みんなで作り上げる、寿君 ジャマイカで学んだ音楽の楽しみ方
INTERVIEW

みんなで作り上げる、寿君 ジャマイカで学んだ音楽の楽しみ方


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年04月13日

読了時間:約13分

ジャマイカ滞在でコミュニティに溶け込んだ

——ちなみにジャマイカは今でも行かれていますか?

寿君

 25歳の時に初めて行って、これまで6回ほど行きましたね。初めて行った時はやられる事ばかりでしたよ。水は止まるわ、鳥と魚しかなくて鳥を食べるとえずくわ…。滞在は1カ月〜3カ月続きますから。「また鳥か」みたいな(笑)。美味しいんですけどね。鳥は250円くらいで鳥丼みたいなのが食べれるんです。魚はそれの2倍くらいの値段。だから魚を食べていると「ちょっと分けてくれ」と人が集まってくるので、魚は極力隠れて食べていました(笑)。

 仲良くなった現地の友達がいるんですけど、ある日、彼がお母さんに「寿君とばっか遊んでないで働きなさいよ。あんたのせいでガスも止まって、子どもも泣いてるのに」って言われてしゅんとしていたんですよ。それを見て「ガスを買い行こうぜ」とそいつと買いに行ったんですよ、1500円位で買えるので。そしたら、子どもたちが「寿ー!!」と寄って来て、大スターですよ(笑)。お母さんも「おまえは私の息子よ!」と大喜びでした。その時はめっちゃ深くコミュニティの中に入る事が出来ましたね。

——治安などはいかがでしたか?

 2回目以降は知り合いもいるし、行く度に過ごしやすくなりました。初めての時はパソコンもお金も持ち物を全部盗られて。その時は「銃もナイフも突き付けられたし、なんだこの国は」と思いましたけど、何度も行くと連れが守ってくれるんですよ。日本人を見ると「飯おごってくれ」、「ビールおごってくれ」しか言わなかった人たちが、認めてくれると「お前面白いな。ビール飲むか?」と自分からおごってくれて。

——現地ではどの様にして音楽を楽しんでいるのでしょうか。

 皆で曲を作りますね。有名な人も皆で作っていると思います。「ジャマイカの言葉の曲を作りたい」と相談したら「おい、あいつとあいつ呼んできて」と曲書くのが上手い人を呼んでくるんです。英語とジェスチャー交じりで曲の意味を覚えながら、歌える様になると「おーい聴いてくれ!」と皆の前で歌うんですよ。人前で歌うと、皆すごく盛り上がって「何だこの日本人!」ってなります。それによって深くコミュニケーションをとれるんですよね。
 だから、ジャマイカで意見を出し合って、1つ曲を作りあげた時「日本でもこれやった方が良い」と思ったんですよ。色んな歌い手で集まって1曲作ったら絶対良い物ができると。だから今回スタッフの皆さんと一緒に作品を作る事ができて本当に良かったです。

——最後に読者にメッセージをお願いします。

 今後はアルバム制作など楽しい事を盛りだくさんで考えています。まだまだふがいない想いをする事もあると思いますけど、そんな自分も励ませる様な曲を作っていきたいです。「一人じゃない」で皆さんと一緒に成長出来たらなと思っています。是非チェックしてください。

(おわり)

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