レット・イット・ゴーの場面(c)Disney

レット・イット・ゴーの場面(c)Disney

 ディズニーの名曲を、フルオーケストラとヴォーカリスト達の歌声によってライブ演奏される公演『ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会 2016』が23日、東京・文京シビックホールで始まった。本公演は「“真実の愛”は心をとかす」がテーマ。映画『アナと雪の女王』をメイン演目に、9月から12月にかけて全国36会場54公演が開催される。2015年春に設立された「オーケストラ・ジャパン」の生演奏と、NYのミュージカルシーンで活躍するヴォーカリスト達の歌声、ディズニー作品の映像を交えてストーリーがライブ空間で鮮やかに再現され、これまでに無かったディズニー・ファンタジー・ライブが展開される。公開前日の22日には報道陣向けにリハーサルの模様が公開された。記者が観覧して感じた、その華やかなステージの見所、演奏の聴き所をここで紹介していきたい。

「ディズニー・オン・クラシック」とは?

火の鳥(c)Disney

火の鳥(c)Disney

 ディズニー×クラシックコンサート×ミュージカル――。「ディズニー・オン・クラシック」は、作品の映像と生演奏からストーリーは進行し、照明や特殊効果を入れた新たなコンサートによって感動が生み出されるファンタジー空間だ。

 本公演は2002年に日本で誕生し、国内ツアーのみならず韓国や台湾、シンガポールなど海外で通算500公演が開催され、100万人以上を動員(2016年9月現在)、国内最大級のオーケストラツアーへと成長を遂げ、本公演で14回目の開催となる。

 今年は、アカデミー賞長編アニメーション賞&主題歌賞をダブル受賞、2013年に公開され社会現象的ヒットとなった『アナと雪の女王』全編がフィーチャーされ、『ディズニー・オン・クラシック』では今年の公演で初めてのメイン演目として物語の音楽全曲が取り上げられる。

目の前で蘇るディズニー・ファンタジーワールドのライブ演奏

愛さえあれば(c)Disney

愛さえあれば(c)Disney

 荘厳で雄大、ファンタジーでドリーミーなディズニーの世界感を音にするのは「オーケストラ・ジャパン」。タクトをとるのは、2002年の「ディズニー・オン・クラシック」第1回から指揮者を務め、楽曲のアレンジメントも手がけるブラッド・ケリー(Brad Kelley)だ。ヴォーカリストにはトリシア・タンガイ(Tricia Tanguy)ほか、NYのミュージカルシーンで活躍するヴォーカリスト達が迎えられ、ショーのナビゲーターには、ささきフランチェスコが務める。

 ステージ上では、おなじみのディズニーキャラクター達の人形が、演奏者の側に愛くるしく“ちょこん”と置かれ、LAのディズニー本社に保管されている貴重なオリジナル楽譜が演奏者を導く。国内外よりトップクラスの演奏家が集まって構成されたフルオーケストラが、ディズニーの名曲の数々をステージで一斉に生演奏をする。各作品の映像と共にディズニーのファンタジーな世界がライブ演奏によって聴衆の目の前で甦る。

 ショーの案内人・ささきフランチェスコは、曲間でこれから披露される曲の背景や世界観を、ストーリーを語るようにプレゼンし、聴衆をスマートに「まほうの夜の音楽会」へとエスコートする。

プログラムを一部紹介

ヴェリィ(c)Disney

ヴェリィ(c)Disney

 第一部では、フィル・コリンズ、スティーヴィー・ワンダー作の楽曲をオーケストラアレンジで披露するという初の試みもあり、オーケストラのコンサートにはあまり馴染みがないポップスファンであってもその世界に入りやすく、ショーの音楽を存分に味わえるだろう。そして、表現力たっぷりのシンガー達が客席と一体となって創り出す空間は、出演者と一緒に楽しめる参加型のコンサートを味わう事が出来る。

 『ファンタジア 2000』より、組曲「火の鳥(ストラヴィンスキー)」では、荘厳な大自然がオーケストラで表現され、スクリーンに写し出された同作品とシンクロし、「ディズニー・オン・クラシック」ならではの角度から作品・組曲を改めて楽しむ事が出来る。映像と同時進行でストーリーの時系列を追う様に表現される『ファンタジア 2000』の世界観は“圧巻”の一言だ。ステージのラストでは、普段のクラシックコンサートではなかなか見られないであろう「特殊効果」を使ったスペクタクル感あふれる“サプライズ”が用意されている。

ライブで再現される『アナ雪』

とびら開けて(c)Disney

とびら開けて(c)Disney

 第二部では『アナと雪の女王』全28曲を“物語”と“音楽”が一体となり感動を生む60分間だ。「レット・イット・ゴー」「生まれてはじめて」「あこがれの夏」「とびら開けて」「愛さえあれば」など、お馴染みの楽曲はもちろん、北欧の伝統音楽や賛美歌にインスピレーションを受けた、ドラマティックで壮大なオーケストラスコアまでを、スクリーンに映し出される映像や心に残るセリフと共に、臨場感たっぷりに披露される。

 歌姫のトリシア・タンガイは『アナと雪の女王』の世界に溶け込み、映像のヴァーチャルワールドとコンサートホールのリアリティ空間を紡ぎ、聴衆をディズニー・ワールドへと誘い込む妖精のような姿で歌い上げる。数々のシーンを、セリフと歌と共に現実で再現するように物語は進められる。音楽にのみ集中していると思いきや、作品中のセリフも語る指揮者・ブラッド・ケリーのほっこりファニーな“トナカイ役”も必見だ。

コンサートのバリエーション

集合写真(c)Disney

集合写真(c)Disney

 季節やホールの特徴に合わせた様々なバリエーションが魅力のディズニー・オン・クラシック。10月〜12月にはプログラムの一部を、個性的な悪役の魅力が詰まった、スリルと迫力満点のヴィランスズ・スペシャルで展開される「ディズニーヴィランズ・SP」を、名古屋、福岡、大阪、東京で全5公演でおこなう予定。

 12月にはクリスマスの季節にぴったりのディズニーの名曲を「ディズニー・オン・クラシック」ならではのアレンジと演出の「クリスマス・SP」を、山梨、東京、横浜、名古屋、
神戸・大阪で全7公演が開かれる。

 また、コンサートツアーの幕開けである「プルミエ・コンサート」、クラシック専用ホールで楽器本来のサウンドが味わえる「クラシック専用ホール公演」、通常より大きなオーケストラ編成の「スペシャル・コンサート」、ツアーのフィナーレを飾る「ファイナル・コンサート」など、様々なバリエーションが用意されている。

 年末には、『ディズニー・オン・クラシック 〜ジルベスター・コンサート2016/2017』が新たな年末特別公演として舞浜アンフィシアターにて開催される。(取材・平吉賢治)

公演情報

名称:ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2016
テーマ:“真実の愛”は心をとかす
日程:2016年9月23日(金)~12月25日(日)
会場:全国36会場54公演
主管:ディズニー・コンサーツ/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
後援:avex group/アメリカ大使館
特別協賛:株式会社ジェーシービー
協賛:株式会社ヤクルト本社/株式会社ジュピターテレコム(J:COM)
協力:月刊「ディズニーファン」
制作・運営:Harmony JAPAN
制作協力:ADK/メディアジャパン

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)