MISIAが現在開催中の全国ホールツアー「STARTS presents MISIA 星空のライヴXIII GRAND HORIZON」の長崎公演を、誕生日である7月7日に、自身のふるさとである長崎県対馬市・対馬市交流センターイベントホールにて開催した。対馬でのライヴ開催はデビュー以来初であり、MISIAにとっても念願の凱旋ライヴとなった。

 【写真】MISIA ふるさと「対馬」凱旋ライブの模様

 さらに、2027年1月からスタートする全国アリーナツアー『STARTS presents MISIA BIG BAND ORCHESTRA 2027 BEYOND FREEDOM』の開催も決定。全国11都市をビッグバンドオーケストラと共に周る本ツアーの詳細や今後の最新情報は、オフィシャルサイトおよび公式SNSでお知らせする予定だ。

 ■「あの頃、歌手を夢見た少女がMISIAとして戻ってまいりました」

 国民的アーティストとして数々の代表曲が広く知れわたっているMISIAにとって、そのステージはいささか小さく感じてしまうほどだった。

 しかし、そのステージに立つまでには彼女が歌と音楽に向き合ってきたすべての時間を費やされなければならなかった。

 対馬市交流センターイベントホール。収容人数は750席ほどだ。

 2026年7月7日。この日はMISIAにとって自身の誕生日というだけでなく、念願であった幼少の頃から10年間過ごした思い出の場所での初の凱旋ライヴを開くことができたという意味で特別な1日となった。

 島の至るところに「おかえりなさいMISIA」と書かれたのぼりがはためき、町は歓迎ムード一色に染まっていた。当初、18時半開演の1回公演のみの予定だったが、あまりにも多くの申し込みがあったために、急遽15時開演の公演を追加して、1日2ステージの開催となった。

 まずはステージにバンドメンバーが登場。バンドマスターの大林武司(Key)を筆頭に、吉田サトシ(Gt)、Zak Croxall(Ba)、菅野知明(Dr)、渡邉磨裕美(Cho)、荒川結(Per)、David Negrete(Sax)、村田千紘(Tp)、広瀬未来(Tp)といった、凄腕ミュージシャンたちから成るお馴染みのバンドメンバーたちだ。その面々が対馬に集結している、というあたりにもMISIAが今回の凱旋ライヴにかける思いの強さが伝わってくる。

 バンドがオープニングSEを演奏するなか、いよいよMISIAが登場すると、会場はものすごい歓声と熱気に包まれた。

 「ただいまー!」

 嬉しそうに放ったその一言で、この日のライヴは幕を開けた。

MISIA(撮影=Santin Aki)

 1曲目は「明日晴れるといいな」。歌いながら、オーディエンスの顔をしっかり見つめ、会場の隅々にまで手を振るMISIAの姿が、アットホームな雰囲気を醸し出していた。次の「陽のあたる場所」「つつみ込むように…」では、HIP HOPダンサーのYOSHIEと森田美勇人が登場し、演奏に色を添えていく。彼らもまた、MISIAのステージを支えるプロフェッショナルだ。

 パフォーマンスごとに、熱狂的な拍手をしながら「素晴らしい!」「すごい!」といった感嘆の声が客席から聞こえてくる。

 MCでは、このライヴが実現した経緯がまずは語られた。きっかけとなったのは、昨年5月にオンエアされたテレビ番組『しゃべくり007』への出演だった。そこで対馬で育った幼少時代のエピソードが語られ、同級生などが全面協力したVTRが話題となった。これまでも何度も対馬でライヴをやるという話が持ち上がっては、実現に至らずというなか、番組をきっかけにスタッフの尽力と地元の方々の協力があってようやく実現したのだという。

