全てをエンターテイメントに変えたい、フラチナリズムのこだわり
INTERVIEW

全てをエンターテイメントに変えたい、フラチナリズムのこだわり


記者:長澤智典

撮影:

掲載:17年05月17日

読了時間:約15分

「流し」でやっていることを詰め込んだアルバム

タケウチカズヒロ

タケウチカズヒロ

――5月17日に2ndフルアルバム『ハーフ&ハーフ2』が発売になります。この『ハーフ&ハーフ』シリーズは、1枚のアルバムに、オリジナル曲とカバー曲を並べた形で収録しています。なぜ、このような形態で作品を作ろうとしたのでしょうか。

モリナオフミ 先ほども少し触れましたが、僕らは居酒屋で「流し」の活動をしています。僕らとしては、一番に聴いて欲しいのがオリジナル曲。だけど居酒屋は、音楽を聴きに来くる場ではなく、飲食しながらワイワイと楽しむ場。そこにいるお客さんに、僕らの音楽を聴いて欲しいと考え実践したのが、お客さんのリクエストに応じた楽曲をカバーして唄うというスタイルです。

 今でこそ300曲以上のレパートリーがありますけど、当初は世代を超えた人たちに届くカバーソングを100曲ほど用意していました。それをリストにして「この中から好きな曲をリクエストしてください、僕ら歌いますから」と声をかけたら、「じゃあ、サザン(オールスターズ)を歌ってよ」「(松田)聖子ちゃんを聞きたい」という声が出始め、そこでお客さんたちの心をつかみ、その後に僕らのオリジナル曲を唄う。そうすると盛り上がってくれるんです。そのスタイルで、もう数年やっています。

 僕らがメジャーに進出し、「フラチナリズムらしさの出たアルバムを作ろう」という話が持ち上がったときに出たアイデアが、「“流し”でやっていることをアルバムでもやろう」というものでした。そこから前回は、カバー曲から始まりオリジナル曲へ流れて、を繰り返していく形で1stフルアルバム『ハーフ&ハーフ』を作りました。

 そのアルバムの評判が良かったことから、「じゃあ、次のアルバムも『ハーフ&ハーフ』スタイルで作くろう」ということで再び制作。ただ今回は、オリジナル曲から始まりカバー曲へ流れて、を繰り返しているように、前作とはオリジナル曲とカバー曲の収録順を変えています。

――フラチナリズムのファン層は、どの世代の方が多いのでしょうか?

モリナオフミ もちろん20代や10代もいますけど、中心となっている世代は30代や40代。50代のファンの方も意外と多いんですよ。しかも、主婦層の支持が高い。奥様方は、「私たちの知っているカバー曲が入っていると、お友達にも勧めやすい」と言ってくださいますからね。

――「流し」は一般的にアコギ1本でやりますよね。みなさんは、どんな形で演奏しているのでしょうか?

モリナオフミ 田村の弾く演奏に合わせ僕が歌い、都築はタンバリンを叩きながらリズムを担当。タケウチは大声を出す“ガヤ”の役割を担っています。

――“ガヤ”というか、盛り上げ役は大切ですよね。

タケウチカズヒロ 盛り上がった感触こそ、今まで一度もないですけど(笑)、大事なポジションです。

――居酒屋さんを舞台にしていると、いろんな事件も起きそうですよね?

モリナオフミ いろいろありますよ。中には、「お金をあげるから、頼むから帰ってくれ」と言われたこともありました。おかげで、メンタル面は本当に鍛えられてます。たとえ滑っても、何とも思わないですね。もう、そういう神経が無くなっちゃっている。

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モリナオフミ
田村優太
都築聡二

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