『Perfume FES!! 2017~前夜祭~』を開催したPerfume(撮影=河本悠貴Yuki Kawamoto)

 3人組ユニットのPerfumeが6月2日・3日に、千葉・幕張メッセ国際展示場 9~11ホールで、Perfumeが主催する対バンライブイベント『Perfume FES!! 2017~前夜祭~』を開催した。イベントは、2013年に初開催されて以来今年で4回目。2日の前夜祭にはメンバーの憧れのグループである電気グルーヴを迎え、幕張メッセをテクノサウンドで満たした。電気グルーヴのステージには、トミタ栞がシークレットゲストとして登場し、会場を盛り上げた。Perfumeは最新曲「TOKYO GIRL」やヒット曲「チョコレイト・ディスコ」など全11曲を披露。2組の競演は会場に集まったオーディエンスを楽しませた。初日となった前夜祭のもようを以下にレポートする。

電気グルーヴ

電気グルーヴ(撮影=上山陽介 Yosuke Kamiyama)

 平日だろうと休日だろうとおかまいなしといった感じに、会場には多くのオーディエンスで満たされていた。開演時刻になると待ちきれないといった様子で、手拍子で煽っていく。トップバッターは電気グルーヴ。メンバーが登場すると大歓声が巻き起こった。1曲目は『TROPICAL LOVE』から「人間大統領」。アルバムのジャケットにも使用されている“ヒョウ”や様々な動物たちが、スクリーンに映し出されるなか、パンチのある歌詞と歌、体を動かさずにはいられないビートで、序盤からオーディエンスもノリノリでグルーヴに身を任せていた。

 続く「Fallin’ Down」ではオーディエンスによる一体感のあるクラップがこだまする。このクラップもサウンドの一部となってメッセに降り注ぐようだ。「プエルトリコのひとりっ子」、「いちご娘はひとりっ子」ではシークレットゲストにトミタ栞が登場。ピエール瀧とともにエフェクティブなボイスで、<ひとりっ子♪>と楽曲をライブは盛り上げていく。

 「Missing Beatz」からの流れは中毒性があるトランシーな空間に。石野卓球によるオーガニックなバックトラックは、オーディエンスの高揚感を煽っていく。絶妙なタイミングで鳴り響くシンセ、中毒性のあるリズム、そこに絡み合う光と映像の相乗効果によって、テンションは高まっていく。

 ヒットナンバーの「N.O.」では、歌い上げる石野卓球、ピエール瀧はDJブースに入りシンセドラムで楽曲にスパイスを加えていく。さらなる盛り上がりを見せるなか「Love Domination」に突入。会場全体が脈打つような強烈なビートで、まさにメッセを“支配”してしまうほどの勢いだ。そして、無数の光が会場を照らすなか、「UFOholic」へ。スペーシーでトロピカルな、電気グルーヴらしいオリジナリティあふれるステージを展開。石野卓球とピエール瀧も終始はしゃぎまくり、ステージを後にした。

Perfume

あ~ちゃん(撮影=西槇太一Taichi Nishimaki)

 そして、今回の主催者であるPerfumeの出番。会場が暗転すると天井に設置されたライトの光が垂直に降り注ぐ。カウントダウンがゼロになると、花道の奈落からゆっくりと3人が登場。大歓声が巻き起こるなか、今年2月にリリースされたオリエンタルな雰囲気を醸し出す「TOKYO GIRL」で幕は開けた。アタッキーなドラムサウンドにリンクしたイントロのダンス。そこから緩急をつけた展開で、静かにオーディエンスの高揚感を煽っていく。

 「I still love U」ではハンドマイクでダンスとともに歌い上げ、「FLASH」では見事なシンクロ率を見せる。リズムを視覚化するかのように、魅力的な動きは会場の視線を釘付けにしてしまう。メインステージに移動し「Magic of Love」をダイナミックに披露し、序盤4曲をあっという間に駆け抜けた。

 1回目のMCでは恒例の自己紹介からあ~ちゃんが、「金曜日みんな弾けてる~? みんな準備してきたの~? ウチらは準備してきたよ~!」と投げかけ、更に会場を見渡し「本当に最高の景色です。また幕張でできると思っていなかったので嬉しい」と喜びの声を届けた。

のっち(撮影=河本悠貴Yuki Kawamoto)

