プレビュー公演前に取材に応じた左から本間ひとし、戸田恵子、加藤和樹、高田夏帆、松尾貴史

 加藤和樹が主演する舞台『裸足で散歩』が13日、東京・有楽町よみうりホールでプレビュー公演をおこなった。公演前には高田夏帆、本間ひとし、松尾貴史、戸田恵子と報道陣による取材に応じた。

 『裸足で散歩』はニール・サイモンの代表作。2月のニューヨークを舞台に、古いアパートに引っ越してきた新婚夫婦ポール・ブラッター(加藤)とコリー・ブラッター(高田)の物語。工事に訪れる電話会社の男(本間)やアパートに住む一番の変わり者ヴィクター・ヴェラスコ(松尾)、新居を訪れるコリーの母バンクス夫人(戸田)に巻き込まれながら喧嘩を始めるブラッター夫妻を描くコメディ。

 この日のプレビュー公演を皮切りに、17日から29日まで港区の自由劇場で、10月1日・2日に兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール、10月5日に大阪・枚方市総合文化芸術センター関西医大大ホール、10月8日・9日にKAAT神奈川芸術劇場ホール、10月11日都内パルテノン多摩大ホールで公演をおこなう。

左から本間ひとし、戸田恵子、加藤和樹、高田夏帆、松尾貴史

 加藤は「個性的なキャラクターばかりなので、出てくるたびに何が起こるか、楽しみにしてもらいたい」と言い、高田は「まずここに立てていることが奇跡なので、逃げ出さなくて良かったなと思っています。初舞台なのでどうなるか分かりません。精一杯がんばりますのでよろしくお願いします」と緊張した面持ち。

 戸田は「改めてここに立てることは、奇跡なんだなあと思います。最後まで完走できるように願っています。皆さんにほっこりしていただいて元気になって帰ってもらいたい」と初日を迎える心境を話す。

 松尾は「変なおじさんということで、全く役作りしておりません(笑)。お客さんが入ってどうなっていくのか、すごく楽しみにしています」とリラックスした様子。

 本間は「ニューヨークに行ったことがないのですが、ニューヨークでの生活を体験している気がします。同じ空気でお芝居できていることが幸せ」と稽古を振り返った。

 コメディ初挑戦の加藤は「ポールはピュアで真面目で堅物なんですね。彼が周りに巻き込まれている様が面白い。真面目さが増していくほど面白いのかなと。なので、真面目に芝居に没入して演じるだけで良いのかなという気がしています」と気負いはない。

 また、加藤と高田が歌う舞台のテーマ曲「君と僕」について「楽曲も耳なじみが良く、歌詩も『裸足で散歩』の世界観を的確に表現していると思います」とコメント。高田も「メロディーもキャッチーで可愛い曲ですよね」と頷いた。

 高田は今回が初舞台。「皆さん優しくて、怒号を食らうということは全然なかったですね(笑)。皆さんの姿勢で学べる形でした。喉ケアグッズをたくさん頂いてありがたかった」とのびのびと臨めた様子。

 本間は、高田に対し「初舞台という感じがしません」と絶賛。戸田も「とにかく健気で、よく頑張って伸びしろしかない。それ見て羨ましいと思いました」と目を細めた。

舞台『裸足で散歩』プレビュー公演

 かつて、コリー役を演じたこともある戸田は「38年くらい前にコリーを演じたことは全く覚えてなくて(笑)。今回は母親役で、保守的な役をやるのは初めてかもしれない。チャレンジするつもりでお受けしました。難しい母親だなあ、と思っているんですけど、なるべくいい母親を演じられるようにトライしたい」と意気込んだ。

 最後に、加藤は「まだ、コロナの影響は予断を許さない状況ですが、劇場に足を運んでみようかなと思えるような作品になっていると思います。小さな幸せや笑いがあって、心が豊かになる作品だと思います。ぜひ劇場に足を運んで観にきてください」と呼びかけた。(取材・撮影=松尾模糊)

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