パジャマの意味

貴重なパジャマ姿も披露した

貴重なパジャマ姿も披露した

 久々の単独公演への嬉しさをぶつけるようにBillyがギターをかき鳴らす。そのリフに乗る沙也加はスモーキな歌声で軽やかに、そして踊るように魅せた。2曲目「highness」からは、EDMサウンドが加わり、より高揚を高めていき、のっけから猛スピードで駆け抜けた。歪むBillyのギターサウンドに呼応するように、沙也加も肩を見せ、妖艶に舞う。そして、突然しゃがみこむと、1列目のファンに目線の高さをあわせ、一人一人に目配せをしながら歌い届ける。

 米西海岸のロックのように、ギター、ベース、ドラム、キーボードどれも音量が大きく爆発力があった。そして、それに埋まらない沙也加の歌唱力は際立った。疾風の如く、4曲が過ぎ去った。ここで沙也加がMC。「こんばんは。元気ですか。会いたかったよ。久しぶりだね。師走の平日だというのに来てくれてありがとう」と観客の心をくすぐるように甘い言葉を贈ると、「楽しみにしていたあまりにパジャマで来ちゃいました」と茶目っ気たっぷりに語った。

 この日の衣装は、今年の干支をモチーフにした白のパジャマ姿。貴重な衣装ともいえるが、沙也加は「未年が終わって来年を元気に迎えようという意味と、デビュー1年目を終え、来年からはプロとしてもっと自覚してやらないといけないという戒めも込めて」と極めて真面目。

 「羊が1匹、羊が2匹…」という言葉が聞こえてきそうな、羊が宙に舞うセットに加え、パジャマ姿の2人からは、いよいよ夢のなかにいるような感覚になった。それは「日頃の悩みを忘れて今日は夢の世界で楽しみましょう」と言わんばかりであった。そして、次から始まるバラード曲で夢の中の深層に触れるのであった。

神秘の森へ

 メンバー紹介を行ってから「1年の締め括り。初期から最近の曲まで多彩に用意しています。どれか1つで気に入ってもらえれば」と語って5曲目「Escape」をスタートさせた。前半4曲に比べてボーカルの声が際立つ「Escape」、そして、エレキでアコギの音色を再現した6曲「as one」と、のびやかで透き通った沙也加の歌声と、それに歩調を合わせるように柔らかいBillyのギターサウンドが添えられる。

 夜空に溶け込むようなライト演出。7曲目「snow me」では、これまでとは異なる世界観を体感した。床を這うサウンドは霧が立ち込めるような感覚にさせ、ステージ背面のカーテンは青緑に染まる。深い森でも歩いているようだった。そして、沙也加の英語詞による滑からな歌声は森に宿る生命に息を吹き込んでいるようにもみえた。

 8曲目までを、バラード中心に届けると、小休止を挟むように再びMC。音楽の世界観と真逆に対峙するように笑いを誘うあたたかいかけあいもまた魅力だった。ツンデレの姫・沙也加に、たじたじの貴公子・Billyの姿は会場を和やかにした。

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