ステージに立つ八代亜紀

ステージに立つ八代亜紀

そして真っ赤なドレス姿に着替えて登場すると、観客に手を差し伸べたり手拍子を煽ったりと「Fly Me to the Moon」で会場を再加熱していく。「ドレスは赤です。キレイ?80歳まで着るから。」と笑いを誘い、「ヒット曲いっていいかな?」と港町・横浜だからこそと「おんな港町」、さらに「雨の慕情」と大ヒット曲のブルースアレンジでたたみかける。手拍子に歓声にとお馴染みの楽曲を楽しむ観客に、軽快なビートにのった八代も「フゥ!」と嬉しそうに応えながら、一体感溢れるステージを繰り広げた。

その後「The House of the Rising Sun」をムードたっぷりに歌唱した八代は、「ショーはこれで終るの。もちろん、アンコールがあればやるけど?」と茶目っ気たっぷりに言ってみせると、ロバート・ジョンソンのカバーで自身の故郷にアレンジした「Sweet Home Kumamoto」を披露。鳴り止まない手拍子と「カモン!」のコール&レスポンス、そしてギターにピアノ、サックスと楽器パートを全身で楽しみながらこの日一番の笑顔を見せ、最後は一呼吸おいて「Sweet Home YOKOHAMA!」で大歓声に包まれた。

盛大なアンコールに「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えると、改めてバンドメンバーを愛称で紹介していく。そして「素敵な時間を、素敵な空間で、皆様と過ごせて本当に良かった。」と会場の隅々を見渡した。「横浜ですからジャズっぽくいきましょう!」と、静かに楽器を鳴らしライブを締めくくったのは「舟唄」。そのアンコをボーカルのみで魅了した八代は、ファンとの触れ合いを楽しみながら客席を抜け、感謝の言葉を繰り返し会場を後にする。全12曲のブルースサウンドを横浜に響かせたバンドメンバーにも盛大な拍手が送られると、惜しまれつつも幕を閉じた。

なお八代は伊東ミキオ(MIKIO TRIO)率いるニューバンドを結成し、6月よりコンサートツアー「八代亜紀 2016 AIUTA presented by 積水ハウス」を開催することも決定している。キーボード・伊東のほか、ギターに藤井一彦(THE GROOVERS)、ベースに中條卓(シアターブルック)、ドラムにサンコンJr.(ウルフルズ)、サックスに梅津和時と、名うてのミュージシャンが名を連ねる。「aiuta」から「AIUTA」へと成長し更なる深みを増す「哀歌」の世界を、ニューバンドとともに是非とも堪能してほしい。

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