音楽は世界共通言語、文音 草笛光子から感じた「言葉の重み」
INTERVIEW

音楽は世界共通言語、文音 草笛光子から感じた「言葉の重み」


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:18年04月12日

読了時間:約12分

様々に考えさせられた“結婚”、演技のポイントとした「甘え上手」

――映画のお話をもう少しおうかがいできればと思います。この映画では“結婚”というテーマについても触れられていますが…失礼ですが、文音さん自身もそろそろ結婚についていろいろと考えられている時期にもあるかと…(笑)

 (笑)。まあそうですよね。最近は本当に周りの友達みんなの結婚ラッシュが続いていて、結婚していく人たちがいっぱいいます。ただ私は…今は自分に関して結婚願望が本当にないんです。ビックリするくらい。

文音

文音(撮影=ヨコマキミヨ)

――映画では実際にウェディングドレスを着られるシーンもありました。ポスターイメージにもなっていましたが、いかがでしたか?

 やっぱりキュッと身が締まりましたね、ウェディングドレスは。まあ結婚したいな、という気持ちは…いつかできたらいいですね。でもそういう願望がフワッと出てきたかというと、まだですね。すごく素敵なことだと思いますけど。一方で、結婚って我慢だとも聞いていますし(笑)

――映画でも三浦(貴大)さん演じる夏海の相手・大和との関係で、衝突する部分もあり、“結婚するとこういう部分もあるんだ”と思わせるような、その言葉を象徴するようなシーンもありましたね。

 確かに。でもやっぱりいつかは結婚できたらいいですけどね。ウェディングドレスは、自分のプライベートでもちゃんと着たいと思いました。

――大和もそうですが、また鶴見(辰吾)さん演じる夏海の父親が見せた、“ああいったお父さんがいたら”みたいな、理解のある父親像も印象的でしたよね。娘の相手と駆け引きをしながら(笑)、でも娘の幸せをしっかり願うという感じの。

 昭和の、古き良き父親っていう感じですよね。すごく渋いというか。現場では鶴見さんとはあまり喋るときがなかったんですけど。でもラストのバージンロードのシーンは、撮影の最後に撮ったんですけど、鶴見さんはすごく泣いていらっしゃって。

――かなり役に入り込んだ感じですね。

 昔の父親って、そんなに娘とも会話をしなかったり、でもすごく一家の大黒柱という感じでそこにいて。一方でウェディングドレスを着てバージンロードを歩く娘を見たときに、ボロっと涙が出てしまう。そういう昭和の良いオヤジを、すごく素敵に演じてくださっていたという気がします。

――ご家族の反応としてはいかがでしょう? 実際の映画は、文音さんのお父さんは見られましたか? なにか言われたことも?

 見せました。「今までで一番泣ける映画だったかもな」と言って去っていきました。一言だけ言って(笑)

――結婚へのプレッシャーを掛けられるようなことは?(笑)

 いや~そんなことは全然ないですよ(笑)

――でも実際「この人と結婚したい!」と相手の方を連れて行ったら、どんな感じなんでしょうね?

 どうでしょうね? でもまず結婚相手が見つかってないですから…(笑)

――それは一番高い壁ですね(笑)。演技面のアピールポイントもおうかがいできればと思います。文音さん自身にすごく元気な性格だという印象を受けた一方で、役柄の夏海という女性も同じように元気な面が作品では見られましたが、その意味では役作りというより、わりと素で演じた感じでもあったのかな? と思いました。

 そうですね。でも一つ思ったのは、甘え上手だと思ったんです、夏海という女の子は。それに対して私は、あまり人に対して相談をしないタイプで、全く逆。悩みがあっても自己解決してしまう。だから他人に頼ったりとかすることというのが、本当に苦手なんです。

 夏海は、例えば恋人に対してもそうなんですけど、今回大和に対してはすごく甘える女性だと思ういました。おばあちゃんに対してももちろんなんですけど。だから今回はそんな部分を、ちょっと意識しました。

――甘え上手、ですか?

 すごく甘え上手で、台風みたいな女の子かと。この子が動くと、みんなが巻き込まれる、みたいなイメージ。でもそれは「この子のために何かやってあげたい」と思えるから。なぜそうなるのか、その性格を追求した結果、この子は「甘え上手な女の子」なのだと。そんな性質が、計算ではなく自然に表に出てくる女の子なんだ、と感じました。だからどこかで、しっかりしていない部分というのもすごくあって。

 私はプライベートでは長女なので、結構要所でいろんなことを考えて「ここはしっかりしないと」といろんなことを考えて、常に一歩引いちゃうところがあるんです。それは今回の夏海には無い部分なので、「積極的に甘えていこう」というか、その部分は意識しました。

――深い視点ですね。一方で文音さんは、普段は人に甘えるのは苦手ですか?

 普段はあまり人に相談もしないし、ちょっと苦手かもしれません。その場その場で楽しく過ごすことはできると思うけど、本当に人に甘えていくということって…本当に夏海ちゃんみたいにできたら素敵で、可愛い女の子になれると思うんですけど、なかなか難しいですね。

――では、この役を演じてみて、しっかりと教訓ができたというか(笑)

 できましたね。もっと何か、この人にために何かやってあげたい、と思わせるような甘えを。ドジでもいいんです(笑)

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