東名阪ツアー『MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017』の東京公演をおこなったMISIA

 歌手のMISIAが7月9日に、東京・Zepp DiverCity Tokyoで東名阪ツアー『MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017』の東京公演をおこなった。ツアーは7月26日にリリースされるアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』に収録された楽曲たちを先行してお披露目するというもの。大阪・Zepp Namba、愛知・Zepp Nagoyaを含む全7公演をおこなった。「BELIEVE」やデビュー曲「つつみ込むように・・・」などをジャズアレンジで届け、MISIAのエモーショナルな歌声で会場を満たした。

「人生はきっとスリリング」新曲2曲を披露

ライブのもよう

 多くの人でひしめき合う会場にはBGMとしてジャズサウンドが流れていた。これから始まるライブへの高揚感を静かに高めてくれるようだった。定刻になると会場は暗転、バンドメンバーがステージに登場。凄腕ミュージシャンたちによるインストナンバー「Afro Blues」でライブの幕は開けた。トランペット、トロンボーン、サックスの3管をメインとした熱いサウンドで高まるテンション。演奏が終了すると、MISIAがステージに登場した。力強いAdam Jackson(Dr)のリズムから「BELIEVE」へ。オリジナルとはガラッと趣を変えたジャズサウンドに乗せて、エモーショナルなMISIAの歌声とハイレベルな音楽で魅了させた。

 エンディングでのリズミックなスキャットが見事だった「陽のあたる場所」が終了し、MCでは、本ツアーとアルバムの趣旨を説明。「なぜSOUL JAZZなのか。JAZZだけに括られない、私の好きな音楽が全てが入っているような、ソウルを感じるアルバムになっています。ソウルを込めて最高の夏の夜にしたい!」とライブへの意気込みを話し、夏らしい新曲「来るぞスリリング」を届けた。「人生はスリリング」だというMISIAの言葉の通り、アグレッシブなジャズサウンドで展開。サビでは開放感のある歌と演奏に合わせ観客もリズムに合わせ大きく左右に腕を振り上げ楽しんだ。続いて、「運命とは自分で決めていい」というMISIAの説明から「運命loop」を披露。ブラス隊がサウンドに広がりを与え、流れるようなグルーヴの上を泳ぐように歌い紡ぐMISIA。

 さらにステージ後方のカーテンに木々のシルエットが映し出され、心地よいリズムに身をゆだねるように、揺れながら歌う姿が印象的だった「The Best Of Time」、バンドメンバーとセッションをするかのようなイントロを展開した「めくばせのブルース」へ。観客とコール&レスポンスをおこないライブならではの一体感を高めていく。メンバーの放つ演奏の一音一音を楽しみながらパフォーマンスするMISIA。

 ここで、黒田卓也( Tp)の見事な話術によるメンバー紹介を挟み、観客を楽しませる。ここで、MISIAがTVに出演した話題に。初のバラエティー出演だったこともあり、とても緊張していたと語るが、客席からの拍手と「観たよ~!」という声にMISIAもホッとしたかのように安堵の表情を浮かべていた。

ダブルアンコールで「キスして抱きしめて」

ライブのもよう

 「トランペットのソロが入ったらきっと素敵だろうなと思いリクエストした」という壮大なバラードナンバー「オルフェンズの涙」。情感を込めながらも迫真の歌声は、時を止めるかのような圧巻の世界観を創造していく。体全体を響かせるように、体を動かしながら熱唱する姿が印象的だった。黒田のトランペットも鮮やかに情景を映し出すようなソロで聴かせた。そして、「It’s just love」ではMISIAが発する愛を受け止めるかのように、静かに音を浴びるかのように聴き入る観客。

 そして、メジャーデビュー曲である「つつみ込むように・・・」を披露。凄腕のメンバーによるインパクトのあるイントロから、MISIAの突き抜けるようなハイトーンボイスが会場に響き渡った。オリジナルよりもテンポもアップし、軽快さを増したリズムによって観客も体を揺らしながら音を楽しむ。随所に聴かせる伸びやかな歌声に大きな反応見せる観客、それにまた呼応するかのようにMISIAも興奮を隠せないようだった。

 「Don't You Worry Bout a Thing」では、MISIAの幅広い音域を活かし、ダイナミックな表現力で歌い届ける。感情を揺さぶりかけてくるかのように、熱量高めのパフォーマンス。MISIAも息を弾ませながら、エキサイティングなラテンのリズムが高揚感を煽った「MAWARE MAWARE」へ。MISIAとAdamのハーモニーはエネルギッシュに広がり、そのバイブスは観客にも伝染。熱気をかき回すかのようにフロアではタオルを回転させ、一体感のある空間を作り上げ本編を終了した。

 アンコールの手拍子。再びステージにMISIAとバンドメンバーが登場。甲斐バンドのカバーで「最後の夜汽車」を披露。天窓から差し込む月明かりのような、スポットライトがステージを照らすなか、このライブのエピローグかのようにしっとりと歌い紡ぐMISIA。曲によって様々な表情を見せながら、ステージを後にした。

 客電も点灯し、ライブも終了かと思いきや、鳴り止まないアンコールに応え、黒田、大林武司(Key)、Rashaan Carter(Ba)、Adamの4人とMISIAで「キスして抱きしめて」を演奏。ダブルアンコールまでおこない、『MISIA SUMMER SOUL JAZZ 2017』東京公演の幕を閉じた。誰よりも音楽を存分に楽しみながら歌うMISIA。その姿勢が観客を巻き込み、極上の空間を作り出していたように思える。テクニックだけでは語れない音楽愛に満ち溢れたステージであった。

(取材=村上順一)

セットリスト

00.Afro Blues (黒田卓也 Band inst)
01.BELIEVE
02.真夜中のHIDE-AND-SEEKK
03.陽のあたる場所
04.来るぞスリリング(新曲)
05.運命loop(新曲)
06.The Best Of Time
07.めくばせのブルース
08.オルフェンズの涙
09.It’s just love
10.つつみ込むように・・・
11.Don't You Worry Bout a Thing
12.MAWARE MAWARE

ENCORE

EN1.最後の夜汽車

ENCORE2

EN2.キスして抱きしめて

■作品情報

Mini Album「MISIA SOUL JAZZ SESSION」 7月26日発売
Blu-spec CD通常盤 2300円(税抜)※初回生産分のみデジパック仕様

【収録曲】

BELIEVE              
来るぞスリリング(feat.Raul Midon) ※新曲
真夜中のHIDE-AND-SEEK(真夜中のHIDE-AND-SEEK)
運命loop (feat.Marcus Miller) ※新曲
オルフェンズの涙
It’s just love
The Best of Time
陽のあたる場所
最後の夜汽車

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