高木里代子と牧山純子(撮影・小池直也)

高木里代子と牧山純子(撮影・小池直也)

 ジャズピアニストの高木里代子とヴァイオリニスト牧山純子が7月1日、東京・銀座三越でイベント『Jazz NIGHTS@GINZA MITSUKOSHI』に参加、演奏とトークセッションをおこなった。演奏は両者のオリジナルとスタンダードナンバーを織り交ぜ、トークセッションではお互いのジャズ観を赤裸々に語りあった。またイベント中盤では、お互い短冊に「ジャズとエロス」について、願いを込めた。

 このイベントはTOKYO FMのプロデュースによるもの。ジャズに縁が深い大人の街・銀座にちなんで、上質なジャズの生演奏を毎週金曜日に開催している。その企画の中、今回は美しすぎるミュージシャンとしても知られる、高木と牧山の共演が実現した。

 高木と牧山の両名はステージに立つと、ヴァイオリンのチューニング後に演奏を開始。まずはジャズスタンダードの「Fly me to the moon」。ピアノのリリカルなイントロに続いて、高木がその上でメロディを演奏していく。

 その後も同じくスタンダード「Stardust」、高木のオリジナル「MOJO Swing」、スタンダード「When you wish upon a star」と続けて披露。中でも「MOJO Swing」はエレクトロスウィング風のオリジナルとは違う、ピアノとヴァイオリンという編成で楽曲がまた違う雰囲気になっていた。

 七夕が近いということもあり、演奏が終わると2人で、ステージの傍に設置された笹に短冊を結んだ。二人が書いた願い事は「ジャズとエロスで輝く日々になりますように」(牧山)、「ジャズとエロスで世界平和」「素敵な恋ができますように」(高木)。この中の「エロス」という単語は、今年2月に発売された牧山の著書『ジャズとエロス』から採ったという。

 イベントの第2部はトークセッション。銀座三越で演奏するのは初めてだと言う二人。牧山は「買い物に来る事はあっても、楽器を弾くことは無いので普段とは違う様に見えますね」とコメント。高木は「昼間の明かりの中で演奏することがあまり無いのでヤバいなって。普段お会いしないお客様の感じとかも嬉しい」と感想を話した。

 また、ジャズが敷居が高いのでは、という話題になると牧山は「20代後半の時に初めてジャズに出会って、即興演奏するという新たな世界に飛び込んでいったんです。ジャズは敷居が高いとよく言われますけども、ダンスミュージックでもあるので。何も考えずに身を委ねて楽しめる、一番簡単な音楽なのかなと認識していただければ嬉しいなと思っています」と希望を述べた。

 高木は「ジャズとして楽しいのは即興演奏をしている時。例えば赤ちゃんが泣いたり、携帯が鳴ったりするじゃないですか。そうしたらその携帯の音を弾いてアドリブしちゃう、とかその場の駆け引きがある」と現代らしい即興演奏について語った。

 イベント後の囲み取材では、高木の衣裳について質問が及んだ。水着や派手な衣装で演奏したことも話題になった彼女だが「(水着を着た時は)夏だったし、そういう格好でお客さんを立ち止まらせて、まず聞いてもらわないとと思っていた。そういう意味では作戦成功かな」と戦略的な一面を覗かせた。

 そんな高木を牧山は「サービス精神が旺盛すぎるので、時に心配にはなるんですけど。楽しんでやっている姿を見てると、こっちも晴れ晴れした気分になります。自分にはできないですけど、凄く見てて楽しいです」と評価した。(取材・小池直也)

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