ゼロになっても大丈夫、イトヲカシ 失敗してきたからこそ伝えたい
INTERVIEW

ゼロになっても大丈夫、イトヲカシ 失敗してきたからこそ伝えたい


記者:橋本美波

撮影:

掲載:16年09月23日

読了時間:約18分

感謝溢れるステージで魅了するイトヲカシ、デビューシングルに込めた想いとは

感謝溢れるステージで魅了するイトヲカシ、デビューシングルに込めた想いとは

 伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)による2人組ユニットのイトヲカシが9月21日、シングル「スターダスト/宿り星」でメジャーデビューした。12年に結成。路上ライブを中心に活動を続けていくなかで、ネット上に投稿した楽曲動画が評判を呼び、注目される存在に。13年以降は全国路上ライブツアーを展開し、これまでに3万人以上を動員した。今年5月発売の初全国流通ミニアルバム『捲土重来』でオリコンウィークリー5位(インディーズチャート1位)を獲得すると、デビュー前にも関わらず、今年の『ROCK IN JAPAN FES. 2016』に初出場を果たした。メディアでの顔出しはおこなわず、素顔はファンと直に会えるライブのみ。そんな彼らの持ち味は、日本語を大事にした歌詞、メロディセンス、そして力強い歌声だ。今回は2人に、ユニット結成の経緯や新譜に込めた想いなどを聞いた。そこで語られたのは、多くの失敗を重ねてきた彼らだからこそ胸を張って言える「ゼロになったって大丈夫じゃない? やってみようよ!」という背中を押す思いだった。

解散したタイミングが同じだった

イトヲカシの伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)

イトヲカシの伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)

――イトヲカシを本格的に始動する前は各人、ニコニコ動画で活躍されていました。なぜ、今回、ユニットとして活動していくことになったのでしょうか。

伊東歌詞太郎 僕らは中学からの同級生なんです。初めて組んだバンドが一緒で、そのバンドはすぐに解散してしまったんですけど、それからお互いに違うバンドをやって、そのバンドも解散したので連絡を取り合ったんです。解散したタイミングがたまたま同じで、こんなに奇遇だったらもう一回どっかで何かやれないかなと思って。それで、イトヲカシとして動画投稿を始めたんです

――こうしてメジャーデビューとなりますが、今のお気持ちはどうでしょうか。

伊東歌詞太郎 それぞれ違うバンドをやっていた頃から、バンドへの憧れや夢は変わっていないんです。例えば、大型のフェスに出たいとか、紅白歌合戦に出たい、ミュージックステーションに出たい、武道館でライブをやりたいとか。たとえ「なんで?」と言われても、その理由は「ただ憧れているからだよ」ということなんです。その中のひとつにメジャーデビューもあったんです。

 なかには、そのメジャーデビューでさえも「メジャーデビューする意味って何?」とか、「昔に比べてメジャーデビューというのはステップアップの力が弱いんじゃないの」と言われることもありますが、「俺たちはメジャーデビューに夢を見てんだよ!」という気持ちが凄くあるんです。そうしたなかで、6月におこなったライブ『イトヲカシ first one-man tour 「捲土重来」』の千秋楽でメジャーデビューを報告したときに、ファンの方が自分の予想の3倍ぐらい喜んでくれたんです。中には泣いている方もいて、こんなにも自分のことのように喜んでくれるんだなと思いました。

 メジャーデビューするにあたって関わってくれた人たちが徐々に増えていって、それは僕らに期待をしてくれているからだと思うんです。ファンの人も色んな人も含めて僕らは成功して、とにかく一緒にみんなで幸せにならなければならない。その通過点がメジャーデビューだと思っています。

宮田“レフティ”リョウ メジャーデビューを発表したときに凄く喜んでくれるお客さんが沢山いて僕らもびっくりしました。その反面、TwitterなどのSNSでは「メジャーデビューして遠くなってしまうんですね」というようなメッセージもあったり。でも僕らは、戦っていくフィールドは変わっていくかもしれないけど、スタンスを変えるつもりは一切ないんです。それを証明するために、という訳じゃないですけど、メジャーデビューと同時に全国路上ライブツアーの開催を発表したんです。

