若者音楽の行方、ロックやエレキギターの時代は終わったのか?
<記者コラム:オトゴト>
2017年上半期、アメリカでヒップホップ/R&B楽曲の売上が、ロック楽曲の売上を過去20年で初めて上回ったそうです。そしてそれと呼応するように、ギターの神様の1人であるエリック・クラプトンが、この10年のエレクトリックギター売上減少を受け「ギターは終わったんだ」とコメントしたといいます。『若者音楽といえばロック』というイメージはもう過去のものなのでしょうか。
エレクトリックギターの登場は衝撃的でした。大音量かつ、アンプやエフェクターで多彩な音色が出せて、ピアノなどよりも入手しやすい、この機械仕掛けのギターはロックミュージックの花形楽器として世界を席巻しました。ギター1本で口ずさんで曲が出来るという親しみやすさも相まって、若者音楽に無くてはならない楽器となったのです。
そしてロックに代わって世界の売り上げ第1位になったヒップホップ/R&B楽曲の多くは、パソコン上で制作されます。ブームが記憶に新しいEDMもそうです。ギターより直感的で、ソフトの使い方さえ覚えれば楽器の訓練もいらないPCの方が今の若者にとって、親しみやすい楽器になっているとも考えられますね。
この場で「昔が良かった」とか「それでも楽器が出来るべきだ」という議論をするつもりはありません。ただ楽曲売上データを見るに、我々は時代の過渡期にいるのかもしれないのです。
そして興味深い事に、ファッション雑誌『装苑』の2017年2月号でラップシンガーのDAOKOが、自身のファッションについて「シド・ヴィシャス(セックス・ピストルズ)をオマージュした南京錠は、ヒップホップのアイデンティティとしてゴールドにしました」とコメントしていました。天晴。彼女はさらに「自分の核はパンクであり続けたい」とも述べています。
ロック(ここではパンクですが)の精神がラッパーの彼女に受け継がれているという、この現実に私は「ロックは死なない」と確信しました。結局のところ、時代によって移りゆく表層的なサウンドやツールよりも、精神的な態度こそが普遍なのではないでしょうか。【小池直也】
・参考URL
https://www.barks.jp/news/?id=1000146762
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