大切な人を浮かべながら歌った、Anly 大きな意味でのラブソング
INTERVIEW

大切な人を浮かべながら歌った、Anly 大きな意味でのラブソング


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年02月28日

読了時間:約11分

カバーはお客さんの反応が楽しい

――そして、エド・シーランの「SHAPE OF YOU」のアコースティックカバーも収録。

Anly

 ライブでは、いつもループペダルを使った演奏で披露しているので、それとは違った雰囲気を味わっていただけると思います。1曲目が温かくてやさしい、2曲目がはっちゃけたバンドサウンドなので、もう1曲はアコースティックの一面も聴いてほしいと思って入れました。

――アコースティックのアレンジを施す上で、どんなことをイメージしましたか?

 歌詞の最初に<恋人を見つけるならクラブじゃなくてバーがいいよ>みたいなフレーズがあって。原曲はポップでノリノリなので、逆にバーで歌っているようなしっとりめの雰囲気にしたいと思って。大人っぽい「SHAPE OF YOU」になりました。

 歌っていて楽しいのは、<Oh I Oh I>と繰り返すところです。こういうパートは歌い慣れてしまうとライブ感が失われてしまうんです。一番いいのは、フレッシュさとライブ感のあるニュアンスなので、そこは意識して「慣れる前に早く!」という感じで録りました。

――ただカバーするのではなく、いろいろな表現方法でやるのが楽しいですね。

 カバーをするごとに新しい技法を見つけられるので、カバーはすごく楽しいですね。実際に前回のシングル「Venus」で使った奏法も、「SHAPE OF YOU」でループペダルを使ったカバーから生まれたものだし、一本指でギターを弾く奏法もアデル(米シンガー)のカバーから見つけたものです。カバーしただけで終わりじゃなくて、そこから自分の新しい表現方法が広がっていきます。

――カバーしたいなと思う曲は、どういう曲が多いですか?

 ちょっとブルージーな曲が、多いかもしれないです。前回のシングルでカバーしたザ・ビートルズの「COME TOGETHER」もそうでした。それに私がアコースティックギターでやるので、アコースティックではない曲を選ぶこともポイントです。やっぱり、原曲とは違ったテイストで聴かせたいので。イントロを聴いただけでは何の曲か分からなくて、歌い出して「あの曲か!」と気づくみたいな、お客さんのそういう反応も楽しいし、「へえ〜こんな風になるんですね!」と言っていただけるのも嬉しいし。

 カバーだけじゃなく、自分の曲をアコースティックギター1本で演奏する時も、CDとは違うアレンジを考えて披露するようにしています。そうじゃなきゃ、ライブで聴いてもらう意味が薄くなると思うし。それに何か、やりたくなっちゃうんですよね(笑)。「前はここをミュートしていたけど弾いてみようかな」とか「ここは指を1本抜いてみようかな」とか。

――ライブを観る楽しさがありますね。

 生バンドの演奏で聴くと音圧もありますし、私が作った時のイメージにより近いものになります。ぜひ聴きに来てほしいですね。

――そんなライブですが、4月にAnlyさんの自主企画ライブ『Loop Night』を開催。どんな企画ですか?

 いつものライブでは、2〜3曲ループペダルを使った演奏をしているのですが、この日は全曲ループペダルを使った演奏をします。この『Loop Night』でしか聴けない未音源化のオリジナル曲もたくさんやるので楽しみにしていてほしいですね。

 ループペダルは、その場で音を録音してミックスして作るものなので、その時々で曲の長さやテンポも変わるんですね。だからそれも楽しんでもらいながら、ライブを一緒に作れたらいいですね。東京・Shibuya WWWは客席が斜めになっているので、ループペダルを操作している足下も観えると思うし。

――音楽の楽しさが溢れたライブになりそうですね。

 曲ができあがっていく様子を観てもらうので、お客さんとの距離が近づいて、一緒に作るみたいな気持ちになれるので私もすごく楽しいです。ただ、いつもは観られない足下ばかり観られたら、ちょっと緊張しそうですけど(笑)。

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