全部キャッチーだから全部サビみたいな
――2ndシングル「bite the bullet」は、ワンコーラスまるまる英語で。
南 菜生 PassCodeは、もともと英語詞が多くて、1曲全部英語の曲もあるし。でも、日本語訳にすると、すごく良い歌詞なんです。内容も、自分たちの気持ちに添った歌詞を書いていただいているので、すごく気持ちを入れられます。
今田夢菜 めっちゃ歌詞良いです。ひな(大上)が歌っている歌パートの歌詞が、すごく良いんです。
――そこがサビ?
南 菜生 PassCodeの曲は、サビとかAメロBメロみたいな、いわゆる楽曲構成の感覚がなくて。どのパートも全部メロディが違っていて、全部キャッチーだから全部サビみたいな(笑)。そういう曲だからこそ、自分たちも飽きずにやれているところがあると思います。
――歌詞には自分たちの気持ちが反映されているとのことですが、楽曲制作の際に自分たちの意見を出したりするんですか?
南 菜生 「bite the bullet」は、レコーディングのときにいろいろ意見を出しました。ここはこういう風に歌いたいとか、ここはこういう風にシャウトしたいとか。
今まで2枚のアルバムを出しているのですが、アルバムのときは、「どういう曲が欲しい?」とスタッフさんから聞いていただいたので、「かわいい感じが欲しい」とか「エモい系が欲しい」とか伝えて。必ず何かしら、意見交換させていただいています。
――ラップパートもあって、ここは南さんと高嶋さんのふたりでラップしている。
高嶋 楓 10月のメジャーデビューシングル「MISS UNLIMITED」のカップリング曲「Cry Out」でもラップがあって。そのとき、自分と菜生がラップパートをやることになって。で、今回のシングルの歌割りを見たら、また自分と菜生がラップで。気づいたらラップ担当になっていたみたいな感じです。
南 菜生 でも今回は、こういう風にラップしたいと提案して、自分たちのイメージした感じでやることが出来て、すごく良かったです。
高嶋 楓 ライブで何度もやっているうちに、歌い方とか魅せ方とかが分かって来たので、ラップするのが楽しくなって来ました。
大上陽奈子 前よりラップが進化していると思います。
――大上さんは、歌担当みたいな?
大上陽奈子 みんな歌うところはあるんですけど。私は、ハイトーンで歌うことが多いですね。
南 菜生 最近は、歌割りを見なくても、誰がどこを歌うか分かるようになりました。それだけ、各自のキャラがはっきりして来たんだと思います。
――カップリングの「LOST」は、今までのPassCodeっぽい曲ですね。
南 菜生 そうですね。逆に「bite the bullet」は、いつものPassCodeの一歩先を行くような感じだと思います。
今田夢菜 どちらもライブでまだやっていないので、どんな風に盛り上がるのか想像がついていない部分があって。
南 菜生 実際にライブでやりながら、曲が自分たちに馴染んでいく感覚があります。
作ってくれる方が、私たちのライブを見た上で、どういうものが必要なのか考えて作ってくださっていて。私たちも、ライブでやってやっと掴めるものもたくさんあるので。
――カップリングのもう1曲「カタルシス」は、ピアノが効いたミディアムのギターロック調で切なげなボーカルが秀逸。
南 菜生 前回のシングルが、全部かっこいい系だったので、「カタルシス」は、自分たちでもすごく新鮮です。BPMが遅いわけではないけど、PassCodeなりのバラードという感じ。でもシャウトもしっかりあって、PassCodeらしさは失っていないと思うし。
大上陽奈子 メロディが胸に刺さります。歌詞は日本語が多いから、ストレートに伝わるし。今までバラード調の曲は、ワンマンでしかやらなかったんですけど、「カタルシス」は、対バンとかイベントでも積極的にやっていきたいですね。
――歌詞は3曲通して、自分たちの未来や自分たちの居場所を、自分たちの手でつかみ取ろうとする力強さや、自分たちの存在意義を問うているものだと思いました。
南 菜生 はい。PassCodeのようなジャンルのアーティストやアイドルはこれまでいなかったので、どこに行ってもなかなか受け入れてもらえない時期がしばらくありました。それで、どうやったら受け入れてもらえるか、好きになってもらえるか、すごく考えてやって来て。それが、ここ最近になってようやく自分たちのやり方が見えて、自分たちの居場所が分かって来たところがあったんです。歌詞には、そのことがすごく表現されているので、3曲ともすごく気持ちを入れて歌うことが出来ます。
高嶋 楓 ずっと社長が作詞をしてくれているのですが、結成からの私たちのすべてを知っているので。私たちの気持ちを汲んで、歌詞を書いてくれているんだと思います。
大上陽奈子 でも、まだまだ自分たちの居場所を探している途中という感じですね。