 そうやって開催されたライヴの会場となったのが、MISIAが立っている対馬市交流センターイベントホールであり、この会場でなければ一連の物語は成立しなかった。

 「対馬市少年合唱団というのがあって、9歳の頃から所属していたんです。そこで毎週土曜に練習していたのがこの場所です。当時は公民会館と言っていたんですけどね。建て直しをされてすごくキレイになっていてびっくりしました(笑)。それでね、私の初めての舞台もこの場所だったんです。その合唱団に入って2年くらいする頃には、歌うことを仕事にできたらいいな、歌手になれたらいいなって夢を見るようになって、海や山に向かって大きな声で歌っていました。本当にのびのびと対馬で歌わせていただいたからこそ、私の基礎ができたんじゃないかなと思います」

 そして、こう言った。

 「あの頃、歌手を夢見た少女がMISIAとして戻ってまいりました」

 このMCからの「Everything」という流れは、本当に感動的だった。これまで彼女が歩んで来たすべてが、このライヴを実現させた人たちとここに集まった人たちの思いに共鳴して、歌うことが希望になって輝いていた。

MISIA(撮影=Santin Aki)

 小さい頃に神社で鳩の餌をあげたことや磯釣りをしたことなど対馬での思い出を語ったあとに披露したのは「舟いっぱいの幸を」(1st公演/2nd公演では「夜を渡る鳥」を披露)。松任谷由実が提供した楽曲で、能登を舞台にしたNHKの夜ドラ『ラジオスター』の主題歌として話題となった楽曲だ。こうして、MISIA自身の過去が今の楽曲につながっていくのを感じられるのも対馬ならではの体験だった。

 じつは昨年の11月にも対馬を訪れていたと語ったMISIA。次にパフォーマンスする「ガムシャラ」(NHK『ダーウィンが来た!』の新テーマソング)をつくるために、番組スタッフとともにツシマヤマネコを見に来たのだという。残念ながらヤマネコを見ることはできず、なので「ツシマヤマネコの曲にはならなかったんですけど(笑)」と言いつつ、今回は特別につくってきたツシマヤマネコの歌をほぼ即興で披露した。〈ツシマヤマネコ〉〈ニャー!〉〈ツシマヤマネコ〉〈シャー!〉というオーディエンスとの掛け合いには会場に来ていた子どもたちも楽しそうにしていた。

 「Higher Love」では、冒頭にこの日の感謝を伝えるアドリヴの歌唱で会場を盛り上げ、現在進行中のツアー『STARTS presents MISIA 星空のライヴXIII GRAND HORIZON』のテーマ曲として書き下ろされた新曲「太陽のパレード」で本編を終えた。

 会場が一体となり「MISIA!」とコールするアンコールでは、劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の主題歌「ラストダンスあなたと」、そして「アイノカタチ」を披露した。

 「皆さん、本日は本当にありがとうございました。すごい誕生日プレゼントです!」

 原点の場所で実現した特別なライヴは感動的なフィナーレを迎えた。それは同時に、まもなくデビュー30周年を迎えるMISIAにとっての新たな一歩として刻まれた1日だった。

Text:谷岡正浩

MISIA(撮影=Santin Aki)

 ■公演概要

 STARTS presents MISIA BIG BAND ORCHESTRA 2027 BEYOND FREEDOM

 1月30日(土)、31日(日)福岡・マリンメッセ福岡A館
 2月6日(土)、7日(日)神奈川・横浜アリーナ
 2月20日(土)、21日(日)兵庫・GLION ARENA KOBE
 2月27日(土)岩手・盛岡タカヤアリーナ
 3月3日(水)、4日(木)愛知・クロコくんホール(日本ガイシホール)
 3月13日(土)、14日(日)大阪・大阪城ホール
 3月27日(土)、28日(日)香川・あなぶきアリーナ香川
 4月3日(土)、4日(日)東京・有明アリーナ
 4月10日(土)、11日(日)沖縄・沖縄サントリーアリーナ
 4月17日(土)、18日(日)広島・広島グリーンアリーナ
 4月22日(土)、23日(日)大阪・大阪城ホール
 5月1日(土)、2日(日)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

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