 路上ライブというのは僕らの活動の中で凄く大事な柱の一つになっていて、一生続けていきたいなと思っている活動なんです。お客さんと凄く近い目線でライブをやれるという所も失わずにずっとやっていきたい。そこだけはぶれないでいようと思います。もちろん僕もメジャーデビューに憧れ続けていた人間なんで凄く嬉しいですけどね。

――最近色々なフェスに出られていると思うのですが、その中でも国内最大級のフェス『ROCK IN JAPAN FES. 2016』に出演されてみていかがでしたか?

伊東歌詞太郎 ご存知の通り、バンドマン100人いたら、間違いなくその100人が「出たい!」と言う憧れのステージです。僕らも喉から手が出るほど出演したかったですし。それにまず出演させてもらえたというのが凄く嬉しくて。僕らはWING TENTという3000人が入れるステージでのトップバッターだったんですよ。しかも、WING TENTの枠を超えるお客さんが来てくれて。

 これだけ憧れていたステージに僕らは今立っていて、こんなにも楽しいライブが出来ているとが不思議で、僕はそのときに改めて「なんで実現できたんだろう?」と考えたんです。そこの答えはやっぱり、僕たちを良いと思ってくれる人たちがいて、その人たちの思いが積み重なって、その声が主催者の方々に届いて僕らを呼んでくれたんだと思うんです。自分が出たかったステージは、お客さんや色んな人から頂いた“ご褒美のステージ”なんです。そういうことを実感しながら、ステージ上で歌っていました。

宮田“レフティ”リョウ 僕も同じように感じていて、ステージ上から見えた景色は素晴らしかった。『ROCK IN JAPAN FES.』に出られるって当たり前のことじゃないですし。

――出演できる割合は本当に僅かですよね。

宮田“レフティ”リョウ 割合で言ったらどれくらいか分からないけど、あのステージに立てることは当たり前のことじゃないから本当に感動しましたね。押し上げてくれたのは間違いなく僕たちを応援してくれている皆さんですから。皆さんと素晴らしい景色が見られて嬉しい気持ちと感謝の気持ちが大きくて。もっともっと良い景色を見せてあげたい、連れて行ってあげたいと思ったんです。

 WING TENTでのライブが終わった後に改めてGRASS STAGEを見渡した時に、イメージを超えるぐらいにステージが大きく見えたんです。これを見たらミュージシャンだったら「絶対ここに立つまで辞めねーぞ」という気持ちが湧いてきますね。その為には、色んな人を巻き込んでいかないといけないし、この日、WING TENTに集まってくれた人も一人残らず連れていきたいなと思っています。皆で良い景色をみたいですね。僕らはそれをするのが使命だと思うので。そういう風な気持ちを強く持った、新しい夢ができた一日でもありました。

――『ROCK IN JAPAN FES. 2016』で他のアーティストさんのステージは見られましたか? その中でも刺激を受けた方がいたら教えてください。

伊東歌詞太郎 好きなバンドはなるべく観に行きました。どのアーティストさんにも凄く感銘を受けたんですけど、湘南乃風さんはやっぱりフェスで見てもカッコいいなと改めて思いました。湘南乃風さんは日本でタオルを回すという文化を作ったと言っても過言ではない方です。いろんなアーティストのファンが集まるフェスで、6万人が同じことをして一つになるということは、めちゃくちゃ難しいと思うんですよ。それなのに、会場が一つになっていましたからね。

 その後に見たWANIMAさんも凄く音楽を楽しんでいるというのが伝わってきたし、LiSAさんは昨年武道館ライブを見させてもらったんですけど、その頃よりもまたさらにカッコよくなっていました。ボーカリストとしては、凄く悔しいという思いもあるけれど、自分もこの1年でどのくらい成長したんだろうと考えさせられました。MONGOL800さんのステージも見ることができて嬉しかったですね。もう一人は黒木渚さんです。過去に対バンした仲間で、こうしてあのステージで見られたというのは刺激になったし「負けていらんないな」という気持ちにもなりました。

