鶴久政治が語る「243と吉崎綾」の魅力「曲に染まるのが上手い」
INTERVIEW

鶴久政治が語る「243と吉崎綾」の魅力「曲に染まるのが上手い」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:17年06月27日

読了時間:約6分

243(中央)と吉崎綾、鶴久政治

 元チェッカーズの鶴久政治がプロデュースする、音楽ユニット「243と吉崎綾」。昭和歌謡曲の素晴らしさを伝える『243PROJECT』のもと、これまでに小泉今日子や中森明菜などといった80年代のアイドルソングをカバーしてきたが、先日、自身初のオリジナル曲「恋のロマンス」をリリース。どこか懐かしいメロディに、当時のアイドルを彷彿とさせる歌声に衣装、振付などが、当時を知るファンをはじめ、初めて耳にする若年層から好評を得ている。そもそも彼女達の魅力とは何か。6月某日、新曲「青春のダイアリー」のミュージックビデオ撮影の合間に、プロデューサーの鶴久政治に話を聞いた。

色で例えると「白」

 もともとは、関係者との間で「80年代のアイドルソングは良い曲が多い。この良さを今に伝えられないか」という話で出たことがプロジェクトの始まりだった。そこで白羽の矢が立ったのが、ミュージカルのオーディションを受けるためにたまたま事務所に来ていた243こと、都志見久美子だった。鶴久は最初の印象をこう語る。

 「歌にクセがなくて、何と言うか、良いフィーリングだったんです。感性もとても良かったし、クセもついてなかったので“OK”ということになった。それで実際にレコーディングをやったら凄くやりやすくて。最初から歌の筋がもの凄く良くて。昔のアイドルの曲は1コーラスと2コーラスくらい違う音程で歌ってしまっている歌手もいたけど、それはその人の歌声やキャラが良くてヒットしたんだと思うんです。でも今はそういう時代ではなくて、音程もタイミングもキッチリ整えられる時代。逆に243の歌い方はクセもなく音程も凄く良いので、コーラスを入れたりすると広がるんです」

 243は、都志見久美子として、角松敏生のコンサートにコーラスとして参加するなど歌唱力に定評がある。周辺は「その歌声は80年代のアイドルに近い」と絶賛する。これまで彼女がカバーしてきたそれらの楽曲は、オリジナルを聴いているのに近い感覚になることがある。歌うにあたってそうした指導はあったのか。

 「(オリジナルの)本人とダブるような瞬間が何度もありました。キョンキョンの歌を歌うとそういう色になるし。そういう素質は凄い。彼女は色で例えると「白」。染まるのが上手いと思った。だから、要望したことはないですね。特に80年代の歌は、歌詞に沿って歌えば自然とその空気感は出てきますから。それと、松田聖子さんの曲を歌う時は当然、松田聖子さんの歌声を聴きながら練習していますから、知らぬ前にそっちの方へと寄っていっているんです。中森明菜さんの歌でも、やっぱり明菜ちゃんの歌を聴いているから、そっちに寄っていっているわけで」

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