井上苑子、小6から音楽活動 学んだ経験の大事さ 伝えたい想い
INTERVIEW

井上苑子、小6から音楽活動 学んだ経験の大事さ 伝えたい想い


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月18日

読了時間:約9分

井上苑子の音楽的変化

――井上さんの曲は同世代から共感を得る、等身大を描くことが多かったと思いますが、20歳を迎えて、より大人に近づいたという点で曲も変わっていくかもしれない?

 変わっていけたらいいなと思います。今までは同じ目線で書いてきたんですが、皆の事を引っ張れる曲を作っていきたいです。

井上苑子

井上苑子

――ここからは音楽の話を聞きたいと思います。昨年12月に出された、オリジナルアルバム『JUKE BOX』の収録曲に、いきものがかりの水野良樹さんが作詞作曲した「せかいでいちばん」があります。

 憧れでもある水野さんから提供頂いた曲で、自分が作る時とは歌う時の気持ちが全然違います。水野さんが書かれた歌詞なのに、私が書いた歌詞のように、寄り添って下さっているというのは大きいです。水野さんの、「私への」「私が歌うから」ということを配慮して作られる歌詞はすごく勉強になりました。歌詞に<キスがしたいよ>とありますが、水野さんやいきものがかりの歌でも聞いたことがないようなストレートな言葉もあって、私が歌うことを考えて作って下さっているんだなと感じました。

――曲を作る人が提供を受けると視野が広がったり、自分が作る曲の変化も表れると思います。水野さんが作詞作曲をしているという情報なしでこの曲を聴いた時に、これまでの井上さんの楽曲とは雰囲気が違うなという印象を受けたので、井上さんにとって転機になるのではないかと思いました。そのアルバムを経て今回、就活生のメッセージソングである新曲「踏み出す一歩が僕になる」を書き下ろしました。

 これは「背中を押せるように」と思って歌詞を書きました。今まで以上にパワフルにというか、芯のある歌を届けたくて、結構私は「芯がない」と言われていることが多いのですが(笑)、今回は芯をもって「背中を押す」という事を意識して歌いました。

――ツイッターでエピソードを募集して歌詞を作っていく形でしたが、歌詞を読むに、ツイッターから受けたものを曲で返答するような感じですよね。

 そうですね。皆の背中を押せるような、悩んでたりしている人の気持ちをグッと盛り上げられるような歌詞にしようと思って書きました。

――歌詞がこれまでの井上さんとは違うテイストが感じられました。例えば<何気なく歩いていたら知らぬ間にさまよっている>とか<楽を求めてはいけない平穏な日々>とか、結構、現実を叩きつけていますよね。

 いろいろと目指すところというか、みんなそれぞれが完璧を求めちゃうかもしれないですが、自分らしく、躓いても、泣いてもいんじゃないかと思ってみんなの日常に寄り添える曲にしようと思って書きました。

――こういう表現や想いが書けたのは、20歳を迎えたところが大きい?

井上苑子

井上苑子

 何かがあったということではないんですが、20歳になったというのは大きくて、今までは子供だなと自分でも思うところはありました。でも、もう20歳になったので大人にならないといけないと思い、ストレートに表現した言葉も入れました。

――曲作りではその時に聴いている曲や気分によって変わってくる?

 気分や私の状態もあると思いますが、色んな人からの刺激とか、沢山の人と出会って、いろんな音楽と出会って、そのなかで「自分はこの音楽にチャレンジしてみたいな」とかという気持ちが大事で、自分の中だけでは成立しないものもあると思うんです。なので、外から刺激を受けて曲作りに活かすことが多いです。

――上京されて、そしてメジャーデビュー。今振り返るとこの出来事は大きかった?

 そうですね。上京したら変化が沢山あって、一番は出会える人の数が多くなりました。お仕事も増えましたし、音楽関係でも色んなライブを見させて頂くことも多くなって。一つのジャンルにまとまらずにいろんなものを見させて頂く機会が多くなったので、それで自分に一番合っているものを探そうと思えて。そこからいろんなことにチャレンジして、メジャーデビューもできて…という形で変化していきました。

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