宮田“レフティ”リョウ 僕は黒木渚さんの編曲を一緒にやっているので見方がまた違いました。この後、残念ながら喉の治療のために活動休止しちゃうんですけど、それがありながらも一生懸命に発信している姿を見ていたら、凄く心にくるものがありました。

 それと、僕はSUPER BEAVERさんも凄く好きで。なのに、彼らのライブは長いこと観られていなくて、あの場で久しぶりに観ることが出来て嬉しかったですね。彼らが色んな経験を積み重ねてきたことも知っているから、ステージ上から彼らのファンに対する感謝の気持ちは凄く伝わってきました。僕らも同じように観に来てくれた皆さんへの感謝というものは常に忘れないように発信し続けていきたいと思いました。

流れ星に願いを懸けるんじゃなくて自分に願いを懸けようぜ

イトヲカシのステージのもよう

イトヲカシのステージのもよう

――デビューシングル「スターダスト」に込めたものとはなんでしょうか?

伊東歌詞太郎 僕らは今まで音楽で色んな失敗をしていて、その分、悔しい想いもしてきました。それでも一生懸命になって夢を追うということは大切なことだと思っているんです。夢って簡単に叶わないと思うんですよ。僕らも上手くいかなかった。けど、気持ちを切り替えたんです。流れ星に願いを懸けるのではなくて、自分に願いを懸けようと。

 僕らだったらみんなに音楽を聴いてもらいたい、というのが夢であり願いです。それを流れ星に懸けても、自分が一生懸命になって頑張らないと叶わないんじゃないか、と思うようになったんです。そのことを僕は歌いたくて、その想いをこの曲に込めました。逆を言えば、一生懸命にやれば夢は叶っていくものだと思うんです。

 この曲は、ここで完結させるのではなくて、これから先、僕らが皆の期待を裏切らないように、夢を一個一個叶えていくという生き様をみせて「この曲で言っていたことは本当だっただろ」ということを証明していきたい。そういう決意表明の曲でもあります。

――編曲に関してはどのようなイメージで作られましたか。

宮田“レフティ”リョウ イトヲカシの大きなテーマとして「王道の音楽を追及」というのがあるんです。「王道」には色んな定義があるけれど、一つ大きな軸として僕は奇をてらわないことかなと思っているんです。ギミックを仕掛けるというのはある種、そっちの方が簡単だと思うんです。そうではなく、凄く大衆的というか普遍的なものに感動をもたらすのは狭き門だったりするのかなと思うんです。

 それはこのシングルが、メジャーデビューシングルだから特別に意識しているということでは一切なくて、今までそういう音楽の作り方をしてきているので。狙ってやっているというよりかは、僕らはそういう音楽を聴いて育ってきている。今、そういう音楽があまりないのかなと思うんです。そこをちゃんとバトンとして繋いでやっていきたい。そういう気持ちが表れている楽曲アレンジになったと思います。

――「スターダスト」の歌詞にある<それもいとをかし最高じゃない?>というフレーズが興味深いです。

伊東歌詞太郎 そこには「雨が降ったって、空が曇ったって、それも大変興味深いじゃん、それも最高じゃん、晴れたらもちろん良いけど、雨降ったら降ったで良さがあるし、曇ったら曇ったときの良さがあるし」という思いを込めています。雨が降ると路上ライブが出来ないという悲しさはあるんですけど(笑)。メロディーが浮かんだときに、このメロディーとリズムにはまる言葉はなんだろうと考え、それで出てきたのが<それもいとをかし>でした。ここはリズムにはまるし、意味も言いたいことと重なる。「それもいとをかし、最高じゃない?」という風に。

