戸田恵子と植木豪

 声優・女優・歌手の戸田恵子(59)が8日、東京・品川プリンスホテルのクラブeXで、自身の60歳を記念する還暦記念ライブショー『60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」』を開催。そのリハーサルを報道陣に公開するとともに囲み取材に応じた。囲みには今回演出を担当したPaniCrewの植木豪も同席した。

 1年のうち2回はステージに立つ中で、これまで30、40、50、55歳と節目にアニバーサリーステージを実施。50歳の時は声優の三ツ矢雄二、55歳で映画監督の堤幸彦氏に演出を依頼した。もともと“60歳は無理では”と自身では考えこれで最後だと思いつつも、おこなう運びとなり、今回は親しい付き合いをしている中で、近年演出の面で着実に力を伸ばし注目を浴びている植木に白羽の矢を立てたという。

 「70歳で、もしできたら、やる気はあるか?」という質問には「需要と供給の問題だと思います」と冗談っぽく答えながらも「今回も豪くんの集合のもとにいろんなプロフェッショナルな方に集まっていただき、申し訳ないと思いまして。70の時に同じ気持ちになれるかは…」と胸中を明かし、今はこのステージに賭けているとの意思を示した。

祝福をうける戸田恵子

 改めて還暦のライブを実施することについては「何ら変わりはないけど、何せここまで元気にやってこられたことを、日ごろ応援してくださる皆様に感謝の気持ちを伝えたい」と語った。

 また、これまでの人生のターニングポイントをたずねられると「ポイントばかりですね。還暦ということで特に意識はしていないけど、60年は結構長く生きてきたな、と。名古屋から上京して歌手でデビューし、劇団に入り、そして声優として仕事をして、ドラマに出させていただいて現在に至る、というみたいに10年に一度、いろんな人が手を差し伸べてくれて、それにうまいこと乗っかってここまでこられたなと思います」と、節目の時期に出会う不思議な縁を振り返っていた。

 この日のステージは、第一部を自分の半生を芝居仕立てで振り返り、第二部は生バンド、ダンサーとともに“見せる”ライブという趣向でおこなわれた。前半では戸田が声優を担当してきた『きかんしゃトーマス』『アンパンマン』『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』の曲なども披露。一方で子供時代に習っていたという『詩吟:川中島』をこの日は披露、公開リハーサルでも実演した。

歌う戸田恵子

 子供のころはとにかく多くの習い事をして「本当に忙しい子供だった」だったという戸田。この日は伊東四朗らとやっていたコントで着ていたという子供時代の衣装でもステージで登場。植木は「これ、痛いんじゃない?って(戸田に)言われたんですけど、僕は『痛いくらいがちょうどよくない?』と返しました」と語り、戸田は「笑っていただけると」と少し恥ずかし気に、笑顔で答えていた。

 またステージ演出では、プロジェクション・マッピングを使用し、ダンスに合わせて側転も実施するなど、かなりハードな趣向も披露。植木が「こんなに動く60歳がいるのか? という感じ」と戸田のバイタリティに驚く一方で、戸田は「自分が年を取っているのに、若い人にお願いしたのは間違いだったかと思うくらいすごく動かされているので、自分のいい気合い入れになったなという風に思っています」とハードな演出に苦笑いを見せた。

 対してその若々しさの秘訣をたずねられると、特に何もやっていないことを語りながら「しいて言えば、人から良いと勧められたものを、とりあえずやってみることか。それが長く続けば、自分には合っているものだと思うし」と語りながら、近年はお笑いユニット・ロバートの馬場裕之にぬか床を分けてもらい、20年ぶりに始めたことも要因だと明かし笑いを誘う。

 そんな戸田を植木は「例えばブレイクダンスを見たら、次の日にヒップホップを聴いてみたり、若者のファッションを見てカッコいいと思ったら爆買いしてみたりと、常に新しいもの、刺激のあるものを探しておられます」とフォローを入れていた。

 なお、『60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」』は10日まで同所でおこなわれる。【取材・撮影=桂 伸也】

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