シンガーソングライターの秦 基博が2月24日に、20枚目のシングル「スミレ」をリリースした。デビュー10年目の2016年。最初のシングルは、女優の桐谷美玲が主演を務めるテレビ朝日系 金曜ナイトドラマ『スミカスミレ 45歳若返った女』の主題歌。これまでに多くのCMや映画等のタイアップ曲を書き下ろしてきた秦だが、意外にも今作が自身初の連ドラ主題歌。ドラマの世界観に寄り添いミステリアスな要素を感じさせながらも、自身の新境地ともいえるアップテンポなラブソングに仕上げた。ミュージックヴォイスでは今回、秦 基博に同曲の制作秘話から参加したミュージシャンの特長、更にはタイアップ曲を書き下ろすにあたっての思いなどを多岐にわたって話を聞いた。秦の言葉からは、楽曲を届けるリスナーへの強い思いがにじみ出ていた。
ギターに触れた少年時代
――勝手ながら、秦さんを、いつも平静を保っているクールな方という印象を抱いていました。当然、ギターサウンドはとても情熱的なのですが。
クールですかね。自分で意図して作っているものではないので。
――幼少期はどのような少年でしたか。
野球をやっていましたね。中学の時はバスケ部に入っていましたし、運動が好きでした。
――スポーツプレイヤーとしては冷静なタイプ?それとも熱血的な?
どうでしょうかね…。なかなかそこまで分析するに値する程はやっていなかったかもしれないですね。家では3人兄弟の末っ子で。兄からは「要領良くやっている」と言われていましたね。
――兄2人がケンカしているときに片隅で見ていたり、あるいは仲裁に入ったり?
ケンカはあまりしない兄弟でしたね。でも兄が親に怒られたような事はやらないようにしていましたね。そうやって兄達がやって失敗した事は繰り返さないようにしていました。それで「上手くやっているな、お前」と言われた事は多いですね(笑)
――そのようななかで音楽と出会ったきっかけは?
兄の影響なんです。12歳くらいの時に兄がギターを貰ってきて、家にあったそれを弾き始めたというのがきっかけですね。
――当時はどのような楽曲をコピーされていましたか。
長渕剛さんとか。もうちょっとするとMr.Childrenさんやエレファントカシマシさん、ウルフルズさんとかを中高生の頃は弾いていましたね。長渕さんは兄が好きでCDも弾き語り本もありましたし、あとは自分で聴くようになった音楽をコピーしていましたね。
――比較的、洋楽よりも邦楽寄り?
邦楽ですね。兄の影響もありましたし、中高生の頃は邦楽のヒットチャートが凄く賑わっていたというか、ミリオン連発の頃ですし。そういう意味では邦楽にどっぷり浸かった世代ですね。歌モノと言われるものが好きは好きでした。当時のヒットチャートの中で純粋に良いなと思ったものを聴いていただけなんですけどね。
――当時、ライブに行ったりすることは?
ライブには行かなかったですね…ひたすら部屋で人の曲をコピーしていました。同時に、当時からオリジナルも作っていたので。中学生くらいの時から作っていましたね。