ガールズバンドの赤い公園が23日に、通算3枚目のアルバム『純情ランドセル』をリリース。4月からは自身最大規模となる全国ツアー『赤い公園マンマンツアー2016』を開催する。赤い公園のサウンドやキャラクターは一言二言では決して括れない。エキセントリックでいて、可愛くもあり、そしてカオスでポップ。まさに新種のガールズバンドと言える。そんな赤い公園が満を持して完成させたのが『純情ランドセル』だ。その自信作のサウンド、制作面の裏側を徹底的に迫るべく、赤い公園の佐藤千明(Vo)と津野米咲(Gt)に話を聞いた。「今作が気に入られなかったら傷つく」――。豪華ラインアップのプロデューサー陣で臨んだ制作秘話や、佐藤千明の意外なバックボーン、津野米咲のギターサウンド、今の赤い公園の音像を支える機材、そして、作曲やアレンジでいかにして“赤い公園サウンド”が仕上がるかなどを詳細に語っていただいた。
自然と作る事ができた“心のこもった素直な作品”「純情ランドセル」
――アルバム「純情ランドセル」を聴かせて頂きました。とても素敵な作品です。
佐藤千明 ありがとうございます。嬉しいです。
――今回のアルバムの、大衆性を伴って“ポップ”でありながら「赤い公園」の芯にある音楽性がブレていない、という部分に感銘を受けました。今作はどういったコンセプトで制作されたのでしょう?
津野米咲 前回はそれこそ「猛烈に行こうぜ」と決めて『猛烈リトミック』が出来たんですけど、今回は何だか自然と、コンセプトを決めないまま事が進んで行きまして。“ただ私たちが過ごしている毎日の中にレコーディングが入ってきた”という形で、自然と作る事ができたんです。前作のアルバム制作で学んだ事に加えて、いろんなプロデューサーさんたちと一緒にやらせて頂く前からやっていたような、それこそ5年前にやっていたような事も自然に出てきたんじゃないかな、という風に思います。
――何度か今回のアルバムを聴いて「満を持した自信作」という印象を受けたのですが。
津野米咲 これで「好きだ」って言ってもらったら嬉しいですし、これで「キライだ」って言われたら傷つくというくらい、心のこもった素直な作品になったと思います。そういうのを作る事ができてとっても嬉しいです。
――聴いていてそれがとても伝わってきました。
佐藤千明 よかった!
ジャンルレスの独自サウンド
――「純情ランドセル」にはいろんな曲調があるのですが、どんな色の楽曲であっても、どんな音楽を鳴らしても「赤い公園」の音、という印象です。そういったバンドは本当にごく少数で、THE BEATLESやRADIOHEADなど、歴史的なバンドくらいではないかという程のものだと思います。そういった点が形になったアルバムだと思います。「何をやっても赤い公園」という。
津野米咲 私もその点は、ちょっと感じている部分があって、自分がある楽曲のこういうルーツが好きで、でもクラシックみたいなものも好きで、「アレが好きでコレが好きで」と思っているものをごちゃ混ぜにして作っている曲があると言いますか。正直、メンバーはいろんなジャンルが好きですけど、「何と言うジャンルがそれなのか」「そのジャンルが何なのか」「これはどのジャンルなのか」、いつもチンプンカンプンなままやっている部分があって。そのおかげもあるのかもしれないです。ただ女の子たちが集まって音楽をやっている「このリズム、あの曲とかの感じかな? 違うかな〜」くらいの感じで(笑)
――こんなのかな? とやってみたら赤い公園のサウンドになった?
津野米咲 初期の頃は特にそういう事を感じていて、そのまま来ていてほとんど分かるようになってきても、根本チンプンカンプンなのは変わっていないし、「そこはそんなに重要な事ではないだろう」と思っている部分もあります。
――どのジャンルとか、音楽性がどうとか、そういうのは別にという?
津野米咲 なんにせよ歌だ!という事ですかね。
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