「Ken's Bar 2016」の会場となった幕張メッセ・イベントホール

「Ken's Bar 2016」の会場となった幕張メッセ・イベントホール

 平井は、5年ぶりとなった新作とその5年間について「ずっと僕自身との闘いの5年間でした。“平井堅”という作品を揺さぶり続けて、何かまだあるだろうと問い続けた5年間だったような気がしています」と語り、その沈黙の5年間を破る口火となったという曲「告白」を披露。ここからは演奏陣が勢ぞろいし、バンド形式で演奏。曲の輪郭をより際立たせた。

 そして、平井は「また遊びに来てください、今日はどうもありがとうございました」と感謝を述べ、最後に2005年のシングル「POP STAR」を演奏。ステージにはアライグマとモグラの着ぐるみを着たダンサーが現れ、サビで踊りを披露。2階席まで観客が総立ちとなり振付をともに踊り、観客の笑顔であふれたまま本編を終えた。

何気ない日々、「それでいいな」

2nd Stageはバンド形式で盛り立てる

2nd Stageはバンド形式で盛り立てる

 鳴りやまない拍手がアンコールとなり、再び演奏陣が登場。会場が拍手に包まれ、平井は黒い衣装で現れた。そのまま『THE STILL LIFE』より、「TIME」を演奏。平井は「柔らかい、陽だまり的な曲を書いてると、僕も日々を大切に生きた方がいいなと思います。きっとそれが歌にも表れるだろうし。だから皆さん、日々その中で隣にいる人を大切にしてほしいと思います。それが人生で一番大切なこと」と語り、同アルバムより「それでいいな」を演奏。大事な人と過ごす日々を改めて噛み占める歌詞を、ピアノの伴奏とともに優しいメロディに乗せて歌い上げた。

 平井は鳴りやまない歓声と、スタンディングオベーションをさえぎり、マイクなしで「今日は皆さんありがとうございました!」と会場に響き渡る大きな声で挨拶し、「ニューアルバムよろしく」と付け加えながらステージを去った。聴き耳を立てた観客は、それに応えるように再び拍手喝采を平井に送った。

 デビューから20年以上経ち、未だにその第一線で活躍し続ける平井堅の真価を感じさせる一夜だった。また何度も足を運ぶ観客も彼の魅力を十二分に分かっているし、『Ken's Bar』の評判の高さを実感した。観客とアーティストが、この素晴らしい空間を幕張メッセという大規模な場所で作り上げるところに音楽の力の偉大さを知った。これから更に高みへと踏み出した“平井堅”という作品に期待したい。(取材・松尾模糊)

セットリスト

平井堅 「Ken’s Bar 2016」
2016年7月7日@千葉・幕張メッセ・イベントホール

<1st Stage>
01.思いがかさなるその前に・・・
02.君の好きなとこ
03.抱いて HOLD ON ME!(モーニング娘。 カバー)
04.海の声(浦島太郎=桐谷健太 カバー)
05.Plus One
06.かわいいの妖怪
07.魔法って言っていいかな?

<2nd Stage>
08.even if
09.Doesn't Really Matter(JANET JACKSON カバー)
10.お願いジュリー☆
11.センチメンタル
12.告白
13.style
14.ONAIR
15.POP STAR

<Encore>
en1.TIME
en2.それでいいな

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