――<全てなくなってゼロになったって ここは日本だし大丈夫じゃない?>で敢えて日本という国名を使った理由は。

伊東歌詞太郎 僕らは日本だけでなく、台湾やシンガポール、タイと世界で路上ライブをおこなってきたんですね。そこで観てきた結果、改めて実感したのは日本は凄く良い国ということなんです。国民性として、人を思いやることが浸透している国はなかなかないんです。日本にいれば余程のことがなければ飢え死ぬこともないし。仕事を全部失って、何もかも失ったとしても、その気があれば食べていくことは出来る。全てなくなったって日本に居る限り大丈夫ということを伝えたくて。

 それに今、一歩を踏み出せない人って必ず一定数はいると思うんです。一歩踏み出せない理由は「失敗したらどうしよう?」という不安だと思うけど、僕らはいっぱい失敗してきた。そういう人間が伝える、「全てなくなったってゼロになったってここは日本だし大丈夫じゃない? やってみようよ!」という気持ちはもしかしたら、説得力を持っているのかなとも思ったんです。

宮田“レフティ”リョウ 僕も凄く好きな歌詞です。生活が他の国よりも保証されているからこそ、逆に、踏み出して冒険するということに臆してしまう人が多いんじゃないかなと思うんですよね。僕らには「ゼロになったって良いじゃん!」という無敵の安心感があります。

アニメの世界に寄り添うものっていう所を凄く頑張って目指した

――「宿り星」はどのようなイメージで作られたんですか?

伊東歌詞太郎 「宿り星」は、アニメ『双星の陰陽師』のエンディングテーマとして制作をしました。エンディングテーマというのは、アニメが終わった最後に華を添えるものだと思っていますし、華を添えるべきだとも思っています。『双星の陰陽師』の原作を読んでみたら凄く好みで。どっぷり浸かって世界観を理解してから落とし込んでいきました。

 そのなかで、作品の世界観とイトヲカシらしさと2つがあったら、僕は真ん中をとることだけは絶対にしちゃいけないと思ったんです。それは、『双星の陰陽師』の作者・助野嘉昭さんや僕らのファンに失礼じゃないかと。だけど、どっちかに振るとなったら、もう片方には立てなくなる。

 それでも、これらが両立する場所は絶対にあると思って考え続けたんです。アニメの世界に習うという訳じゃなく、自分の中から出てきた言葉が、アニメの世界に寄り添うものという所をもの凄く意識して、両立を目指したんです。

――編曲に関してはどのように制作していきましたか?

宮田“レフティ”リョウ (歌詞太郎に)メロディーのベースというものを持ってきてもらって、そこをビルドアップしつつ、大体の骨格を作ります。それが出来たら、歌詞太郎が歌詞を書きにスタジオの外に飛び出していくんです。僕は一人、スタジオに残り、その曲のアレンジを進めるというパターンが多いですね。

――制作が孤独だったりしますか?

宮田“レフティ”リョウ いや、お互い孤独なんで(笑)。

伊東歌詞太郎 僕は、よく公園で歌詞を書いてるんですけど、そのときに外国のファミリーに話しかけられたりするんですよ。

――話しかけてくるんですか?

伊東歌詞太郎 そうなんですよ。子供が、「ねーねー」みたいな感じで。家族と交流しながら歌詞を書いてますね。

――伊東さんは話しかけやすい感じがしますよね。

伊東歌詞太郎 なんでなんでしょうね(笑)。外国の子供が可愛いんですよね。

宮田“レフティ”リョウ 彼が外国の子供と戯れている間に、僕は編曲をするという…(笑)。「宿り星」に関しては、アニメのテーマもそうですし、メロディーから連想される力強さと繊細さ、儚さみたいなものが同居してる感じなんです。『双星の陰陽師』は一見、「戦い」がメインに描かれているけど、背景に悲哀みたいなものを感じたんです。それをアレンジでいかに表現できるかと考えて、ストリングスはバイオリニストとたくさんキャッチボールをして凄く良い形に落とし込めたなと思っています。

 そして、力強さというものを演出する為には、しっかりバンドとしてラウドに存在しているものにしたいなと思って、特にドラムとギターを色々試してちょっとファジーな感じに仕上げてみました。ここはピアノやストリングスと上手く共存する落としどころを探した結果なんです。

――ストリングスの恩恵もあり、壮大且つしっかりとしたバンドサウンドに仕上がってますよね。

宮田“レフティ”リョウ 奥行き感みたいなものは凄く考えて作りました。

――伊東さんが曲を作ってるときはアレンジのイメージみたいなものはあるんですか?

