楽しい事やってみない?藤岡藤巻、同世代へ呼びかけ7年ぶり公演
INTERVIEW

楽しい事やってみない?藤岡藤巻、同世代へ呼びかけ7年ぶり公演


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年02月21日

読了時間:約8分

時代に紡がれる「虚無感」

――藤岡藤巻名義として最後にアルバムを出されたのは2007年の『藤岡藤巻III』です。当時と比べると社会全体が縮こまっているようにも感じますが。

藤岡孝章 プロがいない。我々の事を指して「プロ」、ということではなくて、高度成長期には凄い人がいっぱいいたなって。なんだろうね。今は熱が下がっているのかな。

――それは若い人と接して感じますか?

藤岡孝章 そうですね。だけど、我々の親父も同じことを言っていましたからね。

藤巻直哉 近頃の若い子は…てね。ただ、我々の親父は皆、戦争を体験しているんですよ。だから青春時代を戦争で潰されているじゃないですか。その腹立たしさというのもあったと思う。我々が髪を伸ばしたり、ロンドンブーツや10センチのヒールを履いたり、もう耐えられなかったんだと思うんですよ、戦争に行った人たちは。だけど、そういう連中も学生運動の真っ盛りの時に育っているわけですよ。

 僕ら学生の頃は体制に対して反発していた年代です。学生運動があのように挫折で終わってしまって、それから今の世の中が続いてしまって、いくら頑張っても、体制に反抗しても何も動かないんだという虚無感というかね、そういうものが僕らの世代だけでなくて、今の40代の若者にも蔓延しているし、特に今の20代なんか真面目じゃないですか。自分の子供を見ていてもなんでこんなに真面目なんだろうって思うけど、それが良いとか悪いとかの問題ではなくて、時代が違う。我々がいた頃とは本当に違うなって感じますよ。良いのか、悪いのかは全然分からない。

リハーサルのもよう。「風に吹かれて」にて

――楽曲は社会風刺というか、人間の本質の所を見抜いているようにも感じます。

藤岡孝章 そうね、本質ね。難しいのは、やり過ぎちゃうと怒られちゃうからね。適度にエンターテインメントしてね。

――歌詞作りはその辺の塩梅が難しそうですね。

藤岡孝章 その辺はね、長年社会にもまれてきた経験がね。長いものには巻かれつつ、でも言いたいことを言うみたいなね。微妙なところだね。

藤巻直哉 我々の曲に「よろけた拍子に立ち上がれ!」という曲があるんですけど、<誰も見てないところで 牙をむけ!>という歌詞にもあるように、見ているところに牙はむけないんですよ!(笑)

藤岡孝章 むいちゃうとね、軋轢を生んじゃうから(笑)

楽曲にあるリアリティ

――「息子」や「贈られる言葉」は若い人が聴いても共感が得られるのではないかと。

リハーサルのもよう

藤巻直哉 あの当時はまだ会社員だったからね。当時は、会社と家庭のことの比重が大きくて、そういう歌にリアリティあったと思うんですけど、今の悩みは65歳になっても…。今、独居老人が増えていて2030年には40何%が日本人口に占めるという話があるようで…。国としても社会保障費が使えないから、元気でいてほしいじゃないですか。元気でいるじいさん、ばあさんの何かの手助けができないかなと思っているんですけど、難しいんですよね。

藤岡孝章 そのじいさんとばあさんが最近、ネットにはまっているようです。時間はありあまっているし、お金も通信料だけで定額制じゃないですか。YouTubeもそう。さっきもYouTube見ていて俺たちの楽曲が上がっていて「YouTubeすごいね。いつでも見れるんだ」って。そういう老人が見始めたらすごいと思うんですよ。これからのネットは老人の時代だなと思います。

藤巻直哉 テレビの視聴者は50代以上が多いと言われていますけど、テレビ派とネット派にね。だいたい人口構成を見たってね、団塊の世代が一番多いじゃないですか。昭和22~24年生まれが800数十万人いるみたいで、そこが一番のボリュームゾーンだから。僕らより少し先輩はビートルズ世代とも言われて、新しもの好きなんですよね。だからネットも「どういうものだろう」という好奇心でやって。

――SHOWROOMで配信するのはなぜですか?

藤巻直哉 好奇心ですね。今のところ年寄りがSHOWROOMに行っていないとは思うけど、なんでも良いから見てもらう機会を増やそうという思いもありますね。

――さてライブでは新曲も披露されますか?

藤岡孝章 久しぶりだし、新曲を作ろうという話になったけど、前にやっていた楽曲を新曲と言い張ってやっても分からないんじゃないかと。

藤巻直哉 7年ぶりだし、客も年取った人ばかりだから覚えてないだろうと。我々らも新曲だと思っているから(笑)それと、4月11日には、男性限定ライブを開こうと思っています。東京・代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」というところでやりますので見に来てください。

 ◇

 なお、当日のライブは、藤巻直哉とテレビ番組での共演以来親交のある、人気占いタレント・ゲッターズ飯田がVTR出演。今年のラッキーワード「音楽」そして、「大人の時代」をテーマに藤岡藤巻の今後を占うコーナーも予定している。運気があがるライブとして合計年齢130歳ユニット「藤岡藤巻」が、今後活動を続けられるのか、ゲッターズ飯田のコメントにも注目だ。

▽藤岡藤巻 7年ぶりの復活ライブ

〜冬眠から目覚めたら冬だった〜
2018年2月23日(金)1830開場1900開演
http://www.moonromantic.com/?p=36844 ※外部サイト
場所:月見ル君想フ(東京都港区)
前売 2,500 当日 3,000 +1D 600

SHOWROOMでライブ生配信決定
https://www.showroom-live.com/fujiokafujimaki_LIVE2018 ※外部サイト

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