成長させてくれる原動力 THE ORAL CIGARETTES 黒である意味
INTERVIEW

成長させてくれる原動力 THE ORAL CIGARETTES 黒である意味


記者:村上順一

撮影:

掲載:17年09月29日

読了時間:約15分

“苦しみ”や“もがき”を一緒に経験してもらえたら

中西雅哉

――「Flower」は爽やかな印象の楽曲ですね。いつ頃できた曲でしょうか?

山中拓也 2月くらいです。僕らはシングルの切り方を凄く考えてやっているので、「トナリアウ」と「ONE'S AGAIN」を出した意味をちゃんとこの「Flower」に繋ぎたいなという思いがありました。今回『亜人』と「BLACK MEMORY」を通して僕らのことを知ってくれるお客さんが凄く多いと思うので、THE ORAL CIGARETTESの一面だけを見せるより、色んな面があってちょっとミステリアスな方が惹かれるなと思うんです。

 THE ORAL CIGARETTESはジャンルレスというか、作りたい曲を作って、今やりたいことをやるという楽曲の作り方をしてきたので、それをしっかり知ってもらおうということで、「BLACK MEMORY」とは違う雰囲気の「Flower」を、「トナリアウ」の流れも汲みつつ入れさせてもらいました。

――どこか90年代の懐かしい雰囲気を感じます。

山中拓也 こういうメロディは僕の中で一番出てきやすいと思います。僕はヴィジュアル系のバンドのメロディが凄くしっかりしているところが凄いと思っていまして。日本人にしかできないようなメロディ作りをするので、V系のバンドをリスペクトしています。そういうところを聴いてきたので、メロディには特にこだわりたいんです。

――クリアーなコーラスも印象的でした。これはあきらさんも参加されている?

あきらかにあきら はい。ファルセットの部分はやりました。

――間奏部分のサウンドはベース?

あきらかにあきら そうです。全体的にはメロディを引き立たせるような、歌うようなベースを弾いています。(鈴木)シゲからは間奏部分ではベースソロみたいなものを弾いて欲しいというオーダーがありまして。今までソロ的な演奏はあまりなかったです。今回やってみたらこの曲に思い入れができて、コーラスにも力が入りました。「Flower」はカップリングにするのが惜しいくらい気に入っています。

――ギターに関してはどうでしょうか?

鈴木重伸 こういうテイストの曲は、昔は苦手だったのが、大分自分の中で消化できるようになってきました。コードなども僕からリクエストした部分もありますし、こういう曲でちゃんと引き算ができるようになったと思います。最初作ったときは全編通してギターを弾いていたのですが、パートを抜いていくということが自然にできていきました。

――ドラムも難しそうですよね。

中西雅哉 歌に寄り添うということを一番意識しました。そのアプローチは歌が際立つ曲に関しては、今までもやってきていますし、結構攻めている曲であっても歌は意識してパートを作るんです。展開も多かったりするので、その中でクセが出過ぎないように意識しました。作業的には凄く細かいんです。僕の思っている寄り添い方と、あきらの思っている寄り添い方でも若干違いがあるので、そういう部分を2人でスタジオに入って詰める作業が最終地点となっています。

――楽曲に例えると、今バンドはどのあたりにいると思います?

THE ORAL CIGARETTES

山中拓也 2番間奏じゃない?

あきらかにあきら 1番サビ?

鈴木重伸 1曲が終わって次の曲の頭とか?

山中拓也 確かにそれくらいみんな感覚が違うね。

――鈴木さんは1曲目は終わったところ?

鈴木重伸 そうですね。ライブハウスでずっとやって積み重ねてきたことの集大成で、武道館を経験して、次ここからもっと今まで以上に頑張っていかなきゃな、というタイミングかと思います。1曲の中で考えてしまうと終わりが見えてしまう気がして…。でも、アルバム単位で考えると何曲入っているかわからないし、とりあえず、1曲目が終わって次の曲に入ったという感覚です。

――確かに1曲で考えると終わりは見えてしまう気もしますね。11月1日からスタートする『唇ワンマン2017 AUTUMN「Diver In the BLACK Tour」』はどのような感じになりそうですか。

山中拓也 ツアーは僕らも手探りになると思っています。今悩んでいる段階だし、今からまたどんどん成長していこうとしている段階なので、その第一歩となるツアーになる気がしています。甘えかもしれないですが、それを見届けて欲しいなというところが正直あります。

 僕らも初めてのことをこれから経験していくし、僕らのことを最初にバンドとして好きになってくれたリスナーにも、その“苦しみ”や“もがき”を一緒に経験してもらえたら嬉しいと思っています。それは一緒に成長していくことだと思うんです。ファンとの信頼感や、ファンとよりリアルに何を思っているかということを共有したり、そういうことができるツアーになればいいなと思います。

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