伊東歌詞太郎 アレンジは作っている最中に頭の中である程度は鳴っています。僕らは制作においてぶつかったことがほとんどないんですよ。だから、ゴールのイメージは何も言わなくても共有が出来ているんじゃないかなと僕は思っています。

星は統一したように見えて実はたまたま

「スターダスト/宿り星」ジャケット

「スターダスト/宿り星」ジャケット

――「スターダスト」と「宿り星」を聴いたときに、青空と夜空のように対比が出来る景色が想像できました。

伊東歌詞太郎 それもよくわかります。「宿り星」の方がゆったりとしていて、夜の優しさというか月明りのようなイメージ。「スターダスト」は凄く疾走感があるから、晴れたらいいなという感覚。色んなイメージを聴いてくれた人が思ってくれるのは、我々作者としては凄く嬉しいです。

――この2つの楽曲は星が関連していると感じたんですが、これは何か関係性があるんでしょうか?

伊東歌詞太郎 今回のメジャーデビューシングルに収録の「スターダスト」と「宿り星」は星で統一したように見えて実はたまたまなんです。僕らは凄く星が好きなんで、放っておいたら宇宙の曲や星の曲はかり書いちゃう…、その結果です(笑)。2人で話し合って今回は「星で行こうぜ! うん、OK!」みたいなことは一切ないですね。

宮田“レフティ”リョウ 放っておいたら勝手に星の曲を書いちゃったみたいな(笑)。

――5月にリリースされたミニアルバム『捲土重来』に星がテーマの曲はないですよね?

伊東歌詞太郎 実は『捲土重来』では、敢えて星を出さないように意識して制作したんです。

宮田“レフティ”リョウ 放っておいたらすぐに星が出てきてしまうんです(笑)。

――そうだったんですね。『双星の陰陽師』にも星が入っているので、今作ではそこでも統一性ありますよね。

伊東歌詞太郎 そうなんですよ。本当、星好きで良かったなと思います。

――お2人は流れ星とかは見たことありますか?

伊東歌詞太郎 あります。2人で同じ流れ星を見たことがありました。

宮田“レフティ”リョウ なかなかない体験だと思うんですよね。北海道を車で移動していて、ドアを開けてみたら満点の星空だったので眺めていたんですけど、凄く寒かったよね(笑)。

伊東歌詞太郎 レフティ、あのとき寒そうだったよな(笑)。僕ね、あと2時間ぐらい見ていたかったんです。僕は星が凄く好きなんですよ。

宮田“レフティ”リョウ 路上ライブで旅をするときはよく流れ星を見ることが多いんです。

――流れ星を見たときに願い事をしますか?

伊東歌詞太郎 やっぱり、流れ星が流れている間に願い事を言うのは無理です。すぐ消えちゃいますからね。

――願い事って何回言わなきゃいけないんでしたっけ…?

宮田“レフティ”リョウ 願い事は3回言わなきゃいけないんです。

伊東歌詞太郎 感覚的に0.2秒しかないんで「言える訳ないじゃん!」ということなんです。なので、流れ星に願いを懸けた人は、人類史上いないと僕は思います(笑)。

間違いなく僕の心の中にある言葉

これからの生き様で「スターダスト」の歌詞を証明していこうと思っている

これからの生き様で「スターダスト」の歌詞を証明していこうと思っている

――この2つの楽曲を含めて、けがれた世界へ訴えかけたい想いが凄く伝わってきますが、やはりそういった想いが強いのでしょうか?

