大切な人を浮かべながら歌った、Anly 大きな意味でのラブソング
INTERVIEW

大切な人を浮かべながら歌った、Anly 大きな意味でのラブソング


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年02月28日

読了時間:約11分

16歳の時のモヤモヤが曲に

――カップリングには、バンドサウンドの「SPOOON!!!」を収録。自分を取り巻く世界と自分の関係性を、スープとスプーンに例えた歌詞が面白いですね。

Anly

 これは16歳くらいの時に書いた曲で、歌詞は高校生の時に思っていたことがそのまま書かれています。「私が暮らす社会がもしスープだったら」みたいな(笑)。今改めて読むと、「へえ〜こんなことを考えていたんだな」と、何だか懐かしいです。

――どういう経験が元になっているのですか?

 学生時代って、クラスの中でグループが分かれることはよくあって。でも仲良し同士がグループになっているはずなのに、本当はお互いにあまり良く思っていなかったりとか、それなのに同じグループで一緒にお昼ご飯を食べていたりとか。私はクラスの中では浮遊層みたいな感じで(笑)、どこにも属してなかったから、余計に客観的に観られたのだと思うけど、それがすごく不思議でした。

 それで、あの子たちは本音で分かり合えていないんだ、笑っていても本当は悲しいんじゃないかなと思った時に、この曲が浮かんだんです。スプーンって顔が逆さまに映るんですけど、スプーンに映した自分みたいに気持ちをひっくり返して、悲しいなら悲しいと本音を言ってくれれば、私や周りの人が助けてあげられるのになって。でもその子の本当の気持ちが分からないから、どうにもできないみたいな。そういう、私のなかやクラスのなかにあるモヤモヤを歌っています。

――そういうクラスの雰囲気だと、どんなに美味しいスープも不味くなりますよね。

 そういう感じです(笑)。もっと本当のことを言えたらいいのにねって。学生時代にはよくある話で、それをひっくり返すことは簡単ではないと思いますけど、でもあえてバンドセッションでワイワイした感じの楽しいサウンドに仕上げているので、これを聴いてブルーな気持ちを少し明るくしてほしいですね。

――バンドで、“せーの”でレコーディングしたのですか?

 はい。『北斗七星ツアー』の時のバンドメンバーと、一発で録りました。最初に笑い声とか会話が入っているんですけど、それもその時にしていた会話がそのまま入っています。ちょっとライブのMCっぽいですね。

――タイトルの「SPOOON!!!」は、“O”が一つ多くて、それがポイントですね。

 多いほうが面白いかなって(笑)。それに歌詞では、スプーンでスープをすくうことと、誰かを救うことを掛けて<不味いスープから救い出して>と歌っていて。より救えそうな、強そうなタイトルのほうがいいなと思って「SPOOON!!!」にしました。感覚的なものですけどね。

――ライブで盛り上がりそうな曲ですね。

 夏に野外フェスみたいなところで歌ったら、楽しそうだなと思っています!

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