宮本佳林ら歴代コピンク誕生の真実、地方局番組の壮大な仕掛け
トークイベント「裏話大会」の模様。スクリーンに映るのは宮本佳林とさわやか五郎のリハの貴重映像
宮本佳林(Juice=Juice)らを輩出した、静岡朝日テレビの人気番組『ピンクス』『コピンクス!』にゆかりのあるアイドルたちが集まるスペシャルライブが3月12日に、東京・ディファ有明で開催される。これに先立ち、去る2月29日、東京・阿佐ヶ谷ロフトAで、番組スタッフや作家陣によるトークイベント「裏話大会」が行われた。
『ピンクス&コピンクス!ラストライブ予習トークライブ~スタッフ&コスタッフ!裏話大会~』と題したトークイベントは、番組初期から知るスタッフや、コピンク*楽曲の作曲やビジュアルデザインを手掛けてきたクリエイターの依田伸隆さん(10GAUGE)、同じく作詞を担当した作家の児玉雨子さん、放送作家の竹屋なか子さん、番組出演者のさわやか五郎(上々軍団)、そして、コピンク*通で知られるプロインタビュアーの吉田豪さんが参加。
前半と後半の二部構成で、前半は、初代コピンクの宮本佳林や、二代目の浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、そして、三代目の廣川奈々聖(わーすた)の歴代コピンクが初めてレコーディングに取り組んだ模様やリハの様子などの秘蔵映像が公開された。ユーストリームでネット生中継された後半は、番組スタッフによるコピンク誕生秘話や楽曲制作、イベントなどの裏話が明かされた。
11歳、初々しい宮本佳林
前半の貴重映像では、当時11歳の初代コピンク宮本佳林の初ナレーション収録の模様が公開された。「SWEET HEART LOVELY」という文字が刺繍されたピンクのパーカー姿の宮本。当時を知る児玉さんは印象を「黒目が大きかった」と振り返った。また、中学二年生だった当時の「カリーナノッテ」レコーディング映像も披露。依田さんは「松田聖子のモノマネができると聞いて、それで歌ってもらった。そこで彼女の路線が決まった」と回顧。吉田さんも「宮本さんの歌唱力は抜群ですけど、ハロプロ歌唱じゃなくて松田聖子っぽい歌い方だなと思ってたんですよ!」と語った。
また、二代目コピンク浅川梨奈や、三代目コピンク廣川奈々聖のそれぞれの中学二年生の頃に行ったレコーディングの模様を収めた映像も流れた。依田さんは当時を「歌い方が定まっていないアイドルをアテンドするから、ここに来て歌って探している感じだね」と振り返った。
映像はこのほかに、2013年に静岡・駿府城公園で開催されいまだ映像化はされていない宮本佳林コピンク卒業イベント映像も公開。当時を知るコピンクス!初期からのスタッフで宮本佳林が所属するプロダクションのアップフロント石井裕之さんは「即販で用意したCDは300枚なのに500人が並んだ。急きょ購入枚数制限を設け追加分を用意した」という裏話を明かした。
2014年9月23日に清水マリナートで行われたライブ映像も紹介され、当時18歳の荻野可鈴(クインセ・夢みるアドレセンス)による「いつかお姫様が」や、宮本の「リバース」などこちらも貴重映像満載の内容だった。
歴代コピンク*起用理由の真実
後半では参加者による裏話が次々と明かされていった。
まず、初期の番組には佐藤綾乃(現・アップアップガールズ(仮))や吉川友、桐谷美玲もゲスト出演していたことが紹介されると、番組企画当初から携わる石井さんは「ピンクスの企画イメージがハロプロに近いという理由で静岡朝日テレビの番組企画担当から相談を受けた。
続けて、石井さんは「ハロプロエッグ(※研修生)から選定するとなった時に、私を含めてエッグの担当マネージャーがコピンクのナレーション担当としてお願いしようとしていたのは宮本ではなくて、工藤遥(現・モーニング娘。‘16)だった。それでも番組企画担当の方が宮本を選んだ理由は、何度か実演する現場を見て宮本のポテンシャルを感じたのと同時に、当時のプロフィールに好きな色として“うすピンク”と書いてあったから」と紹介した。
また、二代目コピンクの浅川梨奈について番組の企画担当者は、「GEM(※エイベックスiDOL Streetの第3弾ユニット)のスターティングメンバーに選ばれなかった時、輝きを失ったのではなく、逆に光るものを感じた。彼女は一生懸命すぎて誤解されやすいタイプ。肩の力を抜ければきっと良いタレントになると思い、コピンクで自由に楽しんでほしかった」と当時エイベックスの「iDOL Street」ストリート生だった浅川を起用した理由を披露した。
三代目コピンクの廣川奈々聖も「iDOL Street」ストリート生だった。廣川について企画担当者は「福岡といえばアイドルの聖地、念願の福岡出身のコピンクだった。決め手は表現力。たとえば、キラキラと舞う“生きた”スカートの動きだった。児玉さんが語ったように唯一の存在で○○みたいなタイプという表現が見当たらない才能」と語った。その廣川が所属するわーすたは先日、5月のメジャーデビューが決定。これに触れて「いよいよコピンク卒業ですね」とも述べた。
昼のシンデレラ
このほか、駿府城公園で行われたイベントの裏話として、児玉さんは「佳林ちゃんに内緒でダブルアンコールをするつもりだった。だけどイベント自体がおしてしまい、東京でJuice=Juiceのお披露目もあって、12時台の新幹線に乗らないといけなかったという事情も考慮して、昼のシンデレラということで12時でコピンクちゃんはJuice=Juice生まれ変わるように設定した」と紹介。吉田さんも「12時を過ぎたら全く違うアイドルになっているという物語だったんですね」とスタッフ側の心情をくんだ。
楽曲秘話の数々
宮本が担当した初代コピンクが配信でリリースし、2012年度上半期Amazon MP3ダウンロード数第2位にランクインしたコピンク*名義の最初の楽曲「カリーナノッテ」。
実は当時、いち研修生という立場だった宮本が番組ナレーションや配信だけとはいえ、ソロ曲を歌唱するという活動することに対して、「あくまで研修生なので、勉強としての参加」、「コピンク=宮本佳林」の表記をしないよう事務所からお願いをされていた。
それを受けた、作詞担当の児玉さんはそんな状況に対して「佳林ちゃん名前出してよ→佳林名乗って→カリーナノッテ」とオフィシャルに発表されているイタリア語でかわいい夜という意味のカリーナノッテの裏Wミーニングがあったという話も紹介した。
他にも、「最高視感度」というタイトルは光の瞬きの最大値を示す(最大視感度)の単位がmk(宮本佳林のイニシャル)ということに気づき、これを意識したタイトルにしたという話や、作曲家の依田さんはコピンクの楽曲を制作する際にはいつも、初代コピンク宮本佳林が歌ったらというイメージを持ちながら創作活動をおこなっていた、「リバース」のジャケット画像は宮本佳林の番組MCへの復帰を願ってのデザインだった、竹屋なか子さん共作詞の「兎tocome(feat.ゴロー)」は、実は宮本佳林コピンク2曲目制作への伏線だったなどと、初代コピンク宮本佳林がスタッフ・作家陣からの絶大なる寵愛を受けて制作されていたことがわかる話が繰り広げられた。
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