歌うのは別に好きじゃなかった
――皆さんは楽器を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
中原健仁 僕が中学校の時に兄貴が高校生でバンドでベースをやっていたので、家にベースがあったんですよ。それを僕がちょっと触っていたら兄貴が「ピックはこうやって持つんだよ」と教えてくれたんです。そこから半年ぐらいなにもしなかったんですけど、突然興味を持ち始めて、弾くようになってそこからハマっていきましたね。その時は兄貴の影響でBUMP OF CHICKENとかASIAN KUNG-FU GENERATION、ACIDMANとか聴いてましたね。高校に入ってからは洋楽を聴くようになりました。
大屋真太郎 始めたのは小学6年生か中学1年生ぐらいの時ですね。親のエレキギターが部屋に転がっていたので、自然とギターを手にするようになってましたね。音楽は好きでポルノグラフィティ、カルロス・サンタナ、ジミ・ヘンドリクスなどを聴いてました。最初は父の持っていたレコードからベンチャーズをギターでコピーしたりしてましたね。その時は「誰かとバンドやろう」とかも考えてはいなかったですね。なのでギターインストをよくコピーしてました。
――途中からバンドをやりたくなった?
大屋真太郎 (中原)健仁が転校してきたんです。お互いに自己紹介をした時に楽器をやっていることを知って、何となく一緒にやったら楽しそうだなというところからですね。
――川口さんのきっかけは何だったのでしょうか。
川口大喜 僕は小さい頃から和太鼓をやっていたんですよ。多分叩くことが好きだったんじゃないかなと思うんです。ドラムに興味を持ったのはORANGE RANGEなんですけど、その時に初めてドラムセットという存在を知ったわけですよ。気付いたら箸をスティック代わりにして、缶の筆箱を叩いてましたね。教科書なんて全部バスドラムですよ。中学1年生ぐらいからドラム教室に通い始めました。そこからHi-Standardとかメロコアをコピーしてましたね。
松本大 僕は中学1年生の時に浜田省吾さんを聴いていて、そのライブに連れて行ってもらって観た時に「ギターをやってみよう」と思ったんです。何となく始めた感じですね。
――歌は好きだったんですか。
松本大 別に好きじゃなかったですね。
――興味もなかった?
松本大 目立つのは好きだったと思いますけどね。楽器の方が好きだったんですよ。オルガンとか良く弾いてましたね。
――歌い始めたのはいつ頃から?
松本大 このバンドに真ちゃんが誘ってくれたのが最初で、初めてスタジオに入る時に僕はギターで誘われたと思っていたんですよ。スタジオに入った時に歌詞カードを渡されて、「歌うんだよ」と言われて、騙されたような感じで始まりましたね。
――大屋さんは松本さんの歌を聴いたことはあったのですか。
大屋真太郎 いや、聴いたことはなかったんですけど、その時はとにかく人がいなくて(笑)。偶然の選択が、こういうことになろうとは思いもしなかったですね。
――偶然かもしれないですけど、これも運命ですよね。なかなか松本さんのような説得力のある歌を唄えるボーカルはいないと思いますよ。
松本大 そういう風に言ってもらえるんですけど、歌が好きで始めたわけではないから、自分ではよくわからないですね(笑)
――バンド初期の頃と現在では歌はけっこう変わりましたか。
大屋真太郎 変わったと思います。みんな誰かの真似だったりするんですけど、(松本)大は歌っていくうちにどんどん自分の内面が出てきて、気付いたら大の声になっていたんですよ。
――皆さん割と早い時期から楽器やられてたんですね。
松本大 遡るとリコーダーも好きでしたよ。あと鍵盤ハーモニカにかなりロマンを感じてましたね。小学校の時に「剣の舞」をやらされましたね(笑)
大屋真太郎 やったね(笑)
松本大 めちゃくちゃ難しかった(笑)
――音楽の強豪校か何かだったんですか。
松本大 そうではないんですけど、音楽が好きな先生は多かったと思います。
大屋真太郎 合唱で「慌てん坊のサンタクロース」を歌って、感動して一人泣いたこともありましたね。今でもあるんですけど、メロディーが好きすぎて涙が出てくることはあります。
一同 (感性が)豊かだねぇ(笑)
――仲が良さそうな皆さんですが、プライベートで遊びに行ったりとかするんですか。
中原健仁 飲みには行きますよ。(松本)大以外の3人がお酒が大好きなんです。
――松本さんは飲まない?
松本大 飲まないんですけど、お酒を飲んでる空気感は知ってます。
――飲んでる時はどんな会話をされるんですか。
松本大 とりあえずスケジュールが空いたら、ディズニーシーへ行こうという話をしてますね。
――皆さんディズニーシーが好きなんですか。
川口大喜 俺はそうでもないですよ。
松本大 そんなこと言いながら、お前は前回もそうだった(笑)
――前回は行った時はどうだったんですか。
中原健仁 まだ3人で活動していた時の話なんですけど、僕と(松本)大でディズニーランドに行こうという話で盛り上がっていたんです。(松本)大がミッキーマウスのぬいぐるみを持ってくるくらい楽しみにしていて(笑)
松本大 最初、(川口)大喜は「ダルいなあ」とか言ってたんですけど、着いたら着いたで一番はしゃいでたんですよ(笑)
川口大喜 確かにパレードで最初にミッキーマウスに手を振ったのは俺でした(笑)
一同 (笑)。
――皆さん仲が良いんですね。最後に6月から始まるワンマンライブツアー『GREEN CARAVAN TOUR』への意気込みをお願いします。
中原健仁 「innocence/キャラバン」はバンドとして飛躍できた音源になったと思います。楽曲の持つ感情を大事にして、それをパッケージングできた。曲自体の意思も凄く強い3曲になったと思うんです。この3曲とこれまでの楽曲を合わせてセットリストを組んで「GREEN CARAVAN TOUR」を回っていくことは、今までに絶対なかったLAMP IN TERRENをお客さんに観せることも出来るし、現在の僕らを観てもらえると思うんです。
ライブを観てくれる人の背中を押したいなという気持ちと、お客さんに僕らも背中を押してもらいたいですね。あと、お客さんと一緒に旅がしたいなという気持ちもスゴくあって、まだまだ未熟な僕らではあるけど、このツアーでみんなに夢を見せたいなと思ってます。終わった時に「意味のあるツアーを回れたよね、一緒に未来に向かっていけたよね」というツアーになればいいなと思っています。(取材・村上順一)