平原綾香(撮影・小池直也)

平原綾香(撮影・小池直也)

 シンガーソングライターの平原綾香(32)が、31日に東京・丸の内オアゾで開かれた「世界禁煙デー記念イベント」内のトークディスカッションに参加。その中で自身の受動喫煙との向かい合い方や、喫煙者に関する想い、そして「周りを変えるのではなく、まず自分が幸せになる」という持論を展開した。

 1988年から5月31日は「世界禁煙デー」とされ、世界中で禁煙が呼びかけられている。当イベントはその一環で「2020年、受動喫煙のない社会を目指して ~たばこの煙から子どもたちをまもろう~」というテーマのもと、受動喫煙についての議論や公演がおこなわれた。平原が参加したトークディスカッションには、元パラリンピック走り幅跳び代表の谷真海選手、国立がん研究センターの澤田典絵さんが登壇してそれぞれの受動喫煙に関する価値観を話した。

 まず、平原は「私はこの間姪っ子が生まれまして、前よりもこういうことに関しては考えるようになったと思います。煙を直接吸わなくても、煙草を吸っていたお部屋に入るだけで害があるっていうことでびっくりしました。私自身、外で誰かが吸っている時は息を止めてその場を通り過ぎるんです。でもどうしても煙を吸ってしまう事もあるんですね。なので、皆で意識を高めて被害の無い様な社会になったらいいなと思っています」と話した。

 また、2013年9月に厚生労働省より健康寿命の延伸のオピニオンリーダーとして任命された「いきいき健康大使」という立場もある平原。「喫煙者に言いたい事は?」という質問に対して「吸うのを辞めるのって大変なんですよね。でも、できれば大切な人ほど吸ってほしくない。すごい寿命がかわるという話も聞いていましたし、できれば愛する人を守るためにも長生きしてほしいないと思います」と訴えた。

 ここまで言われると、喫煙者は悲しい気分になってしまうかもしれない。しかし彼女は「吸わないから良くわからないけど、好きな人は好きなんですよね。だから、それに代わる物を世界も国ももっと提供できるような、それこそ私とかは、出来るかわからないですけど音楽で吸いたくなった時に聴くと収まるみたいな(笑)。何か代わるものを提示しないと、ただやめなさいと言ってやめられるわけではないと思うので。ただ“煙草ダメ!” “吸っている人嫌い!” とかそういうことじゃなくて。みんな温かい目で見ることが大切なのかなと思います」と一方的に否定しているわけでない様子も見せた。

 最後に2020年の東京五輪については「2020年に色んな人たちが日本に来た時に『日本って癒されるな』って言ってもらえるような街づくりができたら、と今思いました。ストレスがたくさんあると、きっと煙草も吸いたくなるでしょうし、煙草を吸わなくても違うことで発散しなければいけない。でも、そういうストレスを発散する時間も無くて悶々として、それが隣の人に移っちゃったりして、どんどん悪循環な世の中になっている気がするんです。なので、まずは自分自身から幸せになって、周りを変えていこうって思わなくちゃいけないんだなと思いましたね。それぞれが自分らしくきらきらと輝いていたら、総合的に環境のいい健康的な日本になると思うので、私も音楽の方面から少しでもストレスがとれる歌とか、そういうものを発信できるように自分がまず精進していきたいと思います」と笑顔も交えながら語った。

 彼女の歌を聴くイベントではなかったが、今回の発言から彼女の歌の背後にある人間性に触れた様な気がした。それが歌としてアウトプットされているんだなとしみじみ感じたし、何故か彼女の歌を聴いた気分になったのは不思議な体験であった。(取材・小池直也)

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