4人組ロックバンドのTHE PINBALLSが11月6日、メジャー2ndシングル「WIZARD」をリリース。今年の6月にフロントマン古川貴之の喉の不調により、ライブも急遽キャンセルするなどバンドは一時休止を余儀なくされたが、8月の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』で復帰した。9月29日にはワンマンライブも成功させ、新たなスタートを切ったTHE PINBALLSが提示したシングルは『オズの魔法使い』をモチーフにした4曲を収録。インタビューでは、古川に休養期間でのこと、今作に込められた想いなど話を聞いた。【取材=村上順一】
自分という存在がなくなってしまうんじゃないか
――夏には古川さんの喉の調子があまり良くなく、ライブもキャンセルするという事態になってしまいましたが、どんな状況だったのでしょうか。
自分はもともとあまりキレイな歌い方ではないので、喉が熱っぽくなったり、腫れたりすることがこれまでもありました。それがだんだん治らなくなってきて。ここ1年、2年体調管理や喉ケアはしていたんですけど、年齢的に治りのスピードが遅くなってるのかなと思っていたんですけど。
――症状としてはどんな感じだったのでしょうか。
いつも出ていた音域が擦れてきてしまって、これはおかしいと思って病院にいきました。そうしたらポリープが出来ていたので切除したんです。
――当時は不安もありましたよね...
ありました。自分という存在がなくなってしまうんじゃないかと思いましたから。
――それはご自身の中で歌の比重が大きいということでもあると思います。8月には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』にも出演されましたが、手応えはありましたか。
その時は歌自体はまだ完全ではなかったんです。ライブというのは生命力があるミュージシャンなら、例えめちゃくちゃにパフォーマンスしても、意外と見れてしまうことってあると思うんです。伝えたいことや熱量があれば、歌はめちゃくちゃだけど、良かったかなと。それは意図して自分が目指すところではないんですけど、そういった意味では『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』はギリギリまで絞り出した感じがあったので、熱量がとてもあったんだと思いました。
――SNSでも反響があったり?
どうなんでしょうね? SNSの反応については僕はあまり気にしていないのでわからないんですけど、現場での熱量はすごかったと思います。そういった日はSNSを見るまでもなく、今日は良いライブだったとわかるんです。逆ももちろんあるんですけど。
――古川さんにとってのダメなライブとはどんな感じなんですか。私は幸運なことに良い時のライブしか拝見したことないので、ダメな時の想像がつかないです。
僕の場合は歌のテクニック的なところや喉の調子で「ダメだな」と感じる事が多いです。でも、その反動でめちゃくちゃ熱いライブが出来ることがあるので、何とも言えないんですけど。