THE ORAL CIGARETTES、声帯ポリープ摘出手術後 初ツアー完遂
THE ORAL CIGARETTESとTHE BAWDIES(撮影・鈴木公平)
【ライブレポート】 ロックバンドのTHE ORAL CIGARETTESが3月20日、新木場STUDIO COASTで「唇ツーマン TOUR 2016 〜復活・激突・BKW!!の巻〜」のファイナル公演をTHE BAWDIESと共におこなった。1月にリリースされたニューアルバム『FIXION』を引っ提げて、全国10カ所、ツワモノばかりの10バンドと競演してきたツアーラストはロックンロールバンドのTHE BAWDIESとの一騎打ち。熱い仲間たちとSTUDIO COASTを大いに盛り上げた。このツアーは山中拓也(Vo. / Gt.)の喉のポリープ摘出手術後となった初のツアー。新曲や初のメドレーも披露した。無事にツアーを終え、集まったファンや競演した仲間たちに感謝を伝える記憶に残るライブとなった。
■THE BAWDIES「ロックンロールは感情の爆発」
開演前の会場はすでに熱気で満たされていた。今、破竹の勢いを魅せる2バンドの競演を今か今かと待ちわびるファンたち。 定刻を少々過ぎたところで暗転。ウィルソン・ピケットの「Land of 1,000 Dances」がSEで流れオーディエンスの手拍子の中、THE BAWDIESがステージに登場した。大歓声の中、ROY(Vo.Ba)の「HOT DOG召し上がれ」のコールからオープニングナンバー「HOT DOG」でライブの幕を開けた。
オーディエンスも腕を振り上げ、出だしからテンションはMAX。JIM(Gt.Cho)のトレブリーでソリッドなギターとTAXMAN(Gt.Vo)のグルーヴィーなリズムワーク、そしてMARCY(Dr.Cho)の軽快でメリハリの効いたドラミングが彩りを添える。続いてTAXMANが弾く暴れん坊将軍のテーマに乗って、ROYとJIMによる殿様と家来の小芝居を挟み「NO WAY」へ突入。フロアの盛り上がりでSTUDIO COASTが激しく揺れる。かざしたオーディエンスの腕で会場が埋め尽くされた。
「SING YOUR SONG」では熱いコール&レスポンスを繰り広げ、更にヒートアップ。「初めて見るかたもいらっしゃると思いますが、THE BAWDIESと覚えなくて結構です。ロックンロールと書いて松岡修造、いや綾小路きみまろとでも覚えておいて下さい」と自己紹介。ユニークなMCにフロアから笑い起こる。軽快でメロディアスな「LEMONADE」、「ROCK ME BABY」、アップテンポで英国的なノリが魅力の「B.P.B」と立て続けに演奏し、エバーグリーンなロックンロールテイストの楽曲で、STUDIO COASTボルテージは早くも最高潮に。
後半戦、メドレーの「YOU GOTTA DANCE」ではJIMのギターの音が出なくなってしまうトラブルも。「LEAVE YOUR TROUBLES」で間一髪復活。ライブならではのスリリングな場面もあったが、そこは百戦錬磨のTHE BAWDIES。そんなハプニングもなんのそので、逆風も追い風に変え、さらに会場をひとつにしていった。
定番曲「IT'S TOO LATE」へ突入。STUDIO COASTがTHE BAWDIESのグルーヴで満たされていく。エンディングでROYのいつまで続くのかと思わせるほどのロングトーンに大歓声が上がった。ROYは「俺が言ってるロックンロールという言葉は音楽のジャンルを指して言っているわけではございません。ロックンロールというのは感情の爆発なんです。感情が飛び出した瞬間をロックンロールというんじゃないですか。これを我々は伝えたかったんです」とロックンロールとは何かを熱く語り、ラストはロカビリー高速ナンバー「KEEP ON ROCKIN'」を披露。締めにTAXMANの「ワッショイ」の掛け声でTHE BAWDIESのライブの幕を閉じた。