4人組ロックバンドのTHE PINBALLSが2月23日に、東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブ『NUMBER SEVEN tour 2018』のファイナル公演をおこなった。昨年12月にリリースされたミニアルバム『NUMBER SEVEN』を引っさげて2月10日の名古屋を皮切りに、大阪、東京と3カ所を回るというもの。この日は『NUMBER SEVEN』の楽曲を中心に4月25日にリリースされる1stシングル「Primal Three」から新曲「Lightning strikes」も披露。密度の濃いロックサウンドを電光石火のごとく叩きつけオーディエンスを熱狂させた。

「that girl」でライブはスタート

(撮影=白石達也)

 続々とオーディエンスが会場に流れ込んでくる。BGMにブルースロックが流れるなか開演時刻を迎えると、BGMのボリュームが徐々に大きくなり会場は暗闇に包まれる。そして、SEが流れオーディエンスによる手拍子が響き渡るなかメンバーがステージに。オープニングナンバーは『NUMBER SEVEN』から「that girl」。イントロの森下拓貴(Ba.)のベースフレーズが緊張感を与える。そこにハスキーでエモーショナルな古川貴之(Vo.)の歌がオーディエンスの感情を揺さぶっていく。

 「盛り上がろうぜ!」と場面を一転させ「劇場支配人のテーマ」 へ。石原天(Dr.)の疾走感のある迫り来るビートに、中屋智裕(Gt.)のソリッドでエッジの効いたギターがアドレナリンを放出させる。「FREAKS' SHOW」、「ママに捧ぐ」、「I know you」とエネルギッシュでインパクトのあるロックナンバーで序盤からヒートアップさせる。

 古川はアルペジオを叙情的に響かせ「ニューイングランドの王たち」へ。バンドアンサンブルの妙を堪能させ、「特別なことしようぜ」とインストナンバー「農園の婚礼」に突入。古川は「一緒に飛びたいんだよね」と投げかけ、「ハッピーになろうぜ」の声を合図に、躍動するリズムに合わせ、フロアは体をビートに委ね弾ませるオーディエンスで埋め尽くされた。ライブハウスならではの一体感にさらに盛り上がりは加速していく。

 ステージは「農園の婚礼」からケルト風のギターフレーズが高揚感を与えた「片目のウィリー」へ。石原のドライブするビートが体の芯まで響き渡ってくる。「俺たちと一緒に転がってくれますか?」の問いかけに、躊躇なくオーディエンスは歓声をあげ「七転八倒のブルース」を浴びせるTHE PINBALLS。そして、ファンのために作った「ひとりぼっちのジョージ」、「carnival come」ではタイトルのごとく、お祭り騒ぎといった熱い空間が目の前に広がり、古川の紹介からメンバー各々がソロを回していくセクションも投入。それぞれのアイデンティティをぶつけ、ライブはラストスパートへ突入。

嬉しいことって続くんですけど...

(撮影=白石達也)

 「神は天にいまし」から森下によるマシンガンのようなピッキングで凄まじい音圧感を与えた「サイコ」、そして、「地獄の果てまで行こうぜ!」と冥土の土産と言わんばかりに放たれた「蝙蝠と聖レオンハルト」。フロアの天井には回転する赤いライトがサイレンのようにただならぬ緊張感と、真っ赤に染まるステージは闘争本能を掻き立てるなか、本編を終了した。

 アンコールの手拍子に応え、再びステージにメンバーが登場。「明日ってちょっと違うかもしれないと思ってやって来たら、今日みたいな素晴らしい日になりました」と告げ、「ワンダーソング」を渋谷CLUB QUATTROに広がる景色を噛み締めながら歌う古川。そして、「まぬけなドンキー」で諦めないアティチュードをサウンドと歌で示し、ステージを後にした。

 鳴り止まない手拍子。「最高!ステージってこんなにも楽しいものなんですね」としみじみ語る古川。「ここに連れて来てくれてありがとう」と感謝を告げ、「嬉しいことって続くんですけど...」と4月25日に1stシングル「Primal Three」をリリースすることを発表。渋谷CLUB QUATTROは歓喜の声に包まれた。

 その新曲「Lightning strikes」を一足早く披露。電光石火のごとく繰り出されるヘヴィサウンドは、THE PINBALLSの弾けるロックスピリットが存分に詰まったナンバーを浴びせ、「最高にデケエ声出していこうぜ」とラストは「十匹の熊(テンベア)」を全身全霊で届け、『NUMBER SEVEN tour 2018』の幕は閉じた。

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)