楽曲の可能性を自分たちで広げる、WEBER ステージで育てる物語
INTERVIEW

楽曲の可能性を自分たちで広げる、WEBER ステージで育てる物語


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年03月31日

読了時間:約12分

本人が楽しんでいないと、見ている人には届かない

――WEBERは「物語性を大事にする」というのも大きな特徴かなと思うのですが、そのあたりはどういうところから出てきたんですか?

Hayato

Taka. WEBERは自分たちで曲を書いているわけではなく、曲を作っていただいて僕たちのフィルターを通して歌って踊って表現しているところからですね。

J 楽曲が出て終わり、じゃないんですよね。楽曲が出てから、さらにその楽曲の可能性を自分たちで広げているのがWEBERだと思うので。それがライブのやり方につながっていて。「Masquerade Bitter Night」もそうですし。

 「この楽曲って、そういうふうにも捉えられるんだ」ということを改めて知ってもらえるのと、次の作品が出たときに、「じゃあ次はどんな話なのか」「どういう風に表現をしてくれるのか」という期待にもつながる。たぶん、それができるグループはなかなかいないと思いますし。WEBERはもう結成から5年ですが、だんだんみんなの役割ができはじめてきて。

 WEBERの強みとして、表現として続けていけたらと思います。メジャーデビューシングルから、この曲もそうですけれど、僕らが続けていくにあたって、将来的に「50代でこれを歌ったときにも」「あのときの物語はこうだけれど、今回こうだったね」みたいになっていれば、いいかなと。それを今からやれているので、可能性はすごく秘めていると思います。

――先ほど話題に出た「Masquerade Bitter Night」も、毎回核になる話がしっかりありますね。

Hayato そこもWEBERの1つの色というところになるのかなとは思うんです。物語を作るにあたって、「Masquerade Bitter Night」もTaka.が脚本を書いて演出をしていたりとか、結構自分たちで作り上げるというのが、僕らならではなのかな、と思います。

Taka. 僕は演出といったものが好きなので。4人の個性が本当にバラバラで、いいと思うものも違えば、表現していた内容も違うし。そういう中で、「Masquerade Bitter Night」に関しては、この人のこういうところを見せたいなというところから脚本を書いて。

 逆にダンスになったときに、他に任せられるメンバーがいっぱいいるので。この物語をよくしたいから、「Jさん、この振付をお願いします」とか、Skeetと「ここの音をどうしたらいいかね?」だとか4人で話し合って作っていく感じです。結局は本当にみんなで作り上げているライブなのかなというのは、すごく感じます。

――ところで、今作1曲目「僕の記憶が嘘をつく」と2曲目「僕の恋人」について実際に作っている作家さんは違いますが、2つはまるで続いているような感じですね。

Taka. 「僕の記憶が嘘をつく」で歌っているものに関しては、相手に強がっている自分の印象が強いと思うんですけど、逆に1人になったとき、本当にこうだったな、という心情がすごく強く出ているんじゃないかな、ということを感じましたね。

――「僕の記憶が嘘をつく」の嵐のような心境から抜け出せて、「僕の恋人」で未来志向になる感じです。

Taka. 曲調自体、春のイメージというか。そうやって聴いてもいいし、深く掘り下げていった時に、歌詞はすごく悲しいことを言っていると思うんですけど、それが本当に重く聴こえないというか。シンプルに耳に入ってくる感じが、うまくできているなという感覚ですね。

 「僕の記憶が嘘つく」と「僕の恋人」は、セットで聴くとより深いところまで楽曲のストーリーなどを自分たちで組み立てていってもらえたりするんじゃないかなと。深く掘り下げられる感じのシングルになっていると思います。

little Skeet 曲調も歌詞も真逆というか、裏と表だという風に僕は捉えていて。これがTaka.の言葉どおりセットになって、ようやく1つの物語としてちゃんと焦点が合ったように感じるので。パフォーマンスの面でも、「僕の記憶が嘘をつく」のときはすごく激しく「もう、どうしたらいいの」という感じでパフォーマンスし、一方で「僕の恋人」は、すごく落ち着いて自分の心の中のその彼女に問いかけているように踊っています。

 いろいろな表現ができるので、この2曲だけでもすごく楽しい。今回、どちらもJさんが振りをつけてくれているんですけど、「僕の記憶が嘘つく」はすごい激しくやっていて。でも「僕の恋人」は相手のことを思って、でも思いきれなくて、という切ない部分があって、とても素敵です。

J ありがとうございます(笑)。

――Jさんはどんなところをこだわりましたか?

J いま、Skeetが「やっていて楽しい」と言ったことが今、一番、僕の中ではうれしいですね。やっぱり本人が楽しんでいないと、見ている人には届かないんです。振付に関しては、「僕の記憶が嘘をつく」の方は、ショーとしての構成やポジションといった踊りのスキルの部分を見せて、「この世界観をどうぞ」といった感じで作ったのですが、2曲目の「僕の恋人」は自分の気持ちでずっといるので。逆に見る人に共有してもらおうという気持ちになって、ファンの方が真似できそうな振付にしたんです。この2曲は本当に真逆、正反対として、どちらを見ても楽しめるし、それが一緒になったときにも、「そういうことだったんだ」と思えるような振付にしようと思いました。

――お客さんを巻き込むことというのは、大事ですよね。

J そうですね。やっぱり今、一緒になって何かを作るとか、一緒になってなにかをやる、というところに楽しさを感じる方が多いと思います。本当はもっと簡単な振りにすればよかったんですけど、ちょっとSっ気が出ちゃいまして(笑)。

 ファンの方からは「振付動画を出してください」と言われて、ファンクラブの方にお出ししたんですけども。でも毎回言いますが、練習したものができたときって、達成感を得られるじゃないですか。それを新しい人に教えることで仲良くなってもらえたらうれしいです。また、ライブでみんなが一緒にできたら楽しいだろうな、というのがありますね。リリースイベントなど初めての方が見てくれる中で、ずっと応援してくれている方がいてくれて。その人たちと一緒になって、「ファンもともにWEBERなんだよ」ということを、初めて見る方にも届けている感じが僕はずっとしているんです。

Taka. シンプルに、僕らが仲良いから。それは伝わっているんじゃないかなと思う。

J そうだね。でもあまり仲良すぎても、そこに入るのが難しいところもあるじゃないですか。その狭間もうまいこと作っています。

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