全てをエンターテイメントに変えたい、フラチナリズムのこだわり
INTERVIEW

全てをエンターテイメントに変えたい、フラチナリズムのこだわり


記者:長澤智典

撮影:

掲載:17年05月17日

読了時間:約15分

ギャップにハマる

田村優太

田村優太

――昨年は、中野サンプラザでのワンマン公演を満員にさせました。当然、フラチナリズムのファンはオリジナル曲を評価しているわけですよね。

モリナオフミ もちろんです。中でもオリジナルのバラード曲の評価は高いです。ライブの場合はとくに、「KAN&PAI -THE WORLD-』や『やってらんねぇ』みたいなブッ飛んだ楽曲から急にバラードを歌ったりもするように、そこのギャップにハマッてくれる人たちが多いです。

タケウチカズヒロ そこは、戦略通りです(笑)。

――嫁ぐ娘に対する父親の言葉に出来ない心情を歌ったバラードの「帰っておいで」は、親父さんの心情をリアルに綴りました。これは本当に泣ける歌ですよね。

モリナオフミ この曲は、メチャクチャ苦労して作りあげました。だって僕自身、味わったことがない気持ちだから。そこはあくまでも想像を膨らませ書いたように、どこか客観的に捉えてるところも「帰っておいで」に関してはあります。

――同じバラードの「テトテ」も泣かせますが、こちらは新しい環境への旅立ちを歌にしたようリアリティを覚えながら歌詞を記した形でしたか?

モリナオフミ 「テトテ」は自分でも味わったことのある気持ちを書いたように、すごく感情が入りました。東京工学院専門学校「コンサート・イベント科」の卒業制作コラボレーションソングとして、生徒たちと一緒に作り、共にレコーディングをおこなった曲です。

 僕らは、東京工学院専門学校「コンサート・イベント科」の生徒たちが作る卒業ライブで演奏するために呼ばれたんだけど。一緒に制作へ携わっていく中、「みんなも一緒にステージに立たせたい」と思い、そこから共に曲制作をしようと決め、「一緒に歌う曲を作りたいから」と卒業へ向けての想いをみんなへ寄せ書きにして書いてもらったんですよ。

 そこに書かれた言葉をモチーフにしながら作ったのが「テトテ」。レコーディングも東京工学院専門学校でおこなったように、生徒たちみんなが喜び散らかしてくれました。それが、本当に嬉しかったね。

タケウチカズヒロ 今回、卒業した生徒たちや在校生たちも買ってくれることを視野に入れておこないました(笑)。

それはきっと性格的に暗いから…

都築聡二

都築聡二

――このアルバムの手ごたえをどう感じていますか?

都築聡二 オリジナル曲はもちろんですが、カバー曲でも、モーニング娘。の「恋愛レボリューション21」から泉谷しげるさんの「春夏秋冬」まで幅広い世代の曲たちをカバーしてるじゃないですか。カバー演奏をしながら自分たちの表現スキルも上がってきているように、すごく勉強になった作品です。なので、スリムがしたいです。

モリナオフミ そうなるでしょ。彼がしゃべらないのは、そういう理由からなんです(笑)。

田村優太 曲はメンバーそれぞれが書くんですけど。今回のアルバムでも『帰っておいで』や『テトテ』を僕が書いたように、どちらかというとバラードを得意としているタイプ。逆に僕は『やってらんねぇ』のような明るい曲は書けない。それはきっと性格的に暗いからなんだと思います。

タケウチカズヒロ 僕は、あんまし感想はないですね。

モリナオフミ ないって、取材なんだから何かひねり出せよ(笑)。

タケウチカズヒロ 自分でもよく聴いてるんですけど、まだ客観的になれないのが実際のところ。きっとライブでお客さんと共有し、その反応を見ていく中で、このアルバムのことが見えてくるような気がします。

モリナオフミ 中に収録した『アイアイアイラブユー』は2010年に作った曲で、当時インディーズ盤でリリースをしました。この手のソウルフルでポップな表情は大好きだけに、その楽曲を7年の時を経て、しかもメジャーで出せたのが嬉しかった。『なんてファンタスティック』も舌触りが抜群にいい曲。この歌はメロディーと歌詞を同時に生み出すスタイルで作ったように、歌詞の意味は度外視し、言葉の響きとゴロとメロディーとの相性で作っています。それもあって、歌い演奏していて一番小気味良い楽曲になりました。シーンもバンバンバンと移り変わってゆくように、ちょっと慌ただしい朝のラッシュ感も『なんてファンタスティック』には出てますけどね。

 あと、小柳ゆきさんの歌った『あなたのキスを数えましょう 〜You were mine〜』を、今回はピアノだけを伴奏に歌いました。この曲は、自分の歌唱力が如実に出るから、最初どうしようと思いましたが、これまでの中で一番良く自分の歌声の魅力を出せた楽曲にもなっています。泉谷しげるさんの『春夏秋冬』を入れたのは、泉谷さんと直接お仕事をしたときに、エンターテイメントな考え方が凄いと言いますか、人間力が凄すぎることから、「この人の曲をカバーしたい」と思い選びました。泉谷さんって毒舌なのに、その言葉に愛も一緒に乗っけてるから誰も傷つけないんですよ。毒舌すらエンターテインメントにしちゃう。泉谷さんとの出会いは、「こんな人おるんや」というくらい感動しましたね。

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