたしたち114回も好きと言っているみたいで(笑)ライブで披露しているんですけど、こんなにも1曲に好きって入るんだなって思って。私たちも歌っていてキュンキュンしちゃいます。実は6人なる前にあって温めていて、大事に取っておいたんです。いまこうしてアルバムに入ることになってうれしい。MVもYoutubeで公開していて、凄く可愛い。今までにないぐらい女の子全開のMVなので見てほしい。可愛い「とき宣」が聴けると思います。

――「DEADHEAT」のMVでは殴り合っていましたもんね?

吉川ひより そうなんですよ! そのMVと比べると真逆。黒とピンクぐらい。

――真逆というと大体は「黒と白」ですけどね。

吉川ひより そうでした(笑)

坂井仁香 「すきすきすきすきすきすき―」って言うんですよ。凄い好きなんです。好きみたいです。

――片想いしている人にどう使ってほしい?

坂井仁香 使ってほしい? じゃあ、好きな人と一緒にカラオケに行ってこの曲を好きな人に向けて歌ったら…どうでしょうか…(笑)。

吉川ひより 歌っちゃえば伝わるよね。そのまま。

坂井仁香 聴いて下さい。「すきっ!」(笑)。言葉だと伝えづらいじゃないですか。でも歌だと伝えられる。ノリで。というのがあると思うので、片思いしている人がいたらこの歌を歌ってみてください(笑)。

――どんだけ好きなんだ、という話ですよね。

坂井仁香 良いと思います(笑)。

私達ならではの表現方法

――小泉さんはロックが好きなんですよね。ギターも弾いているとか。

小泉遥香 そうです、好きです。ギターはアコースティックギターをやっています。そんなに上手ではないんですけど、音楽が好きなのでいろんなアーティストさんのライブを見に行くようになって。それまでは自主的に行くことはなかったけど、1回見に行ったらやめられなくなっちゃって。お休みの日があったら即行けるライブを探していくような感じです。家では好きになった音楽をコードを調べて弾いてみたりとかしています。スピッツさんの曲とかを最近弾いているんですけど、弾いていたらお母さんが乗っかってきて。

吉川ひより

――乗れるということはちゃんと弾けるんですね。

小泉遥香 一緒に弾き語りして、音楽は凄く楽しいなと最近楽しめていますね。

――一方の辻野さんは音楽が苦手という。

辻野かなみ 真反対で…(笑)本当、今まで歌ったりしなかったんです。小学生の時に音痴だねと言われて、そこから学校でも歌えないという。合唱コンクールとかも無理でした。でもピアニカやリコーダーは好きなんですし、一人で聴くのは好きなんです。でもまさかの「とき宣」に入れて頂いて。人前で歌うのは本当に嫌いで、でも入れてもらって。苦手だった自分がまさかの届ける側に居られることが嬉しいです。

――同じ立場にいる子たちにメッセージは?

辻野かなみ 音痴って思わないで、苦手でもこういう活動をしたいなと言う子がいたら絶対に挑戦した方が良いと思います。

――「とき宣」自体が苦難と挑戦の連続。それを乗り越えた歴史ですからね。身をもって示しているというか。

辻野かなみ 挑戦すると一気に世界が変わります。その一歩で人生が変わるので、やってみたいという子がいたら絶対に勇気を振り絞ってやってほしいと思います。

――さて、バンドには自分たちの主戦場はライブということで「ライブンバンド」と呼ぶこともあります。皆さんはどうですか?

小泉遥香 ロックバンドとアイドルの違いって、大きく言うと楽器を持つか持たないだと思っていて、私たちはマイク1本しか持たないけど、そのほかにも笑顔や大きく言うと喜怒哀楽の表情で、楽器で音を作るのと同じように、顔や声で歌に表情を付けていると思っています。私たち海外でライブをして、その時に共通言語として「笑顔」を掲げたんです。マイクと表情で人を笑顔にさせることができる。人を虜にさせることができるということを3年を通して学んで。今、いろんな表情でいろんな曲をこうして歌わせて頂いているので、表情や声を大事にして私達にしかできない声やライブを届けていきたいですね。

――では最後に初めて聴く人にアピールを。

坂井仁香 今作は初めてのアルバムで、可愛かったり、格好良かったり、大人っぽかったりとか、いろいろな私達の歌声が入っているので、このアルバムだけで「とき宣」のことをかなり知れると思います。ぜひ聞いて興味を持ってもらって、ライブにも来てほしいと思います。

(おわり)

辻野かなみ

藤本ばんび

坂井仁香

小泉遥香

小高サラ

吉川ひより

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