新しい幕開けを告げる作品、ASH DA HERO　「A」で語る新しい物語

エース（A）になってやるという決意

ASH DA HERO（Styling＝三島和也・Tatanca）

――「Layla」に出てくる女性は、魅惑的ながらだらしない感じもありますよね。そこに男性が惹かれるのもわかる気がします。

　Laylaに振り回されちゃってるからね。中盤ブロックの話になるけど、このアルバムの物語を語るなら、Laylaに振りまわされた男が、「なんだよー」と愚痴をこぼしながら、レゲエバーの「Coffeeshop」で休日前の夜中にお酒を呑み始めるんですね。そこは、ジャムセッションも生まれるレゲエバー。そこでラム酒をかっ食らっていたら、急にお店でセッション演奏が始まり、見知らぬ人たちが「WA!!」を通して繋がりだした。男も、いつしかスカビートを鳴らす演奏へ飛び入りし歌いだし、大はしゃぎ。

　その翌日に男は、「俺、昨夜はLaylaという女に振りまわされ、その後Clubに行ってはしゃいでたなぁ」と振り返りつつ、その日はアコギを片手にビーチに行き、むしゃくしゃした切ない気持ちを「Somebody To Love」へぶつけてゆくわけですよ。そうしたら、またいろんな仲間たちが集まりだし「W.Y.W.G (Wherever You Will Go)」へと繋がり、ふたたび大騒ぎしてゆく。

　家に帰って以降、また場面を変えた物語が「ラブソング」から始まり「Rain」へと繋がり、「いつか世界が僕を忘れても」で物語は終わる。そして、エンドロールとしてライブハウスで演奏している雰囲気を持った「WANT YOU BAD」が楽しく流れだし、仲間と一緒に未来を見つめた元気いっぱいなASH君の姿で終わる。しかも「WANT YOU BAD」は、「To Be Continue」…つまり「次回へ物語は続く」となるんですね。

――実際に物語は続くのでしょうか?

　すでに、次のアルバムの構想を考えていて、物語は続きます。

――楽しみです。ちなみに、タイトルに記した『A』。この単語にも、いろんな想いを重ね合わせているのでしょうか？

　重ねています。それはASHのAであり、ANSWERのAであり、ANTIのAであり、何よりもAはアルファベットの一番最初の単語でもある。つまり、「ここからまたASH DA HEROの物語は始まる」というのが一番大きな意味。

　加えて、「俺は日本のロックシーンのエース（A）になってやるぜ」という決意表明も重ねています。

――この物語が、これからどんな風に続いていくのか楽しみになってきました。

　『A』に続く次のタイトルも気になりますよね。期待していてください、実はすでに決めています（笑）。そこは…「To Be Continue」ということで（笑）。

（取材＝長澤智典、撮影＝冨田味我）

「Waiting For」／ASH DA HERO

「BRAND NEW WORLD」／ASH DA HERO