ノーベル賞授賞式の欠席を表明したボブ・ディラン

ノーベル賞授賞式の欠席を表明したボブ・ディラン

 ノーベル文学賞を受賞した、米歌手のボブ・ディラン(75)が、12月20日におこなわれる授賞式を欠席する意向を示した。「以前から予定していた約束がある」とその理由を明かしている。

 式典を主催するスウェーデン・アカデミーは16日、以下のコメントを発表し、ボブ・ディランの受賞式欠席を伝えた。

 「昨晩、スウェーデン・アカデミーはボブ・ディランから個人的な手紙を受け取り、すでに予定されていた約束があるため、12月にストックホルムを訪れることが出来ず、そのためノーベル賞授賞式典は欠席すると伝えられました。彼は名誉に感じていることをまた強調し、個人的に受け取りたかったとしていました」

 またアカデミーは、受賞式典を欠席する受賞者はディランが初めてではないということも付け加えている。

 「受賞者が欠席することが稀であることは間違いありませんが、例外ではありません。近年でもドリス・レッシングやハロルド・ピンター、エルフリーデ・イェリネクらの受賞者がそれぞれの理由でストックホルムに来ることができませんでした。それでも賞は彼らのものであり、ボブ・ディランも同様です」

 賞を自ら受けることがないとみられるディランだが、受賞条件を満たすためには式典から半年以内に受賞講演をおこなう必要があり、アカデミーは「我々はボブ・ディランのノーベル賞受賞講演を楽しみにしています。それが唯一の必要条件であり、2016年12月10日から6カ月以内の講演が必要とされています」と伝えていた。

 そんなディランは受賞が発表されてから2週間も沈黙を続け、折り返しの連絡もしなかったことでアカデミー会員のひとりから「失礼で傲慢」と呼ばれていた。しかし、その後、コメントを発表。「(式典には)もちろん行くさ。出来るならね。信じられないよ。素晴らしいよね。こんなこと誰が夢みたかな?」とその喜びを表していた。

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