メイド5人によるロックバンド・BAND-MAID(バンドメイド)が14日に、2ndフルアルバム『WORLD DOMINATION』をリリースする。昨年は赤坂BLITZ(現マイナビBLITZ赤坂)で1stアルバム『Just Bring It』のプレリリースお給仕(ライブ)『1st Full Album「Just Bring It」Pre-Release One-man 〜新年 初お給仕はじめます〜』から始まり、ヨーロッパなど各地をめぐった海外ツアー『WORLD TOUR 2017 Burn! Burn!BAND-MAID Moe Moe Cune』、日本では新木場STUDIO COASTやZepp Divercity TOKYOでの公演と精力的に活動。お給仕をおこないつつ、今作『WORLD DOMINATION』の制作をおこなっていたという。タイトなスケジュールの中で完成した作品は、BAND-MAIDの第二章の扉を開く作品となった。2017年を振り返ってもらいながら、今作について5人に話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】
BAND-MAIDというものを再確認したインフルエンザ
――2017年は1stアルバムのリリースにツアーと、お忙しい一年だったと思います。昨年を改めて振り返ってみてどうでしょうか?
KANAMI あっという間だったという感じです。ツアーを回っているときも制作、レコーディングをしながら動いていたので、過酷な1年だったかもしれないです。気持ち的には元気だったんですけど、体力的にキツくて、今作のレコーディング中に「すみません…」と言ってトイレに行くくらい消耗しまして…。
小鳩ミク そうだったんだっぽ?
KANAMI あれ、言わなかったっけ? あの時は本当にカツカツでやっていて。
小鳩ミク メンバーは初耳っぽ…。
KANAMI 過酷な1年だったんですけど、そのぶん達成感が多くて、フルアルバムを出させて頂けることが本当にありがたいし、応援してくれる方がいっぱいいるから、そういうことができるんだなと思いました。
――過酷なレコーディングだったんですね。彩姫さんは2017年はいかがでしたか?
彩姫 凄く早かったですね。ワンマンツアーを2本回らせてもらって、シングルも出させて頂いて、けっこう盛りだくさんな感じだったんですけど、一日一日が濃かったから、これだけ早く感じるのかなと思います。実はあまり覚えていません(笑)。
――『WORLD TOUR 2017 Burn! Burn!BAND-MAID Moe Moe Cune』ツアーで海外にも行かれましたよね。
彩姫 そうですね。合間合間でちょこちょこと。上海や台湾とか。
小鳩ミク アメリカも行ったっぽ!
彩姫 海外でも凄く良い経験をさせて頂いて。
――忘れてしまう程、忙しかった1年だったということですね。
彩姫 どんどん記憶を消していかないと、新しいことができないので(笑)。
――わかる気がします(笑)。小鳩さんはどうでしたか?
小鳩ミク 2人が言うように、毎日が凄く濃かったっぽ。今年の最初に赤坂BLITZで、去年は鳩年(酉年)なので、飛躍した年にしたいっぽって言ったんですけど、本当にずっと飛んでいなきゃいけないくらいだったっぽ。休む暇がないくらいの日々でBAND-MAIDじゃない日の方が無いという感じだったっぽ。一つひとつのことを思い出すには時間がかかり過ぎてしまう程、今までのBAND-MAIDの1年の中では一番濃い1年だったなって思うっぽ。
――一番記憶に残っていることは?
