JK忍者は素に近かった、こぶしファクトリー　らしさ活かした映画

本当に面白い映画になっている

井上玲音（撮影＝大西 基）

――小川さんをはじめ大阪チームは、忍者オヤジーズに憑依されるという役柄は難しかったのではないでしょうか？

小川麗奈　そうですね。まあ憑依される部分に限らずなのですが、例えば考え事をしているという表現が、台本には「…」という記述で表されることが多くて（笑）。最初は戸惑って「これ、どうやったらいいんだろう？」と思いました。本当にその「…」にも思っていることや、言いたいけど言えないことなどがたくさんあって、それを表情や行動等で表現するのがすごく大変でした。

――井上さんは、忍者オヤジーズのリーダー格を演じた温水洋一さんが憑依される役でしたが、例えば役柄のことについて温水さんとお話をされたりもしましたか？

井上玲音　そうですね。温水さんはシーンのリハーサルのときに「ここはこういうのはどう？」みたいな提案やアドバイスをしてくださったり、すごく優しい方でした。

――オヤジに憑依される側も大変だなと思ったのですが、何か監督さんやその他役者さんからのご指導はあったのでしょうか？

小川麗奈　いろいろ教えていただきました。例えば監督さんから「こうした方が面白い」「もっとこうして」みたいなアドバイスもいただいて。先日映画の試写会で映画を観せて頂いたのですが、すごく面白くてビックリしました。それは監督さんのアドバイスがあったからこそ、より一層面白さがプラスされている部分もあったと思ったし。

和田桜子（撮影＝大西 基）

――素の感じというか、割と普段の楽屋でも同じようにはしゃいでいるという感じですか？

田口夏実　それはありますね（笑）。なにわチームの３人は、普段の生活からワイワイ騒いだり、ところどころに映画で見られるようなオヤジ臭さというか、ちょっとオヤジに似ているところがあって（笑）。だからこそ、この３人がこの役をやらせて頂けたのではないかというのもあります。

　ただ、演技となると構えてしまっていました。私たちは女の子なので、難しいところもありましたし。だから私は他の映画を見て勉強しようと思ったのですが、「女の子がオヤジに憑依される」という映画は探してもなくて（笑）。イメージがつかないところもありました。そんなところは佐藤監督からご指導いただいて「あっ、オヤジの方が女子高生をやるとこんな感じなんだな」みたいな雰囲気を学びました。自分たちはそれをマネして面白い感じになっているので、そういう部分も是非観ていただければと思います。

――一方で東京チームの浜浦さんは、主人公という立場もあって一番大変だったのではないかと思いましたが。

浜浦彩乃　今まではメンバーがいてセリフ、という格好だったので安心感があった中で、温水さんとの二人のシーンなどでは、演技のレベルの差もあったし、不安だらけでした。でも、温水さんの方からセリフを合わせようと率先してくださったりして、結構練習もできて、とても助けてい頂いた感じでした。

――リーダーの広瀬さんの視点からは、皆さんの演技はどんな感じで見られましたか？

広瀬彩海　そうですね…。私はオヤジに憑依される側のチームは撮影時には敵ということもあって、実はこの３人についてはあまり見ている時間がなかったです、シーンが本当に別々だったということが多くて。でも、オヤジに憑依されて居酒屋に入る部分とか、映画でどんな風になったのだろうと思って試写会を楽しみにして観たのですが、すごくやり切っているなという風に見えました。本当にお笑いとかおふざけな部分が好きな３人なので、さすがだなと（笑）。

――東京チームの方はいかがでしたでしょう？

広瀬彩海　浜浦彩乃ちゃんは天真爛漫で元気な反面、葛藤もあって大変だったと思います。セリフも多くて難しい役だったと思うのですが、そういう霧隠ノエル（役名）の表情をちゃんと演じ分けていたと思います。野村みな美ちゃんの文学少女で真面目な役もハマっていました。和田桜子ちゃんは、食いしん坊の役だったのですが、彼女は大変だったのではないかな、と。

――どのような部分ですか？

広瀬彩海　食いしん坊って、本当にパクッと大口開けて食べているイメージじゃないですか。でも桜子ちゃんは普段、一口が小さい。だから、それができなくてすごく苦戦している様子でした。だから大きく口を開けて食べる練習もたくさんして（笑）。それ以外でもお芝居とは違いますが、日頃の仕草なども気を使ってやっていた部分もありますが、本当に面白い映画になっているなと思いました。