攻めている姿勢を見せたい、GLIM SPANKY 2018年にかける想い
INTERVIEW

攻めている姿勢を見せたい、GLIM SPANKY 2018年にかける想い


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月12日

読了時間:約15分

2018年は「攻めているGLIM SPANKY」を見せたい

――アレンジ面ですが、ギターで新たなチャレンジなどはありますか?

亀本寛貴 この曲は音作りが大事だと思っているので、この曲に関しては“The 俺の音”です。アレンジに関しても、サビとかで歌の間にギターのフレーズとか入るじゃないですか? ああいうのも、今までの楽曲ではあえてそんなに入れないようにしています。得意で好きだけど、あえてあまりやってなかったことなどを、あえてベタなことをやったりしていたりとか。

――普通だと避けちゃうかもしれないようなことを?

亀本寛貴 そうです。自分の中で今こういう音が好きで、こういう音に挑戦してみようということはほぼなくて。映画の世界観を考えて、この世界観で僕のできることはこれだろうということを選んでいって…。

 その結果、普段だったら「ベタだからやめよう」とか「これはいつもの音だからやめよう」というものでも、作品に合っているという理由で、それを思う存分ひけらかせているので。それはある意味斬新なのかもしれないですけど、僕の中では「これならいつでもできますよ」ということで勝負している音です。

GLIM SPANKY

――さっきのレミさんのお話で言う「自信を持っているもの」を出している音ですよね。

亀本寛貴 本当にそうですね。

松尾レミ サビの裏でコードをジャンジャンとずっと鳴らしっぱなしではなくて、隙間を持たせています。「愚か者たち」は引き算をたくさんしました。やはり迫力を出そうと思うと埋まっちゃう場合があるので。あまりGLIM SPANKYではやらないんですけど、今回は特にサビはサビらしくて、キャッチーなメロディがあるから、後ろは引いても大丈夫といったメロディのバランスでやりました。

――テンポはミディアムな感じですが、突き抜けるような感じがあってカッコいい曲ですよね。こういう風にできるのは、日本ではなかなか少ないです。一転してカップリングの「In the air」はファンキーな感じですね。こちらの曲の方がギター奏法的にはチャレンジがあったのでは?

亀本寛貴 これはギターというよりも、全体的にチャレンジな音です。僕が「こうやってみたい」というイメージがあってやっている音ではあるんです。そこが2曲で対比になっていると思います。聴いたときに「これ、GLIM SPANKYかよ?」というくらいに思われたいな、という感覚から制作しました。

――私も意外という感想があります。

亀本寛貴 こういうのが凄くやりたかったので。ギターも、今まではそれこそ超ロック的なアプローチじゃないですか?

松尾レミ うん。超ベタ(笑)。

亀本寛貴 でも「In the air」は伴奏のギターもカッティングで、そういうのは今まで入れたことなかった。そういうのが嫌いという訳ではなくて、むしろ好きなんですけど、今までの自分達の曲に合わなかったのでやってこなかったんです。でも、この曲はカッティングが合う曲だったので、入れてみました。

松尾レミ シンセサイザーもふんだんに入っているし。生のピアノが入っている初めての曲で。

亀本寛貴 ピアノが入っている曲は、今までなかったんです。オルガンやエレピはいっぱいあったんですけど。そういうことも含めてかなり今までと違うし、新しいチャレンジです。

――歌詞も面白いですよね。何か心境的に変化があったのでしょうか?

松尾レミ これは、書いているときが凄く忙しい時期だったんです。ツアーをしながら曲を書いて、休みもなかったので、「海外とか行きたいな」という感情からこういう歌詞になりました。

――SNSで拝見しましたが、最近も海外はけっこう行っていますよね。

松尾レミ はい。この間もベルリンへこの曲を書き終わって、すぐ行きました。いろんなことが溜まって溜まって、早く海外へ行きたい、色々インプットしたいという心情の頂点のところでしたから(笑)。

――インプットの欲求が破裂しましたね。歌詞にある<もう帰らないでしょう>と<もう戻らないわ>というのは、どういった意味で使い分けをしてるのでしょうか。

松尾レミ 戻るって、自分の居場所があると思いながら出るのか、もう帰れないと決意をするのか。そういう気持ちのモヤモヤというものが浮遊観、空中に漂っている。でも、決断をしきれない感じが出せたらいいなと。そういう言葉を使いながら、歌とサウンドがフワフワしているという。決断しきれない、そうだったらというような“たられば”という感じを表現しています。

――それで「In the air」というタイトルになったわけですね。

GLIM SPANKY

松尾レミ そうなんです。

――さて、5月12日には初の武道館公演『GLIM SPANKY LIVE AT 日本武道館』がありますが、今の心境はどうですか。

亀本寛貴 まだ、あまりそこまで現実感はないです。前回のツアーとはまた違うものにしないといけないなと。今ある、デビューから作ってきた曲たちと、今回のシングルで勝負をすることになります。

 『BIZARRE CARNIVAL Tour 2017-2018』は、『BIZARRE CARNIVAL』が主体のセットリストだったけど、そうではない、今までの曲をふまえての新しいセットリストを作らないといけないので、そこは楽しみではあるし、心配でもあります。

――“ベストオブ”的な感じに?

亀本寛貴 そうなるかなとは思います。今の自分達の感情を一番出していきたいし、次の感じもふまえて出していきたいと思っているので、そんなバランスでやろうかと。

松尾レミ 次が見える感じにしたいなとは思うので。

――武道館に思い出はありますか?

松尾レミ 大学の入学式がそうでしたね。私の思い出はそれぐらいで。

亀本寛貴 僕は武道館にライブを観に行ったことは、一回しかないんです。ユニコーンのイベントで、フジファブリックやGRAPEVINE、POLYSICSが出ていて。

――プライベートでも1回ぐらいしかないんですね。GLIM SPANKYが武道館に立つのは初めてなんですよね。

松尾レミ ないですね。どんな感じなんだろう…。ビートルズが好きなので、ビートルズが立ったステージということで、もちろん特別な思いはあります。ちゃんとロックしていて、「日本のロックバンドは熱いぞ」というものを見せつけられるステージにしたいなと思います。あとは、国籍も年齢も関係ないといつも言っているので、もちろん年齢層もバラバラなみんなが集まってくれたらいいなと思います。

――2018年の意気込みは?

松尾レミ 去年『BIZARRE CARNIVAL』というアルバムを作って、私は凄く良い作品が出来たと思っているんです。それは作品を作る度に更新されていくんですけど、ちゃんと2018年もこだわって、良いと思える作品を生み続けられるように、色々インプットも増やして頑張っていきたいなと思います。

亀本寛貴 また新しいアルバムは作っていくので、それに向けて色々インプットをして、またもうひとつ違って更に凄い曲を作っていくのが一番の目標です。それ以外ないよね?

松尾レミ そうだね。あとは、世間に変に迎合しないこと。常に挑戦し続けていたいですね。色んな意味で2018年は「攻めているGLIM SPANKY」を見せていきたいです。

この記事の写真
亀本寛貴と松尾レミ
亀本寛貴
亀本寛貴と松尾レミ

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事