TRUSTRICKの本質を見た年末公演

TRUSTRICKの本質を見た年末公演

 【ライブレポート】神田沙也加(Vo)とBilly(G)による音楽ユニットのTRUSTRICK(トラストリック)が18日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で、単独公演『TRUSTRICK LIVE PROUD 2015 “Good Bye Stray Sheep”』を開催。来年1月27日に発売する「beloved E.P.」のリードトラックとなる新曲「beloved」を初披露するなど、デビュー曲から最新曲まで新旧織り交ぜ、全19曲を熱演した。アンコールでは「私たちを生かしてくれてありがとう。行けるところまで行きたい」とファンに感謝と誓いの言葉を述べた。彼女がみせた表情にはこのステージに立てることへの本心からの喜びが映っていた。“トラトリ”にとって今年最後の公演となったこの日の模様を以下にレポートする。(取材・木村陽仁)

夢のなかへ

 慌ただしい日常とは対照的に、会場はゆったりとした空気が流れていた。ステージセットは、今年の干支である羊(未)5匹が空中浮遊しているようなつくりで、所々に星の様な銀のポンポンがぶら下がっている。明るめの場内だが、2つのピンク色のライトが雰囲気を作っていた。その光景はどこか、今年1月に発売された『TRUST』のジャケット写真を想起させた。

 BGMとして流れているのは、90年代のブリティッシュロックやオルタナティブロックといった類い。着飾りたくなるようなお洒落なこれら楽曲は、観客の心をも軽やかにし、非日常的な雰囲気も手伝ってドリンクを片手に会話を弾ませていた。

 開演時間が過ぎたところで明かりが落とされた。暗闇の奥ではステージを歩くバックバンドの人影。目が慣れた頃には沙也加、そしてBillyがステージを歩いていた。2人を確認した観客は割れんばかりの拍手と大歓声を送った。そして、2人は手を挙げて応えた。

 そうしたコミュニケーションを楽しんでいるころに、ステージ両サイドのライトが強烈な閃光を放った。それを見計らったように沙也加が叫ぶ。「最後まで盛り上がっていきましょう」。姫には似つかない、アグレシッブな言葉で歌い届けたのは「Ray of Light」。トラトリ今年最後の単独公演はロックナンバーで幕を開けた。

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