きゃりーぱみゅぱみゅが19日、東京・恵比寿LIQUIDROOMでおこなわれたライブイベント『SPACE SHOWER TV “LIVE with YOU” ~きゃりーぱみゅぱみゅ~supported by uP!!!』に出演。久しぶりのライブハウス公演で「ファッションモンスター」などアンコールを含め全15曲を披露した。

至近距離で送るザ・ライブ

 これまでアリーナやホールなどで歌うことが多かったきゃりー。ライブハウスでのパフォーマンスは久々で、恵比寿LIQUIDROOMでの公演自体も初。至近距離で楽しめる貴重な機会ともあって開演前の場内は、期待に胸を躍らせる観客で溢れかえっていた。

撮影=石井亜希

 定刻になり、場内に鳴り響いていたBGMの音量が絞れ、暗転する。視界を見失ったところにストロボが焚かれると再び明かりが戻される。時間にしてほんの数秒。先ほどまで無人だったステージにきゃりーの姿が。一瞬にして大歓声に包まれる。SEが流れるなかで4人のバックダンサーとポーズを決めるきゃりー。大興奮のなかで「ファッションモンスター」が届けられた。

 間近に見るきゃりーの姿。そして、キラーチューンでのフルスロットルな幕開けに、テンションはマックス。のっけからボルテージは最高潮に達した。観客は、“かわいい”の象徴であるきゃりーの一挙手一投足に目を輝かせながらも体を動かして思いっきり楽しんでいる。きゃりーも目の前に広がる観客の熱気に感化され「声、出せる?」と声を張り上げ、腕を強く突き挙げた。マイクを観客に向けながら腕や腰を振る。アグレッシブなきゃりー。胸にズシッと響く重低音。高揚感は更に高まるなか「インベーダーインベーダー」が届けられる。ステージ左手のお立ち台に上がり、前かがみになって観客を見渡すきゃりー。大興奮のなかそのまま「み」が披露された。

 きゃりーのこの日の衣装は黒のレースをあしらった赤色のワンピース。私服だという。「Tシャツ、短パンで来ようと思ったけど」と冗談を覗かせるきゃりーはいつもと違うスタイルだ。また、ステージ背面には番組のロゴ。それを取り囲むように、蛍光灯がひし形を描くように取り付けられ、随所にはスポットライトが配置されていた。それらは曲に合わせて色を変え、きゃりーたち、そして場内を華やかに染めた。対するバックダンサーは、灰色のポンチョに金髪、黒の仮面と黒の帽子をかぶっていた。

 キュートさが光るステージ。3曲を終えて一呼吸を置くようにMC。「ふふふ」と笑みをこぼしながら、この日のお礼を述べると「恵比寿リキッドルームでおこなうライブは初めて。(観客との距離も)近いし、こうしてみると可愛い子が多いことに気付く。カッコいい子も。みんなきょうは飛び跳ねてほしい。フェスのようにね」と言って盛り上がり方の模写を見せて「いつもはお客さんとは少し距離もあるけど、きょうはザ・ライブをみっちりやっていきたい」と意気込みを語った。

ロックナンバーでライブハウスは熱狂

 その言葉をカタチにするように4曲目に届けられたのは「にんじゃりばんばん」。再び大歓声に包まれる。「顔がはっきり見える」という場内をくまなく見るようにきゃりーは普段よりもステージ両端を行き来して様子をうかがった。終盤、ジャンプを数回おこなったところで、バックサウンドの音量が絞られ、キーボードが曲を結ぶかと思いきや、そのまま次曲「もんだいがーる」へと流れる。メドレーのような曲の紡ぎ方に観客は更に沸き、歓声が飛び交う。拳を突き上げたり、ジャンプをしたり、ライブハウスならではの光景が広がっていた。そして、いったん暗くなってから優しいメロディが流れる。ダンサーは2人になり、4つ打ちが響くと「さいごのアイスクリーム」へと流れた。

撮影=石井亜希

 再びのMCでは、この距離だからこそできる掛け合いもおこなわれ、いつも特徴的な歓声を送る一部のファンには「これまで遠くからしか見えなかったから分からなかったけど、あなただったのね」と投げかけ、笑いに包まれた。また、前日まで体調不良で寝込んでいたというきゃりー。「ライブに間に合うか心配だった」ようだが、無事この日を迎えられ「今日復活しました!」と気勢を揚げ、更に「ライブが終って帰ったらちゃんと手洗いしてね」と気遣いもみせた。

 和やかな会話も楽しんだところで「珍しい曲をやります。ライブハウスということでこれを」と言ってロックナンバーの「シリアスひとみ」を届ける。歪むギターサウンドの上で、きゃりーが歌い上げる。そのきゃりーの背中をピンクのライトが照らす。ドラムだけの音になるとそれに合わせて舞うきゃりー。ギターソロの時には「ハイ! ハイ!」と拳を突き上げる。それにならって観客も熱気ムンムンで突き上げる。ビートも体も横揺れで熱狂する。ロック色に染まるなか、タオルを持ち出したきゃりー。「タオル持ってますか!」と観客に投げかけるとその勢いを止めまいと「きらきらキラー」を持ってくる。きゃりーに合わせてタオル、あるいはペンライトを頭上で回す観客。場内にはタオルや光の円がいくつも広がっていた。

 再びMCを挟み「これまではアレンジしたものをライブでやってきましたが、2018年は原曲に挑戦してみたい」と、「CANDY CANDY」、そして「jelly」を立て続けに披露。トイピアノの音が鳴り響くときゃりーも鍵盤を押すような仕草をとってそのまま「つけまつける」へと突入。きゃりーが途中、“にゃんこスター”のアンゴラ村長の動きを真似た振付を披露する場面もあり、場内は歓喜。

ライブハウス公演に手応え

 再びのMCを挟んでいよいよ佳境に。振付をレクチャーしてから「最&高」へと流れた。会場が一体となって振付をおこなえば「ばっちりできているよ!」と褒めたたえる。ライブハウスの独特の熱気に包まれるなかで「あっという間だった。次の曲で最後です」と言って「原宿いやほい」。ミュージックビデオで出てくるさまざまなキャラクターはこの日、カラフルなライトの光にとって代わられ場内を煌びやかにしていた。「1、2」「1、2」という掛け声も気分を高ぶらせた。

撮影=石井亜希

 「声出して!」「ジャンプして!」というきゃりーのコールに、この日一番のジャンプや掛け声を見せる観客。大盛り上がりのなかできゃりーは、手のひらと顔を天井に向けてポーズを決める。めいいっぱいの光をあびて曲を終えた。きゃりーは「またね」と言ってステージから去っていた。

 余韻に浸る間もなく場内からはアンコールが盛大に送られる。しばらく経ってから音が鳴り出す。大歓声に押されきゃりーが再び戻ってきた。そして、アンコール2曲を披露。曲の合間には今後の活動予定などを報告。こうして、貴重なライブハウス公演は終えた。今回のライブに刺激を受けたというきゃりーは今後もこのようなライブをおこなっていきたいとの気持ちも伝えた。

 今回のライブは、音楽専門チャンネル・スペースシャワーTVで放送中のプレミアムライブ番組『SPACE SHOWER TV “LIVE with YOU”』の一環。“あなたの側で、生きてる音楽。”をコンセプトに、これまで様々なトップミュージシャンが出演してきたが、記念すべき第22弾アーティストとしてきゃりーが出演した。なお、この日の模様は3月31日午後9時半から1時間にわたり同局で放送される。【取材=木村陽仁/撮影=石井亜希】

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