頑張ったからこそ見える景色、THE イナズマ戦隊 変わりなき姿勢
INTERVIEW

頑張ったからこそ見える景色、THE イナズマ戦隊 変わりなき姿勢


記者:長澤智典

撮影:

掲載:17年05月09日

読了時間:約19分

「あいせてますように」は進化形

THEイナズマ戦隊「赤い命が燃えている」MV

――丈弥さんの書く歌詞には、人生の経験や蓄積から沸き上がる言葉たちも多くないですか?

上中丈弥 そういう曲を歌っているのがTHE イナズマ戦隊なんで。もう、22~23歳頃からこういう「負けんとこうぜ」みたいな曲ばかり歌ってるように好きなんでしょうね。

――新曲としてアルバム『LIVE GOES ON!』に収録した「あいせてますように」は、10代の頃と今の自分の気持ちを対比させています。ここに綴った<一番になることじゃなく自分の信じたことを突き詰めることが大事>という想いは、今だからこそ書ける心情だとも感じました。

上中丈弥 「あいせてますように」は、まさに今だからこそ歌えるっていうか、いろんな事柄を経験したからこそ書ける曲。もともと“四畳半フォーク”みたいに身近なことを歌うのが好きなんですよ。大きい事柄を歌うよりは「あいせてますように」のように身近な物事を歌ったほうが、より鋭い球を投げられると思っていますからね。

――THE イナズマ戦隊の楽曲に記した題材はどれも自分の身近に置き換えやすいからこそ、リアリティを持って胸に響いてきます。

上中丈弥 そういう風にTHE イナズマ戦隊の楽曲を捉えてもらえてるのであれば嬉しいですね。

山田武郎 「あいせてますように」は、前回のツアーのファイナル公演のアンコール時に、丈弥がいきなり一人で歌いだした曲なんですよ。自分らも、あの場にいたお客さんらと同じように、そのときに初めて「あいせてますように」を聴いて「すげぇいい歌だな」と思いました。そこから更に進化して形に出来たからね。

上中丈弥  身近なことを歌ってる方が、聴いた人たちの胸にも突き刺さっていくし、自分たちの人生模様が歌から見えてくるのも良いことだと思います。

――今回、20周年記念盤として発売するアルバム『LIVE GOES ON!』は、5曲の新曲が収録されています。Disc.2にはTHE イナズマ戦隊の人気歌たちを10曲、うち4曲は「-20th anniversary ver.-」として新たに録り直して収録しています。もともと、そういう形でのリリースを考えていたのでしょうか?

久保裕行 「今回、3回目のメジャーデビューで、せっかくの20周年なので代表曲を集めた作品を出したい」という話を最初に頂いていました。でも、昔を振り返るのも大切だけど、今の自分たちを見てもらいたい気持ちがTHE イナズマ戦隊としては何よりも強かった。

 それで丈弥が「新曲もアルバムに入れたい」と提案したところ、快くOKを頂きました。その上で「何曲入れる?」とメンバー内で話しあっていく中、丈弥が「5曲入れたい」と。その話もメーカーさん側はOKしてくれて、既発の曲たちも「今のTHE イナズマ戦隊として届けたい」ことから、4曲新たに録音もする形を取ることもOKしてくれて、今回の2枚組という形になりました。

――既発の歌を10曲に絞るのは大変だったんじゃないですか?

上中丈弥 全部で200曲はありますからね。その中から絞り込んだとはいえ、まだまだ入れたい曲があったのは事実です。これから始まる全国ツアーも200曲の中から何を演奏するか選ぶわけだけど、一つのライブで演奏出来て20曲ないくらいだから、選ぶのは本当に難しいことです。

――今回はツアーが58本ありますね。その中で200曲まではいかずとも、100曲近くの楽曲を演奏するということなどは?

上中丈弥 ある程度の曲数は用意するけど、そんなには出来ないです。やはりライブを演る以上、ある程度軸となるセットリストを作らないと良くない。そのうえで候補曲をいろいろ入れ換えてくスタイルを取るべきだなと思っています。

山田武郎 今回は20周年ということで、久しぶりにTHE イナズマ戦隊のライブに来てくれる人たちも居るだろうから、昔の曲もいっぱいやりたいなとは思っています。

――今回、Disc.2に収録した10曲は、どういう基準で選んだのでしょうか?

上中丈弥 ライブの定番曲という理由や、今でもTHE イナズマ戦隊の核となっている歌ということですかね。

久保裕行 こういう曲たちがあったからこそ、いろんなお客さんたちに出会うことが出来たし、こうやって20周年を迎えられている。そういう基準ですね。

――歌詞を若干アレンジした「各駅停車」を聞きながら、THE イナズマ戦隊もこういう20年間の歩みをしてきたんだということが伝わり、山あり谷ありな人生模様もいろいろ見えてきて心打たれました。

上中丈弥 なんかね、こういう身近なことを歌ってるほうが、聴いた人たちの胸にも突き刺さるみたいです。自分たちの人生模様が歌から見えてくるのは良いことだと思っています。その背景が見えることで、余計にバンドのことが好きになっていくというか。そういう歌があってもいいなと思ってはいます。

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