 のっちは「孤高の存在である電気グルーヴさんとの対バンで今日はとっても興奮しています。楽しくなかったライブがない! カッコよくなかったライブもない!」と、今日の対バンへの興奮度が伝わってくるMC。

 かしゆかは電気グルーヴのステージの盛り上がりを見て「自分も客席に行きたいと思った」とその興奮を伝えた。

 あ~ちゃんは高校生の時に、3人でテクノミュージックのレイヴイベント『WIRE』で初めて電気グルーヴのステージを見たとき「当時、全然良さがわからなかった。ステージを見たらおじさんがふざけてた。当時はその良さがわからなかった」と明かしつつも、「でも今思うと自分がなぜ盛り上がらなかったのか後悔している。電気グルーヴさんみたいに愛されるアーティストになりたい!」と電気グルーヴに感銘を受けていることを語った。

 その後、会場を3つのグループに分けコール&レスポンスで一体感を高め、キュートで小悪魔感たっぷりの「いじわるなハロー」、弾けるリズムがとびきりポップな空間に変えた「宝石の雨」と続けて披露。

 そして、攻撃的なEDMサウンドが脳を刺激する「GAME(GAME ver)」へと展開。スクリーンに映し出された3人にリアルタイムでエフェクト処理し、映像と一体となったパフォーマンスで魅了。オーディエンスもビートに乗り、体を弾ませ楽しんだ。間奏では『スターウォーズ』を彷彿とさせるライトセーバーのようなものを手に取り、クールに立ち振る舞った。

かしゆか(撮影=河本悠貴Yuki Kawamoto)

 通称「近未来三部作」の完結作で3枚目のシングルの「エレクトロ・ワールド」に続き、「P.T.A.」のコーナーへ。のっちは「夢に電気グルーヴさんが出てきた。(ピエール)瀧さんとキスするという夢だった」とその内容を明かし、コラボは叶わなかったが電気グルーヴのヒット曲「Shangri-La」の音源をバックにダンスを披露。あ~ちゃんは誕生日に、のっちにプレゼントしてもらったというバランススクーターに乗り、ステージで華麗な乗りこなしを見せた。その後も「人の歌を歌い続けまーす」とTRFの「survival dAnce ~no no cry more~」やB'zの「ultra soul」の一節を引用し、オーディエンスとさらなる一体感を作り出していく。

 ライブは後半戦に。「Party Maker(ぐるんぐるん ver)」では<手をかざして♪>の歌詞にリンクするかのように、オーディエンスも手をかざし、盛り上がりを見せ、久々の披露となった「Puppy love」ではステージ下から真っ白なマイクスタンドが登場。それを使用し歌を届け、3人は感謝を伝えるかのように、ステージの花道や両サイドに伸びたウイングまで赴き、パフォーマンスし本編を終了した。

 ステージで感謝を告げ、興奮冷めやらぬ3人は「曲何かやる? 何がいい?」と観客にリクエストを募った。会場からは「Miracle Worker」の声が上がったが、のっちの「声出しが足りないなあ、みたいな。ディスコ的なやつをやりたい」と提案。それを聞いたあ~ちゃんも「今日は電気(グルーヴ)さん見に来た人もおるじゃろうけさあ。A面やって帰ろうか」と今回の予定にはなかった楽曲「チョコレイト・ディスコ」を披露。問答無用のヒットナンバーは、オーディエンスも<ディスコ♪>と一緒に歌い、ボルテージは最高潮。盛大な拍手と歓声が響き渡るなか、ライブの幕は閉じた。

(取材=村上順一)

セットリスト

▽電気グルーヴ

01.人間大統領
02.Fallin’ Down
03.プエルトリコのひとりっ子
04.いちご娘はひとりっ子
05.Missing Beatz
06. SHAMEFUL
07.新幹線
08.FLASHBACK DISCO
09.Baby's on Fire
10.N.O.
11.Love Domination
12.UFOholic

▽ Perfume

01.TOKYO GIRL
02.I still love U
03.FLASH
04.Magic of Love(SXSW ver)
05.いじわるなハロー
06.宝石の雨
07.GAME(GAME ver)
08.エレクトロ・ワールド
09.Party Maker(ぐるんぐるん ver)
10.Puppy love
11.チョコレイト・ディスコ

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