伊東歌詞太郎 ありますね。どんな世界でも、誰かを出し抜いてやろうと思っている人とか、悪いことやズルをしてやろうという気持ちの人は一定数いると思うんです。僕はけっこう傷つくタイプなんで、そういう人を見るとなんでこういうことするんだろうなとか考えるわけです。<こんなけがれた世界>という「宿り星」の歌詞は、間違いなく僕の心の中にある言葉です。

 “けがれ”というのは、『双星の陰陽師』の悪役が「ケガレ」という名前なんですけど、それに合わせたという訳ではなくて、僕が本当に思っている“けがれ”という言葉が『双星の陰陽師』の世界に合致した感じです。「スターダスト」もそうで、バンドで上手くいかなかったというのも凄く悔しかったし…まあそれってきっと自分のせいでもあるんですよね。上手くいっていないときは上手くいっていない人達が集まってくるもんです。

――最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

伊東歌詞太郎 「スターダスト/宿り星」は、僕たちの間違いない夢の一つであるということです。夢というのは自分の力じゃ叶えることができないから、これまで音源を再生してくれた人、ライブに来てくれた人、一つひとつが積み重なって、僕らをこのステージに引っ張ってきてくれたと思います。

 本当にこのシングルは、決意と共にもう一度「ありがとう」という意味も込めてリリースさせていただきたい。気持ちに偽りがないということを、是非ともチェックしてもらえたら凄く嬉しいです。ここで完結しない僕らのこれからの生き様で「スターダスト」の歌詞を証明していこうと思っているので、暖かい目で見守っていただけたらと思っています。

宮田“レフティ”リョウ まずは、「ありがとう」という感謝を伝えたいです。今まで応援してくれた方にも。そして、これからも皆ともっともっと良い景色を見て、一生の思い出を作っていきたいなと思ってます。応援してくださいとは言わないので、僕らが応援してもらえるような音楽をこれからもクリエイトし続けることを誓います。

(取材・橋本美波)

 ◆イトヲカシ 伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)による2人組ユニット。中学時代の同級生だった2人が2012年に結成。ユニット活動と並行してそれぞれネットを活用した音楽活動を展開。様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュースワーク、サポートミュージシャンなどの活動をおこなう。特に動画サイトにおいてその歌声とメロディセンスが大きな話題を呼び、投稿動画総再生数は2500万回、Twitterフォロワー数は合わせて55万人以上。イトヲカシとしては2012年4月に1stミニアルバム『ホシアイ』(伊東歌詞太郎/レフティモンスター名義)、10月に2ndミニアルバム『音呼治心』、2013年11月に3rdミニアルバム『軌唱伝結』を自主製作にてリリース。2013年以降全国路上ライブツアー実施しており、2013年3月~4月実施の『イトヲカシ全国路上ライブツアー~はるかぜのやくそく~』では東京・大阪・名古屋を除く31カ所で1万2000人以上を集めた。2014年9月~10月実施の『イトヲカシ全国路上ライブツアー2014』では17カ所で7000人以上を集め、計3万人以上を動員した。この活動は海外にもおよび、タイ、シンガポール、フランス、オランダで展開。シンガポールのフェスティバルにも2回出演している。個々の活動を含め4年間の準備期間を経て、満を持して2016年よりイトヲカシの活動を本格化させた。

作品情報

「スターダスト/宿り星」

[CD+DVD]
9月21日リリース
AVCD-83700/B 1700円(税込) 1574円(税抜)
CD
01 スターダスト
02 宿り星
03 スターダスト(instrumental)
04 宿り星(instrumental)
DVD
01 「スターダスト」Music Video
02 「宿り星」Anime Music Video
※初回封入特典:「双星の陰陽師スペシャルステッカー」

[CDシングル]
9月21日リリース
AVCD-83701 1000円(税込) 926円(税抜)
01 スターダスト
02 宿り星
03 スターダスト(instrumental)
04 宿り星(instrumental)
※初回封入特典:「双星の陰陽師スペシャルステッカー」

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