赤い公園の魅力を探る(1)

ポップでアバンギャルドな“新種のガールズバンド”赤い公園

 ガールズバンドの赤い公園が11月25日にシングル「KOIKI」をリリースした。新しい時代のサウンドとして、限りなく自由に楽しくプレイする4人のうら若き女性の赤い公園は、ポップでアバンギャルドな“新種のガールズバンド”と言えるだろう。エキセントリックでいて、可愛くもあり、そしてカオスでポップ。いわゆるキャッチーさはなく、サウンドに掴みどころはない。しかし、こうした“通好み”のバンドが明るみに出てきた事が今までにあっただろうか。彼女達の個性を探るなかで浮上したのは、他のガールバンドにはある「モチーフ」のない点だ。この点が最大の魅力なのではないだろうか。

自由な前衛音楽がシーンの第一線に

 自由奔放にプレイする、あまりにもフリーダムな四重奏の前衛的女子バンドだ。赤い公園という4人組ロックバンドの音源が地上波に乗り、そのアバンギャルドな音楽が鳴り響いたのは2012年頃。カナダで開催された音楽イベント『Next Music from TOKYO vol.3』でのパフォーマンスで業界のド肝を抜き、それを経て晴れてメジャーデビューした年だ。

 初めて赤い公園の音をFMラジオから耳にした時、「冗談じゃない。滅茶苦茶にカッコいい。やりたい放題だ。このバンド......売れるのか?」と、正直にそう感じたのをはっきりと覚えている。そして2015年現在、赤い公園は、持ち前のスーパーソニックなサウンドとポップな歌、独自過ぎる世界観で音楽シーンの第一線に確実に滲み寄っている。

赤い公園「KOIKI」ミュージックビデオ

新種のバンド

 彼女達の音楽性をあえてジャンルなどで細分化すると、「オルタナティヴ・ロック」「ポスト・ロック」「ガレージパンク」「アヴァン・ポップ」「シューゲイザー」「ノイズミュージック」などであろうか。どれも“通好み”のアンダーグラウンドな音楽ばかりだ。

 しかし、赤い公園の曲を聴いてみると「これは○○年代オルタナロックの…、ギターノイズがどうこう…」なんていう詮索なんてどうでもよくなり、ただただ気持ち良くエキサイティングに聴ける。「難しい言葉」や「複雑難解な事」を、誰にでも分かるように説明する事ができる賢人のように、赤い公園はそれをごく自然に音楽でやっている気がする。

 赤い公園の音楽には、オルタナティブ(異質な、もう一つの普遍的な)性が芯にどっしりありながらもキラキラとポップな表面を持つ“超異質”な存在感がある。例えるなら、図鑑にも載っていない新種のメチャクチャかわいい動物が突如として現れ、音楽シーンで自由に踊り狂っている様な感じだろうか。

赤い公園「OW ON AIR」ミュージックビデオ

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