小鳩ミク やっぱりツアーを回っている間もずっと制作を続けていて、海外のツアー中はずっと歌詞を書いていたっぽ。歌詞を書いているのが忙しい、というのが一番記憶に残っているっぽ。ベルリンにお給仕で行かせてもらった時、そこで一日だけオフ日があって、みんなは観光に行ったんだっぽ。
でも、小鳩だけ近くのカフェでひたすら歌詞を書くという…。みんなが楽しそうなのをInstagramで見るという感じだったっぽ。ハッシュダグで「#小鳩どこ?」って書かれていたっぽ(笑)。みんな楽しそうだっぽ…と思いながら。そんなドイツで一人で飲んだコーヒーは苦くて美味しかったっぽ。
――それは記憶に残りますね…。
小鳩ミク 一番悲しくも凄く濃い一日だったっぽ(笑)。
AKANE 私はベルリン、メチャクチャ楽しかったです! 遊びまくって食べまくって。
MISA ずっとお菓子食べてたよね。小鳩にはちゃんとおみやげを買って行きましたよ。でも全然嬉しそうじゃなかったよね。「はあ…」って。
小鳩ミク そのときは意気消沈しちゃってたっぽ(笑)。でも、その日のお給仕ではお土産を飾って演奏したっぽ。
AKANE あと、去年は出たかったフェスとかに出演させて頂いたり、STUDIO COASTだったりLIQUIDROOMだったっりと、段々キャパも上がっていって、出たかった場所に出られたのが凄く大きかったなと思います。
――それが1年間での出来事ですものね。
AKANE そうなんです。段階がグンと上がっていったから「これっていつだったんだろう?」という感じもあって。ものすごいスピード感でした。
――ライブでより記憶に残っているのはSTUDIO COAST?
AKANE そうですね。でも、全部景色も内容も違うので、全てが新鮮なんですけど。STUDIO COASTは今作のアルバムのBlu-rayにも収められたので、映像が鮮明に残っていたりします。火が出たりとか…。
――演出もすごかったんですね! MISAさんにとって2017年はどうでしたか?
MISA インフルエンザでライブを休んだり…。みんながライブをしているのを家にいて電話で聴いていたんです。マネージャーが電話を繋いでくれて、「音だけでも聴きなよ」って。それを聴いて、私はずっと電話の向こうで泣いているという(笑)。
――そのときベースパートはどうしたのでしょうか?
小鳩ミク サポートもなしで、そのとき「どうしよう!」となったっぽ。急なことだったので、公演を中止にするのか、ベースなしでやるのか「メンバーで決めていいよ」と言って頂けて、「BAND-MAIDって何だろうね? ご主人さまお嬢様(ファンの呼称)が求める私達の最善の答えはどこだろう」というところを相談したんだっぽ。
MISAがいないBAND-MAIDはBAND-MAIDじゃないし、でも、ここで何もしないで「ごめんなさい」と言うのもBAND-MAIDらしくないねって。そういう結論になったっぽ。じゃあ、MISAがいなくてもある程度は形にできる楽曲を少しでもやって、お詫びの気持ちと、いつもやらないアコースティックという形で、ということでやって「少しでもお詫びの形をとろう」という風にしたっぽ。
――普通は中止ですけどね。ただじゃ転ばなかった。
小鳩ミク それをやったら、「本当はご主人様とお嬢様は怒る」というのがメンバー的にはあったんですっぽ。でも逆に凄く喜んでくださるご主人様お嬢様が多くて、「振替公演もやるのに特別なお給仕にしてくれてありがとう」という言葉を頂けて、自分達的にはご主人様とお嬢様と思っている気持ちが一緒だったんだと、ありがたみを凄く強く感じたっぽ。「更に5人で戻ってきます」という気持ちを強くもらえたので、そういう意味では凄く意味のある、BAND-MAIDというものを再確認したインフルエンザだったと思いますっぽ。
彩姫 ツアー初日にアコースティックをやるというのがあったので、MISAがインフルエンザになったときも「アコースティックやってて良かった!」って(笑)。
――備えはあったわけですね。でもMISAさんは悔しかった。
MISA もう号泣です…。
――そんな忙しい1年でアルバムをもう1枚作るとなって、しかもこんなに多くの曲数を。
小鳩ミク そうですっぽね(笑)。出すなら前作『Just Bring It』を上回るというのが自分達の中ではあるっぽ。「あ、こんなもんか」って思われたくないんだっぽ。
――みなさん負けず嫌い?
小鳩ミク BAND-MAIDのメンバーはみんな負けず嫌いだっぽ。
MISA わりとみんなストイックなタイプです。
小鳩ミク けっこう自分の首を締める方っぽ。
――KANAMIさんはレコーディングで嘔吐するほど追い込みますからね…。
KANAMI あまり寝ない日が続いたなかで「よし! レコーディングだ」と気合が入っていたのですが…。
小鳩ミク それはストイック過ぎたっぽ。