<記者コラム:オトゴト>
 「海外でK-POPは人気、J-POPはあまり聴かれない」という意見を聞きました。SNSで人気を集めたピコ太郎の「PPAP」の様な例もありますが、確かに世界的なトレンドのR&B/ヒップホップを基盤にした曲が多いK-POPと比べると、J-POPはテンポも速く独特に思えてしまうかもしれません。

 この曲調の違いについての理由は定かではありませんが、私は<日本/アジア>という意味で、この現状を予言するかの様なユニットが90年代から存在していたのを思い出しました。『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』から生まれたユニット、ポケットビスケッツ(95年デビュー)、ブラックビスケッツ(96年デビュー)です。

 ポケットビスケッツ(ポケビ)はTERU(内村光良)、CHIAKI(千秋)、UDO(ウド鈴木)の3人編成ユニット。千秋さんのハイトーンヴォイスと、元気のある楽曲を武器に「YELLOW YELLOW HAPPY」などのヒット曲を世に送りました。対するブラックビスケッツ(ブラビ)は南々見狂也(南原清隆)、ビビアン(ビビアン・スー)、天山ひろゆき(天野ひろゆき)の3人編成。ビビアンの少し片言でキュートな歌声、ファンキーな楽曲とキャッチーな振付けの「タイミング」などで一世を風靡しました。

 言うまでもなく、ポケビは現在のJ-POPの文脈に近い音楽性を感じます。今の耳で聞いてもポップでロックの要素もあって、アイドルが歌っていてもおかしくないですね。そしてブラビはサキソフォンやラップがフィーチャーされるなど、ブラックミュージックを匂わせています。まるで現在の日本アイドルと韓流アイドルの違いにそっくり。

 この音楽的な区別は、ユニット名の<ポケット/ブラック>という違いを表すためのディレクションだったと思いますが、それ以上に大事で、恐らく偶然含まれていたのが2組のヴォーカリストの<日本/アジア>という要素だったのではないでしょうか。これが約20年後の音楽シーンを象徴する様な構図になるとは。

 『歌は時代を映す鏡』と言いますが、この2つのユニットが『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』というテレビ番組の中から生まれ、今こうして音楽シーンを予見している様に見える事が不思議でなりません。【小池直也】

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