FABLED NUMBER、攻めのダンスロックで魅了した熱狂のツアー最終
『ILLUMINATE Tour 2017』のファイナル公演のもよう (撮影=NAOTO SONODA)
6人組バンドのFABLED NUMBER(フェイブルドナンバー)が6月30日に、東京・TSUTAYA O-WESTでツアー『ILLUMINATE Tour 2017』のファイナル公演をおこなった。2月8日にリリースされたメジャーデビューアルバム『ILLUMINATE』を引っさげて、2月24日の福岡Queblickを皮切りに、全国14カ所を回るメジャーデビュー後初のツアー。大阪で結成され、“エレクトロダンスロック”を提唱する彼ら。約2時間30分、ニューアルバムの楽曲を中心に、アンコール含め全27曲を熱演。躍動感あふれるダンスロックサウンドでオーディエンスを魅了した。
「AAO」でツアーファイナルは幕開け
ステージ後方の壁にはフクロウをモチーフにしたバックドロップ(旗)が存在感を放っていた。BGMには激しいロックサウンドで高揚感を煽りつつ、これから始まるライブへの期待感が高まっていく。暗転するとメンバーがステージに登場。オーディエンスに向かい高く腕を掲げるN'Taichi(Ba/Cho)。「渋谷始めるぞ!」と力強い声をきっかけに「AAO」でツアーファイナルの幕は開けた。N'Eita(Gt/Vo)は3つあるお立ち台を軽快に飛び移り、躍動するサウンドにオーディエンスも大きく手を左右に振り上げ、序盤からアクセル全開の盛り上がりを見せた。
そして「夜の鼓動」に突入。Chii,pucchi(Key)による印象的なシンセサウンドと躍動感あふれるビートにオーディエンスも体をくねらせ踊る。そして、N'Eitaがテレキャスを抱え「世界は君に鳴り響く」を演奏し、さらなる音圧感で畳み掛ける。
「限界までついてきてもらいたいと思います」と投げかけ「I Don't Wanna Write This Story」でクラウド・サーフィングも巻き起こり、シンガロングで更なる盛り上がりを見せた。「誰よりも声出してくれよ!」と「Don't let me go」へ。Ikki-Rodriguez(Samp/Prog)もステージ前方でオーディエンスを煽る。激しいパフォーマンスでもタイトな演奏は崩さない。「前から後ろまで楽しんでいきましょう! お前達も全力でしっかりついてきてください」と「World Joke」。Mako-Albert(Gt)のディレイの効いたギターが楽曲を牽引し、サビのコーラスがキャッチーに響き渡る。N'Taichiのガムシャラ感あふれるベースサウンドも楽曲の勢いをブーストさせる。
N'Eitaはギターを置き、ハンドマイクに切り替え「Sing In A Night」へ。リズミカルなコーラスで腕を左右に前方へ押し出し一体感を出す。<Hey Hey Hey>とN'Taichiの言葉にコール&レスポンス。Mr,Donuld Betch(Dr)の軽快なスネアのリズムが心地よく体を揺らす「Push me」。タイトルの通り“前へ前へ”とせり出したくなるビート。イントロでのメッセージ性の強さが場面を変えた「オーケストラック」。オーディエンスのクラップも演奏の一部となってステージを作り上げていく。静と動のサウンド構成で感情をコントロールするように紡いでいく。
そして、ミディアムナンバー「Let You Cry, Let You Fly」を披露。<ねぇ ねぇ♪>と語りかけるように感情をコントロールしながら歌い上げるN'Eita。「メジャーデビューして変わったことは?」とN'Taichに聞かれたN'Eitaは、「ありがとうと言わなきゃいけない人が増えた」と感謝の念を話すと、N'Taichは「自分も考えてきた言葉がある…」とポツリ。真面目な話かと思いきや、下ネタで返すという彼らしい展開で会場を和ませた。
N'Eitaの歪んだギターから「The seaside corporation」へ。攻撃的なサウンドをフロアへぶつける。オーディエンスもヘドバンで応戦。N'Taichiがマイクを手に取り「大きな声出せますか?」とコール&レスポンスを煽る。畳み掛けるリリックとバンドの出すサウンドを浴び、さらにヒートアップ。そこへさらに「Dancer In The War」で扇情させ、「~Interlude~」を挟み「Laughing,Crying And Living」に突入。高速BPM(テンポ)で圧倒的な空間を作り出していくFABLED NUMBER。
「凄い早い時間で駆け上がっていきます!」
「We don't care what you break my mind」ではロボットダンスのような動きを見せるN'Eita。滞空時間が長いリズムに体を揺らすオーディエンス。続いて、まさにトワイライトな照明とともに展開した「トワイライトシティ」でエピックな世界観で包み込んでいく。力強いビートに、叫びとも言えるN'Eitaの声。「これがダンスミュージックです!」と軽快なステップとともにオーディエンスへ向けて発信していく。
スポットライトを浴び「The Lights」をギターとともにメロウに歌い上げるN'Eita。MCを挟み、ここまできた想いをストレートにぶつける。「心からカッコいいと思うことをみんなと一緒にやって行きたいと思う」と決意を述べ、「The Lights」をフルバンドで披露。そして、「お前らの全てにこう言いたいと思う」と投げかけ「YES」へ。次々とオーディエンスがステージ前方へクラウド・サーフィングで押し寄せてくる盛り上がり。テンションが高まっていくなか、本編を終了した。
アンコールの声に応え、Tシャツに着替えたメンバーがステージに。兄弟ならではのやりとり。解禁前の情報を言ってしまうなど、ツアーファイナルならではの場面も。アンコール一発目は「One time」を披露。続いてのメンバーの成長が詰め込まれた楽曲「The King」では「ありがとな!」と感謝を告げながらの好演。全身全霊のパフォーマンスはオーディエンスをさらに一つにしていく。
ダブルアンコールに応え、N'TaichiとN'Eitaの2人が登場。N'Eitaが一人で「キライな君はもういない」を歌唱。等身大の歌を、ハスキーな声で軽くオーバードライブしたテレキャスターで弾き語りで披露。後半にゆくにつれ、感情を解放していくように歌い紡いでいく。
歌い終わるとバンドメンバー全員が再びステージに登場。N'Eitaは「まだまだ、たくさん友達が作れるように、もっともっと広げていけるように頑張っていきたいと思います。寝る前に夢物語見させてやるよ!」と投げかけ「You and I drift to our odd life」を届け、さらに「誰に対しても思いやりを持って過ごしていけよ。誰よりも俺らはみんなを応援している」とラストは「Even if the world is over」を持てる力の全てで演奏。「凄く早い時間で駆け上がっていきます!」とN'Taichiが決意を語り、メジャーデビュー後初のツアー『ILLUMINATE Tour 2017』の幕は閉じた。
(取材=村上順一)
セットリスト
▽『ILLUMINATE Tour 2017』 6月30日 東京・TSUTAYA O-WEST 01.AAO ENCORE EN1.One time W.ENCORE EN3.キライな君はもういない |