さかいゆう、高密度な音楽と歌で魅せた「4YU」ツアー終幕
『TOUR2016 “4YU”』の模様
歌手シンガーソングライターのさかいゆうが3日、東京・昭和女子大学人見記念講堂で全国ツアー『TOUR2016 “4YU”』の最終公演をおこなった。このツアーは2月にリリースされたアルバム『4YU』を引っさげ、6月17日の札幌を皮切りに、全国6カ所で展開。この日は『4YU』の楽曲を中心に、カバー曲、新曲「But It's OK !」を初演奏するなど、アンコールを含め全18曲を熱唱。さかいゆうのソウルフルな歌声で観客を魅了した。また、12月21日に大阪・NHK大阪ホール、25日には東京・中野サンプラザでスペシャルライブ「“POP TO THE WORLD”SPECIAL」をおこなうことも発表した。
いろんな要素が詰まったアルバム『4YU』
世田谷区三軒茶屋にある昭和女子大学の、クラシック演奏も多々おこなわれてきた由緒あるホール、人見記念講堂には先日他界した故・PRINCEさんの音楽が流れていた。これから始まるライブへの期待感が高まる中、開演が迫るにつれ2000人のオーディエンスによって会場は埋め尽くされていった。
開演を告げるアナウンスが流れ、定刻を少々過ぎたところで暗転。オープニングSEである今回のツアーテーマソングに乗って、まずはバンドメンバーがステージに登場。流れるSEに合わせて生演奏を加え彩っていく中、さかいが登場。オーディエンスの大歓声と拍手でホールは包まれた。「さあ始めよう♪」と歌うSEが終了すると、さかいの力強い鍵盤のイントロがホールならではのリバーブ感に包まれ響き渡った。
オープニングナンバーはニューアルバム『4YU』1曲目の「SO RUN」。イントロでさかいは「東京!!」と叫ぶ。オーディエンスは、さかいの伸びやかでクリアな歌声に冒頭から魅了された。1曲目らしく、疾走感あるパワフルな楽曲でオーディエンスの心を掴んでいくと、続けて「トウキョーSOUL」を演奏。絶妙にバウンスしたリズムによって心と体が躍る感覚に酔いしれた。
「(ツアー)ファイナル、声を聞かせてくれよ!」とさかいがオーディエンスに投げかけ、コールアンドレスポンスで会場を盛り上げていく。更に「どいつもこいつも騒げ!」と叫んで始めたのは「Doki Doki」。タイトルのように“ドキドキ”するような、躍動感あふれる演奏と歌に酔いしれる。続けて「サマーアゲイン」を披露。力強くセクシーな歌声でこの夏を彩っていく。オーディエンスも一緒に掛け声を入れて盛り上がり、高揚感を得ている様子。
ここでMCを挟む。「『4YU』はいろんな要素が詰まったアルバム。いろんな人が聴いてくれて嬉しいです。さかいゆうが好きっていうのは、割と変わり者ですからね。(お客さん同士で)仲良くしてくれれば、それが僕が一番嬉しいことですね」と自虐ネタも盛り込みながら、会場を楽しませた。
MCに続いて「愛は急がず -Oh Girl-」を演奏。さかいが「(曲は)一見簡単そうに聞こえるけど、お前の曲は演奏すると難しんだよとバンドメンバーにいつも文句を言われる」と話していたように、熟練のスキルによる完成度の高い演奏で、オーディエンスを魅了した。続けて、ジャジーな雰囲気を持つ「下剋情緒」、熱いギターソロがハイライトの「あるギタリストの恋」と緩急をつけダイナミックな歌声でライブを展開していく。