アニソンシンガーの春奈るなが5月3日に、通算10枚目となるシングル「ステラブリーズ」をリリースした。2010年に開催された『第4回全日本アニソングランプリ』でファイナリストに残り、2012年にはシングル「空は高く風は歌う」でメジャーデビューを果たす。本作「ステラブリーズ」は、放送中のアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』(略称・冴えカノ)のオープニングテーマで、「デビュー5年の私が今感じている、出会いに感謝する気持ちも込めた」と話している。自他共に認めるアニメ好きの彼女がアニソンにかける想いとは。そして、彼女を支えてきたものとは。
いろんな人と出会うことで、その人の人生が色づいていく
ーーシングル「ステラブリーズ」は、『冴えカノ♭』のOPテーマ。2015年の7thシングル「君色シグナル」も『冴えカノ』1期のOPテーマで、引き続きという感じですね。
1期を見たときに、すごく胸を打たれる部分があって、いちファンとして楽しんでいた自分がいました。その作品の2期で、また声をかけていただけたのは、すごく嬉しいです。
ーー「君色シグナル」を意識していると思う部分が、いくつかありました。「君色」に出て来た歌詞が使われていたり、セリフのパートがあったり。
そうなんです。セリフのところは、だいぶ意識しました。「春奈るなが歌う『冴えカノ』の楽曲と言えばセリフ!」みたいに、定着したら良いなと思って。
曲調は「君色シグナル」とは良い意味で差別化を図りたくて、かわいらしさより爽やかさを前面に出しています。
ーー「君色シグナル」のときは歌詞を共作していましたが、今回は春奈さんお一人で書かれていて。
はい。今回もヒロインの加藤恵を中心に物語が回っていくので、その恵の心情を重視して書かせていただきました。恵のキャラソンっぽくしたくなくて、アニメ『冴えカノ』を見たことのない人でも、青春ソングとして受け止めてもらえる歌詞にしたいと思って。そのバランスを取るのが難しくて、歌詞を書き上げるまでに2カ月くらいかかってしまいました。
ただ『冴えカノ』の登場人物は、全員強い信念を持っていて、感情移入もしやすいので、その世界観に寄り添って作詞するのは、すごく楽しかったです。恵だけじゃなく、魅力的なキャラクターが、他にもたくさんいるので、その一人ひとりに向けて書きたいと思ったほどでした(笑)。
ーー歌詞でキーポイントにしたのは?
色です。「パレットで色を足していく」というフレーズが、まずパッと浮かびました。最初は何も持っていなかった恵が、サークルのみんなや、主人公の安芸倫也くんと出会うことで、どんどん色づいていくイメージがあって。
これは、どんな人でもきっと同じだと思うんです。自分には何もないと思っていても、いろんな人と出会うことで、思い出や気持ちをもらって、その人の人生が色づいていくと思うので。
ーーそれは、春奈さん自身の活動を通しても、実体験していることですよね。
そうですね。デビューから今年で丸5年ですけど、本当にたくさんの出会いがあって、絶対に私一人だけでは、この5年を迎えることが出来なかったと思います。そんな出会いに感謝するという気持ちも、この「ステラブリーズ」に込めています。
ーー「ステラブリーズ」というタイトルは、どういう意味で?
ステラ=星で、恵がヒロインになりたいと願いをかける星のイメージです。ブリーズ=風で、恵と安芸くんが出会った坂道に吹く、心地よい風をイメージしました。
ーーMVも爽やかで、すごく自然体な雰囲気ですね。
柔軟剤のCMみたいな(笑)。爽やかなシーンもありますが……ベッドでゴロゴロしていたりとか、ちょっとドキッとしてもらえるシーンもあって。単なる萌えキュンではなく、<隣にいるから>という歌詞がある通り、隣にいることのドキドキとか、フッとしたときの表情にドキッとしたりする、そんなドキドキを感じてもらえたらうれしいです。
ーー布団に潜って、スマホとかタブレットで見ると、よりドキドキが高まりそうですね。
ああ確かに! 横になりながら見ると、ゴロゴロしてるシーンとか、すごくリアルになりそうです。