誰にも負けたくない、PassCode ライブへの執着心
INTERVIEW

誰にも負けたくない、PassCode ライブへの執着心


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年02月23日

読了時間:約8分

良いライブの瞬間

――皆さんが良いライブをやれているなというステージは、どういったものですか。各々感覚は違うと思うのですが。

今田 夢菜

大上 陽奈子 単純に自分自身がステージを楽しめている時です。言葉ではなかなか表現しにくいんですけど、楽しいという不思議な感覚になる時が個人的に良いライブが出来た時です。あとは、お客さんと一体になれたと感じられた時です。個人の調子は良くても、お客さんとの間に壁があったら良くないですから。お客さんの熱気はこっちにもすごく伝わってきます。

――私もO-EASTを2階で観ていたのですが、熱気が登って来ていましたから。空調が壊れたのかと思うぐらいで。

高嶋 楓 本当にライブめっちゃ暑いんですよ。

大上 陽奈子 湯気が出てます(笑)。

――今田さんは?

今田 夢菜 最後によくやる「Seize the day!!」という曲があるんですけど、そのサビでお客さんの腕が上がった時は、一番良いライブが出来たんじゃないかなと実感できます。

――お客さんの反応が重要なわけですね。今田さんは11月のツアーが始まる直前まで2カ月間ほど休養されていましたが、その時はどんなことを考えていたのでしょうか。

今田 夢菜 もう早くライブをやりたい。復帰したいなあと考えていました。でも、それに反して「不安やなあ」という気持ちもありました。お休みする前までは不安を覚えたことはなかったんですけど、休養期間に入ると決まってからは不安を感じるようになって…。

――そうだったんですね。確かにリハーサルなどもできないということもあり、不安は募りますよね。ちなみに、ツアー初日のO-WEST公演はいかがだったんですか?

今田 夢菜 普通にライブが出来ると思っていたんです。でも、体があまり付いていってない感覚といいますか。それがすごく悔しかったです。ツアーが進むにつれて徐々に戻ってきた感じで。

――ファイナルシリーズではいつも通りのパフォーマンスが出来てきていた?

今田 夢菜 う〜ん、どうかな…。でも、みんなが支えてくれたから頑張れたという感覚はあります。それがなかったら難しかったかもしれません。

――高嶋さんはいかがですか。

高嶋 楓 良いライブが出来ていない時って、お客さんともバックバンドの方たちとも一体感を感じられない時が多いんです。ステージの空気感が良い方向に持っていけていたら、それがお客さんにも伝わって、自然と良いライブが出来ている感覚になるんです。

――まずは演者側の一体感というわけですね。南さんはそこを常に気にされている感じですか。

南 菜生 メンバーの調子やお客さんの様子を見ていることが多いので、そういう風に見られがちなんですけど、大上と高嶋がいつも安定したパフォーマンスをしてくれるので、私は安心して他のところを重視できるんです。メンバーとの信頼関係で成立しています。

――良い関係が築けているわけですね。

南 菜生 今バランスがものすごく良くて、このメンバーになって作り上げてきた環境や関係性なんですけど、2人が揺るがない安定性のあるおかげで、私と今田が攻めていけるというのもあります。

――そんな南さんが思う良いライブの瞬間とは?

南 菜生 自分の中で何かが足りていないなという時が良いライブが出来て、満足してしまっているときは、良いライブが出来ていない気がします。キツい時の方が良いのかもしれないです。ここ1年ぐらいでそう思うようになりました。

 他の方のライブもよく観に行くようになって、そこで感じたものを、ライブで受け取ったものをライブで返すというやり方に変えてから、全部出し切れるようになりました。不安な時の方がストレートに言葉が出てくるので、良いライブが出来るというのがわかってきました。

大上 陽奈子

――そうなんですね。そして、4月1日には米ロックバンドのPROPHETS OF RAGEやZEBRAHEADが出演する『Warped Tour』への出演も決まりました。今の心境はいかがですか。

南 菜生 そんなに緊張はしていないです。ライブで緊張することって少ないよね

高嶋 楓 でも私はライブ前に嘔吐(えず)きます(笑)。ステージ袖でSEが鳴る直前に自然と5回ぐらい嘔吐いちゃうんですよね…。

今田 夢菜 メンバーの中では、わざとやっているんじゃないか説が浮上していて。

大上 陽奈子 声ではっきりと「オエ」って言ってるから(笑)。

高嶋 楓 (笑)。ステージに出てしまえば大丈夫です。

南 菜生 『Warped Tour』も“PassCodeとはこういうものです”と、わかってもらえるようなライブをするだけです。そこはいつも変わらないんです。バンドが好きな人には私たちが出ることに疑問がある人もいると思うんですけど。

 観てもらえれば、出た意味がわかってもらえるステージにしたいなと思っています。みなさんに出てもらえて良かったなと思ってもらえるようにひとつのステージで全部出仕切ることが目標です。

大上 陽奈子 それですね。違うことをしようと意気込んで行くと空回りすることもあるんです。この日は変わったことをするのではなくて、普段やっていることを普段通りに観せるのがいいなと、南の話を聞いて実感しました。昔だったらいつも通りということに不安があったのですが、今そう思えるということは自身が少し出てきたのかなと思います。

(後編に続く)

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